第55話 ケブヤの謝罪
第55話
「この前は悪かったな。初心冒険者だと思って絡んじまった」
ケブヤがわびてきた。
詳しく聞くと、
なりたての冒険者は死にやすいから基本をおしえている。
初心者冒険者から金を巻き上げてるわけじゃない。
授業料はとるがエール1杯分。
死んでほしくないからやっている。
初心者を抜けるまで面倒みるだけ。
ということだった。
冒険者たちが「いいぞやれやれ」といってたのは問題が起きないからだった。
受付嬢も止めに入らなかったのは親切でやっていたのを知ってるから。
なるほど それで冒険者どもはあおってたわけか。
受付嬢は新人を指導してくれるとおもったから黙認してたわけね。
人相悪すぎるから勘違いしたよ。
「俺も悪かったよ。 人助けだったとは思わなかったからさ。 おしりに・・・」
「しりに旗を刺した奴がいたんだ! そいつを探してる! 目を覚ましたら刺さってたからな! とっつかまえて奥歯ガタガタ言わしてやる!」
「おしりに旗を刺して悪かった」と言おうとしたのだが・・・
い、言えない・・・俺が刺したなんて言えない。
「そ、それは難儀だっな。 俺も犯人がわかったら教えるよ」
「頼むぜ! 殴られた腹よりも しりのほうが痛かったぜ!」
まあ そうだよね。
罪悪感がハンパない。
・・・
しかし、ミマファよりも小さな子供が落書きしたのかと思ったら 大人が3人とは。
この3人が「バカ」で「アホ」で「ウンコ」なのはわかった。
「デベソの母ちゃん」と「へんぺいそくの親父」は誰の親なのか気になる。
「なんで あんな落書きしたんだ。迷惑だろう。落書き消すのも大変だったんだぞ。父ちゃんと母ちゃんがデベソでへんぺいそくなのはわかったけど
俺の店のところに落書きするなよ」
「「「・・・」」」
ABCは口を閉ざしている。
「なにかいいやがれ」
ケブヤが威圧する。
「「「ビクッ!」」」
俺よりケブヤを恐れている。
巨漢で裸に黒革のベストを着て世紀末にバイクを乗り回してそうなモヒカンの極悪人相だもんな。
普通に怖いよね。
「まぁ 今回は許そう。もうやるなよ」
「いいのか。こいつらまたやりそうだぞ」
「次やったら衛兵に突き出すから。行っていいぞ。ABC」
幼稚ならくがき魔の3人はABCと呼ぼう。
らくがきをしてしまうほど悩んでいたのかと思って かわいそうだから許してあげた。
さすがに もうやらないだろうと思ったが・・・
翌日
「よう!よう!よう!」
「じゃまするぜ!」
「昨日はよくもやってくれたな!」
ABCがまた来た。
らくがきはしなかったが今度は営業中に店の中に入ってきた。
俺なにもしてないよ。
やったのは俺じゃなくてケブヤなんだけど。
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