第16話 町長の屋敷で
第16話
町長の屋敷についた。
町長宅だけあり豪邸だ。
「中に入ってくれ」
町長に促されて屋敷の中にはいった。
一般人の俺としては気をくれしてしまう。
と思ったがたしかに豪邸ではあるが中は質実剛健。
応接室に案内されてしばし待つ。
「今日は危ない所を助けてもらい改めて礼を言おう。少ないがこれを受け取ってくれ」
といって金貨が1枚を渡してきた。
「これは金貨ですよ。こんなに受け取れませんよ」
「いや。少ないが受け取ってくれ気持ちだ。ほんとはもっと出したいのだが
御覧の通り秘書とメイド2人だけの貧乏な街の町長だ。」
え?貧乏には見えないぞ。
確かに質実剛健ではあるが美術品もあるし高そうなツボもあるし。
俺が絵やツボを見ていると
「これか。この絵は町って銅貨1枚で売っていたものだ。こっちのツボも銅貨1枚だ。どうだ。見たところ高そうなものにみえるだろう?」
おお! たしかに銅貨1枚のものとは思えない。
こんな豪邸に3人だけ。
なんとも言えないな。
馬車もボロかったし。
あれ?馬車を護衛してた騎士風の女性2人がヨロイから着替えて
秘書とメイドの服を着ている。
秘書服を着ているのが剣士兼秘書のショーヒさん
メイド服を着てるのが魔法使い兼メイドのドイーメさん
どちらも美人さんだ。
秘書とメイドの2人が護衛も兼ねているのか。
この金貨1枚で馬車を買えるんじゃないのかと思ったので聞いてみた。
「このお金で馬車買えませんかね」
「一般の馬車なら作れるが町長用になると特別になるから金貨1枚では作れない」
なるほど。日本の政治家が乗る黒い車のようなものか。
ちなみに御者のおっさんは領主のところの御者だそうだ。
領主の代理だったので御者を手配してもらったそうだ。
「馬車修理に貯めてたお金ですが是非受け取ってください」
「命の恩人です。馬車はいつか変えますが命は1つです。確実に受け取ってください」
ショーヒさんとドイメさんも受け取ってほしいというので
ありがたくいただくことにした。
100万か。庶民の俺からしたら大金だよ。
このままおいとましようと思ったが
馬車の修理代をお礼にといただいた手前
すぐには帰りずらい。
昼に近かったのでカレーやワインを持ってきてたので
ふるまうことにした。
「よかったら、お昼をごちそうさせてください。露店で売ろうと思って持ってきたのがあるので試食して感想をもらえたらありがたいです」
そういって鍋ごとカレーとご飯と
小角切りにした食パンと安ワインを出した。
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