第30話 クリームパンとアンパン

第30話



物件をきめてギルドで契約してお店を始められるようになった。

なんと家賃も町長が支払ってくれるという。



感謝しかない。



1本だけ500円のワインを持ってきたので試飲してもらおう。


300円のワインは料理用だからな。

せめて飲料ワインで安いやつはどうかと思ってもってきたのだ。


好評だったらお店で売ろうと思う。



今日のところはお店の物件を選んで契約するために町にきたのだが

商売もする気でいた。


町に行くのなら露店でちょっとしたものを売ると決めていた。


1袋6個入りの「ミニあんぱん ミニクリームパン」だ。


スーパーをハシゴして購入。

魔法袋に入れておいたのだ。



もちろんスーパーで6個入りパンを買い占めはしていない。

複数のデパートやスーパーを回って買った。



カステラとケーキとクッキーとチョコレートもクーラーボックスに入れてもってきた。


丸型 平型 真ん中に模様がある3種類のビー玉20 

ガラスコップの5点セット2 

ステンレス包丁5

も用意してきたのだが前回、開店記念限定にしたのでこれらは販売しない予定だ。



砂糖 塩 胡椒 味の素も仕入れておいた。

村で使おうと買っておいた調味料なのでこれも販売はしない予定だ。



クーラボックスがいい仕事をしてくれた。


魔法袋はゆっくりだが時間経過する。

クーラボックスに氷を入れて冷やして魔法袋に入れると

さらに食物の日持ちが良くなることを発見した。


クーラーボックスで氷がなかなか溶けないからだ。

魔法袋とクーラーボックスで冷蔵庫のようになった。


アンパンとクリームパンを出して並べる。


6個ずつ売るわけではなく1個ずつ売る。

合計で240個用意した。


1個 銅貨10枚で おひとり様5個まで 売り出すことにした。




売り子をミマファとブンセさんにお願いする。


「いらっしゃいませ~。甘いクリームが入ったふわふわのパンですよ~」

「おひとり様5個限定だよ~。貴族さまでも食べたことがない、おいしいパンだよ~」




二人とも少し恥ずかしそうだが頑張って声を大きく宣伝してくれている。


路地のほうから視線を感じる。

知ってる人の視線ような感じだが気のせいだろうか。



「こんな小さなパンが銅貨10枚だと!高すぎる!」

学者風の男がいちゃもんつけてきた。



ミマファとブンセさんがこちらを見る。


こうゆう客には試食させたほうが納得するだろう。


「試食してみてください。それで高いか安いかを判断してください」

俺はクリームパン1個をステンレス包丁で4つに切り分けて1かけを男に渡した。


「ふん!こんなちっこいパンなんぞ・・・もぐもぐ」

学者風の男は切り分けたパンを受け取り口に入れた。


男は目を見開きうなる。

「まいう~~!なんだこれは!パンはとろけるように柔らかく クリームも甘くてまろやかだ! 店主よ!これは高くない!むしろ安い!安すぎるぞ!まこと貴族でも食べたことがないパンだ!」


学者風の男は絶賛してクリームパンを5個買って行った。


まいど!


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