第52話 肥やしは・・

第52話




店を閉めて村に戻った。


チマキ町長が村に来たとき ガーリ村長に渡しそびれた鍬とスコップを複数渡す。


「ありがとうございますじゃ。わしはガ・・・」


クサゴタさんを見つけて農業ホークを渡した。


「遅くなってすいません」


「とんでもねえですだ。ありがとごぜます。これがベコ飼いの農具だかや」


サクッ ポイ 


サクッ ポイ 


「これは便利だがや。草に刺さってぶん投げられるどや。そうだ賢者さまにお礼を」


「いえいえ。気持ちだけでじゅうぶんですから」


このまえお礼の件は丁重にお断りしたじゃないの。

肥やしをくれるっていわれて困ったからね。


「そうだか。なんだか申し訳ねーだ。うちのベコはステファノスの他にボンヤスキーゆうベコもいるだよ。ボンヤの糞もいい肥やしになるだよ。肥やしが必要になったらいつでもいってほしいだ」


やっぱり肥やしだったか。


「え~と・・・必要になったらお願いします」


「うちとこのベコの糞は最高だで」




村長もクサゴタさんも喜んでくれた。


少しでも仕事が楽になればいいなと思った。




・・・




翌日、店にいくと町長ズが待ち構えていた。


昨日のことを謝罪したいとのことだ。


「ヘイちゃん ごめんなさい」


「サックーすいませんでした 確実に」


秘書ズは覚えてるみたいだ。

俺につけたあだ名で呼んでいる。



「おまえたち何を馴れ馴れしく呼んでいるんだ。失礼だろ。ヘイサク殿申し訳ない。生まれて初めて酔ってしまった」


しかし、チマキ町長はへべれけで覚えてないみたいね。

二日酔いなのだろう頭を押さえている。



「チマキちゃんのほうが失礼ですよ。記憶がなくなるまで酔っぱらって。たくさんもらったワイン チマキちゃんが一人で10本以上飲んじゃったでしょ」


「しばらくの間 ワイン楽しもうと思ったのに。どうするんですか確実に」


町長一人でそうとう飲んでたからね。そら記憶もなくなるわね。


「おまえたちもそれなりに飲んだのだろう」


「飲みましたけどデカグラスでガブガブと湯水のごとく飲むから! 全部飲まれるとおもって! わたしたちもつられちゃったんですよ!」


「なんでいつも後先考えないんですか!確実に!」




「これからはガブガブチマキって呼んじゃいますよ!」


「そ、それはやめてくれ!ガブガブチマキはダメだ!」


「バキュームチマキ なんてどうですか。 すてきですよ。 確実に!」


「やめろ!バキュームチマキはもっとダメだ!」


「それなら ちゃんと考えてください」

「チマキちゃんのせいでいつも生活苦しいんですから。確実に」


ガヤガヤ


ガヤガヤ



謝罪したいって話だったが・・・


やんや やんやと賑やかになるのだった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る