第56話 ただ食いは許さん

第56話




らくがき魔のABCが店にきた。

今度は営業中に店の中に入ってきた。

やったのは俺じゃなくてケブヤなんだけど。


「らくがきすいませんでした~ おわびに食べにきました~」って感じではない。


完全に営業妨害にきた感じだ。


念のためミマファ親子を裏に避難させた。



「あの、営業中なので外に出てもらえますか」


お店には他のお客さんもいる。



「店主風情が弱っちいくせに」

「俺たちは客だぞ」

「ここの料理をだしやがれ」



しかたなくシチューをABCに出した。


「けっ こんなまずい料理・・・もぐもぐ まいう~!」


Aは文句を言いながら一口食べたら、うまかったらしい。がっついた。


「ば、ばかやろう。ケチつけろ。なんのためにきたんだ・・・もぐもぐ まいう~!」


Bも同じだったようだ。がっついた。


「おまえらな。こんなもの・・・もぐもぐ まいう~!」


Cもがっついた。


「「「おかわり!」」」


ABCは残さず食べて 3杯おかわりした。



「こんなまず・・・くなかったけれども」

「こんなひど・・・くもないけども」

「こんなすばらしい料理を 客にだすとはなんて店だ!」


え? さっき「まいう~!」っていって3杯おかわりしたよね?


それにすばらしい料理を客にだしてなにが悪いの?



「店主悪いことは言わねえ 店たため」

「ここで商売するな」

「痛い目みるぞ」


やっぱりな。

そうゆうことか。



「とりあえず食事代は払ってくれるんですよね」


「「「ことわる」」」


頭にきた。


ただ食いはゆるさん! ・・・






















「なめてんじゃねーぞ。チンピラども! おら! おら! おら!」


ドガッ

A 「ほげ!」

ドガッ

B 「ふげ!」

ドガッ

C 「はげ!」


問答無用で腹パン1発ずつ食らわせた。


「こ、この店主 つえーぞ」

「うぐ、俺らより店主のほうがチンピラじゃねーか」

「うう、店の外に出ろって言っておきながら店の中で暴力振るうとは!ポンポンが痛い」



「きっちり金払ってもらうぞ。らくがきの清掃費も出せ!」

拳をポキポキならしながら脅す。


「「「は、はい。申し訳ありませんでした」」」


ABCから金を払ってもらって追っ払った。



距離が離れたらABCは振り返り

「チンピラ店主 これで勝ったと思うなよ」

「今日のところはこれで許してやる」

「ポンポンが痛い」



あいつら。

まったく。



店内から拍手がおこった。

「店主さん強いね」

「かっこよかったわ」

「どうなることかと思ったけど頼りになるね」

「すてきだわ」


なんか照れ臭い。

つい我を忘れて店の中でやってしまった。


お客さんに被害はなかったけど不安にさせてしまった。


「お騒がせしてすいません。おわびにクリームパンとアンパンをサービスします」




「店主ふとっぱら」「びゅーてぃふぉ~」「とれびあ~ん」「イッツグッ」

再び店内から拍手がおこった。


異界の指輪の 異世界の言葉の翻訳 おもしろいね。



あいつらまた来るかもしれないな。

自分がいないときミマファ親子に何かあったら大変だ。


どうしたものか。


そうだ!ケブヤに店の用心棒を頼もう。



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