第111話 【12月20日】
残り10日。ボクのダイエットもいよいよ終わる。目標まであと2キロだが、どうにもこうにも数字は止まったまま。よく言えば安定しているのだろうが、自分としては何か煮え切らないものがある。
しかし筋トレ、水泳は慣れるものではないらしい。人によっては「癖になる」らしいが、ボクにとって毎日のトレーニングは「義務」以外の何物でもない。つまりそれは目的ありきの「然るべき作業」なのだ。だから毎日トレーニングの前は憂鬱な気分になる。「ああ、またやんなきゃならないのか」と思う。体重計に乗ることは嬉しい反面怖くもある。結果が無残にも明白になるから。
「楽しくダイエット」などとメディアは謳い、こぞってダイエット商戦を繰り広げるが、ボクにはどうにも嘘に思えて仕方がない。「自分を変えるのが『楽しい』わけがないじゃないか」そう思うのだ。
もちろん楽しいに越したことはない。楽しいのが良いに決まっている。でも物事には楽しいだけでは済まないことがちゃんとあるのだ。哀しいことに。考えてみればこのボクの3ヶ月はそれを再認識する時間だったのかも知れない。
でも痩せたいのだ。自分をスマートにしたいのだ。余分なものを削いで、自由に動き回れる自分でいたいのだ。そのために。ただ、そのために…。
ボクはその自分の目標にどれだけ近づけたのだろう?もうこれで十分なのだろうか?これで納得できるのだろうか?よく分からない。
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