第31話 パンと冒険者

第31話




それを見ていた身なりのいい少女が近づいてきた。



「さっきの男性がいっていたのは本当ですか?」

「はい。試食してみてください。どうぞ」


少女は1カケのクリームパンを受け取り口に入れた。


少女は目を閉じて口をもぐもぐするとニコニコしだした。


「おいしいです!これは至高のパン!全部買います!」

「すいません。おひとり様5個限定なので全部は売れないんです」



そう答えると少女は少し考えて


「お二人とも来てください」


少女が護衛の2人を呼ぶと「はっ」といって騎士風の女性が2人来た。


「こちらは3名いますので15個買えるでしょうか」


お。この少女頭がいい。

日本のスーパーでもおひとり様2個までってチラシが入ると旦那と子供を連れて

3人で6個買う方法があるがそれを瞬時に思いつくとは。


「はい。大丈夫です」

「くりーむパンとあんパンというのもあるのですよね」


「はい。あんパンはあんこというものが入った甘いパンです」

「では、くりーむパン12個とあんパン3個ください」


「はい。お買い上げありがとうございます」

少女はまた来ますといって護衛2人の女子と去っていった。



このあとすぐに長蛇の列ができアンパンとクリームパンは飛ぶように売れた。





そして見たことがあるような光景が・・・



ある冒険者たちがクリームとアンで・・・












「クリームパンは最高だな。究極のパンだ」

「アンパンのほうが最高だぞ。至高のパンだ」


「クリームパンが最高だ!」

「アンパンのほうが最高だ!」


「ぐぬぬ」

「ぐぬぬ」



最後の客とその前の客がケンカになった。



「すいません。ケンカしないで」



仲裁にはいるが





「やる気か!」

「やるか!」




「「上等だ!」」



















「「ちょっとギルド裏にこいやー!」」









いきりたった冒険者が剣を抜いてけん制しあっている。



やめてやめて。

ただの甘いパンだから。


パンで殺し合いとかシャレになんないから。


どっちもおいしいでいいだろうよ。





あれ?カレーのときもこんなことがあったような。





最後にひと悶着あったが完売した。




240個x銅貨10枚=銅貨2400枚(銀貨24枚 24万円)




まいどあり!






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