第34話 店名決まる
第34話
「話がついたところでこれをどうぞ」
パンはあとで食べてもらおう。
ワンランク上のワインを出して用意してきたワイングラスに注いで
町長ズに手渡した。
といっても500円だけど。
「こ、これがさらに高級なワインか。グラスもすばらしい」
「ワインの輝きが眩しいです」
「確実にワインが輝いて見えます」
しばらく・・・というかずっとワインを眺めている町長ズ。
ワイングラスに太陽の光が反射してるだけだろーよ。
わかったからはやく飲んで。
話がすすまないってば。
3人同時に腰に手をあてて飲み始めた。
「こ、これは・・・飲みやすい。高級ワインよりもまろやかだ。
しぶみが少ない。すばらしい!」
「ほんとです。ワンランク上の高級ワインだとわかります」
「確実です・・・おいしい」
たしかにそうだよな。
料理用と飲酒用の酒を比べたら歴然としてるもんな。
しかも味を調整してるから安くても飲みやすいんだよね。
「それではお注ぎしますね」
トクッ トクッ トクッ
目をとじてワインの余韻に浸っているのでワインを注いであげた。
「素晴らしかった。こんなワインは生涯で飲めるかどうかという絶品だった。感謝する」
「いえいえ。こちらこそ良い物件をさがしていただき感謝です」
「「わたしたちも感謝いたします。パンも楽しみです(確実に)」」
「次きたときにパンの感想聞かせてください」
ドイヒー「「はい(確実に)」」
(ドイーメ・ヒーショ略してドイヒー)
大事な要件を忘れるところだった。
「町長、お店の名前って考えてました?」
「そうだった。名前がいるな」
「わたしたちも考えていませんでした」
「いい名前考えましょう。確実に」
お店の名前のことは誰も考えていなかったようで
6人で名前を考えることにした。
「ペッリギニ兵舎付近新装開店ゲキ美味料理リピート確実商店 とかどうだろう」
「却下」
「なんと!ヘイサク殿決断が早すぎるのではないか!せめて1秒くらい考えてから却下してくれ!」
町長はネーミングセンスはゼロだった。
店を選ぶセンスはあるのにな。
なんと残念な。
「チマキちゃん 長すぎますよ」
「それに3か月したら新装開店じゃなくなります確実に」
「そ、そうか」
「ここは 短く ブラック労働食堂 とか」
「それなら お食事処 睡眠3時間 とかも」
「却下」
それはおふたりの仕事の不満じゃないのか。よく頑張ってるよ。
町長の部下は秘書ズ2人だけだもんな。
「おまえたちも即決で却下ではないか。はっはっは」
町長は勝ち誇ったように笑う。
「ブンセさんはなにかある?」
「そうですね。スシャリデ堂とか」
「なるほど」
いいね。
「ミマファはある?」
「わたしはねー ルフダンワ亭がいいと思う」
「「「「「それいい♪」」」」」
ミマファの考えた名前に即決で満場一致になった。
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