第15話 馬車と低反発クッション
第15話
ぱっか ぱっか ----
あばら骨が見えるほどやせた馬が馬車を引く
ケツが痛い・・・
馬車って初めて乗ったけどオシリに来るんだな。
ボロイ馬車だからだろうか。
腰痛持ちだと悪化しそうだ。
村で使おうと持ってきた低反発クッションを取り出し敷いてみた。
厚型のクッションだ。
これなら全然痛くない。
逆にゆれが心地よく感じる。
「それは敷布ですかな?」
町長が興味を持ったのか聞いてくる。
「はい。よかったら使いますか」
町長に低反発クッションを出して渡す。
「これは!なんと!シリが痛くない!こんな敷布があるとは!」
町長はポヨンポヨンと座り心地を確かめている。
あまりの快適さに驚いている。
御者が「わしもほしい」と言わんばかりにしきりにこっちをチラ見するので
御者さんにも渡した。
「町長!この敷布オシリが痛くありやせんよ!!」
御者も大喜びだ。
しばらく馬車に乗っていると
「ヘイサク殿。この くっしょん とやらはまったくシリが痛くならない!」
「同感でやす!まったく痛くねーです!これはいったい?魔道具でやしょーか」
やっぱりこの世界に魔道具があるんだ。
「これは魔道具ではないです。魔道具って高価な品物なんですか?」
魔道具に関しては魔法袋しか知らないので価値について聞いてみた。
「これは魔道具ではないのか。すばらしい敷布だ。魔道具は物にもよるが基本金貨で取引されてるな。」
やっぱり魔道具は高価なものなんだな。
魔法袋小が金貨10枚=1000万円だからな。
「このクッションはやわらかいのに形が戻りやすい特殊な作り方をしてるだけです。この国には売ってない異国の物です」
この世界にスポンジはないだろうからな。
それほど高いものでもないし馬車に乗せてもらったから2つあげよう。
「馬車に乗せてもらったお礼です。クッションは差し上げますよ」
低反発クッションを3つ持ってきてたので2人にあげることにした。
「よいのか。助けてもらった上にこのような上等な敷布までもらって」
「ええ。町で商売するために来ましたから。お近づきのしるしにどうぞ」
「ありがとうございやす。わしはこれ家宝にしやす」
いやいや御者でつかってくれよ。
「そうか。では遠慮なくもらうとしよう。何か困ったことがあったら相談してくれ
これとは別に助けてもらった礼もしたい」
ここで知り合ったのも何かの縁だ。何かあったら町長に助けてもらおう。
「お気遣いありがとうございます。何かありましたらよろしくお願いします」
町で商売するわけだし辞退するのもあれなのでお礼は受けることにした。
町に到着すると町長は
「くっしょん とやらは馬車旅には必需品だ」
と抱きかかえていた。
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