第45話 シチュー試食
第45話
ぱっか ぱっか
あいかわらずのやせほそった馬がボロ馬車を引いていく。
チマキ町長が村に来たことでガーリ村長やクサゴタさんに農具を渡せなかった。
村に帰ってから渡そう。
「今日来たのはな、パンの試食報告もそうだがルフダンワ亭の開店初日だから迎えに来たのだ」
「そうだったんですね」
意味もなく押しかけてきたのかと思ったけどそうでもなかったのね。
チマキ町長は良い人だ。
「今日は何を売るんだ?」
町長が興味津々に聞いてくる。
「今日はお持ち帰りコーナーは ふわふわパンにクッキーとチョコレートを売ります」
「おお ふわふわパンは最高だった。クッキーとチョコレートとやらも楽しみだ」
「あと酒類も2杯までってことで売ろうと思います」
「酔っぱらってのトラブルを避けるためだな」
「そうです。刃傷沙汰になったら大変ですから。酒はワインとビールとカクテルを売ります」
クリームパンとアンパンで剣を抜いて にらみ合うんだから酔っ払ったりしたら何が起こるか分からない。
「ワインは最高だ。ビールとな?エールの仲間か?」
「そんな感じです。カクテルは果実酒みたいな・・・飲んでからのお楽しみということで」
「ほかの酒類も気になる」
「食事コーナーはカレーとシチューを出しますので、また試食をお願いします」
「「試食します やったー(確実に)」」
御者をしている秘書ズがさけぶ。
「これこれ はしゃぐでない みっともない」
秘書ズをたしなめる町長だが自分はヨダレをたらしていることに気がついていなかった。
・・・
店に出す品物の話をしていたら町に到着した。
町長の屋敷に入り馬車をとめると さっそく試食会を開く。
昼前だったのでちょうど昼食にしよう。
「昼ご飯を試食してもらいたいのですがシチューはいかがでしょうか。 カレーもありますがどちらがいいですか?」
「なんと カレーもあるのか。しかしシチューとな? 試食ならばシチューがいいのだろうがカレーは最高だった。 うーん どちらがいいか」
町長は どっちも食べたいじょ って感じでこっちをチラ見してくる。
秘書ズも 両方食べたいじょ って感じでこっちをチラ見しながら
「わたしたちも悩みます。カレーも食べたい」
「でもシチューの味も知りたい(確実に)」
しかたない。 両方あげよう。
こうなるだろうと思っていたからね。
「それじゃカレーは夕飯にでも食べてください。いまはシチューの試食をお願いします」
というと
「さすがヘイサク殿だ わかっている」
「「ヘイサク様 ありがとうございます。(確実に)」」
今回は大量に持ってきているからね。
今回もご飯とパンを用意したがシチューにはパンかなと思い試食してもらう。
なのでシチューと食パンを食べてもらった。
「うんまー!シチューとは どうやって作るのだ。これは食べやすい。実にパンと合う!パンも相変わらず柔らかい!」
町長はシチューにパンを浸して食べている。
「「お おいしー カレーも好きですがシチュー大好きです (確実に)」」
秘書ズは皿に口をつけて かきこんでシチューを食べている。
喜んでもらえてよかった。
シチューは固形ルーで作ってるだけだから 今度、ルーをプレゼントしよう。
野菜を煮込んでルーを入れるだけだから簡単だ。
「おかわり」
「「おかわり」」
おかわりいただきました!
嬉しいね!
しかし・・・
3人の口の周りにはシチューがついていた。
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