第6話 役割分担
「アキレウスさんとヘクトルさんは自動採掘場で取れた鉱石を無限倉庫に運んで欲しいのです。運び方は任せます」
「ふむ、鉱山奴隷みたいだな」
「文句をいうなアキレウス、戦争がないだけ幸せだ」
「ヘクトルの平和ボケは今に始まった事じゃないな」
「そうか? 平和も悪くないぞ」
「よかろう、鉱山奴隷になってやろう」
「俺も異論はない」
ムキムキマッチョ2人は緑の地図で示したポイントに移動を始める。
この緑地図立体マップはいつでも出現出来るようになった。
「では、宮本武蔵さんと佐々木小次郎さんは畑作業をお願いします。できればビニールハウスでトウモロコシも育てたいのですが、ジャガイモをテンパスさんに売り飛ばしてトウモロコシの種を買います。それまでジャガイモ畑でよろしくお願いします」
「畑作業か、武士の基本中の基本だな、糧食が無ければ武士は生きてはいけない、農民がいないと生きてはいけないのに、いらぬ武士は農民を殺す」
「はふーそういうものでしょうなぁ、さて畑作業といきませぬか、武蔵」
「所でカイル殿、お給料は出るのか」
「そこはこの小次郎も気になっていた」
「皆の食料分と保存料を引いて余ったものをテンパスさんに売り飛ばして金貨にしてそれを皆で山分けさ」
「おおおおおお」
「それならやる気が出てくるというもの」
「農機具は無限倉庫のガラクタの中にしまってあるから探してみて」
「了解した」
「うぉう」
宮本武蔵と佐々木小次郎がいなくなると。
オーディンがふわりふわりと浮いている。
それはクレオパトラも同じ事だ。
「オーディンさんは……何が出来ますか」
「魔法を使えるのう、雷を落としたり、その反動で雨を降らせたり、結界をはったり」
「ではオーディンさんは結界でこのジスタ領地を監視してください」
「うむ、任せい」
「クレオパトラさんは研究施設でドクターモオリと協力して美肌成分のある栄養ドリンクなどを作ってみて下さい」
「ま、任せなさ、ところでカイル様、きょ、今日はお暇ですか」
「これから色々やらなくちゃいけない事が」
「そ、そうですか、もし時間が空いたら、このジスタ領地とカイル様の事を知りたいのです」
「ぜひ、俺も話がしたい」
「は、はい、是非に、是非にお願いします。我ら英雄は死後地獄に行きました。そこから救出してくれたカイル様は命の、いえ運命の恩人なのです忘れなきよう」
クレオパトラが立ち去り。
「切裂きジャックさんは」
「俺様は赤毛の女性を殺すように言われたから殺した。自分の意思がない、誰かを殺して欲しいならまた命令すればいい」
「そんな事はしないよ、切裂きジャックさんは門の近くで皆を守って欲しい」
「守る? 殺すのではないのか?」
「すぐに殺しちゃだめだ。話し合いをしたのち、殺し合うものだけど話の通じない馬鹿がいる」
「うむ」
「なるべく殺すな、それが俺の願いだ」
「そうする。ありがとう、初めて殺すなと言われた」
がつんがつんと音を響かせて切裂きジャックはゴーグルの位置を直して立ち去った。
「ドクターモオリはってもういないか、町長田中さんこっち来てください」
「なんでしょうか」
「隠しても無駄ですよ、レベル3000ですよね」
「レベルとは?」
「強さです」
「そうですか、あ、異世界転生って知ってます?」
「は?」
「一度死ぬと異世界に転生するやつ。わしゃはそれを数えきれない程行い、ようやく日本に戻ったころにはお爺さんになってました。そうか異世界にレベルと言う概念はありました。忘れていましあねー何度も死ぬとレベルと言う概念がなくなるのですかねーはは3000ですか、わしゃも頑張った者です。この世界ではただの町長で居たいのですが」
「すみません、事情も何も知らず、ここではただの町長で大丈夫です。仲間が危機になったときよろしくお願いします」
「その時は一肌脱がせてもらいますよ」
力こぶを作る町長田中、その力こぶは普通ではない力こぶであった。
「ゴーストイーターさんと時間経過ガムンさんは冒険者ギルドに登録してきてくださいと言いたいですが、ここには冒険者ギルドがありません、なので、それまで強くなってください」
「構わぬが、ゴーストを食べないと強くなれない、ダンジョンはないのか、最下層に落としてもらえればいい」
「こっちは時間が経過すれば強くなる」
「そーですねー」
緑の立体マップを把握しながら、2か所神殿のような瓦礫が見つかる。
元はダンジョンだったのだろう。
「このポイントとポイントにありますね」
「我様はこちらのダンジョンを選ばせてもらおう」
「なら僕はこちらのダンジョンだね」
ゴーストイーターの武器なし。
時間経過ガムンの装備マントのみ武器なし。
この2人はどうやって戦うのか非常に興味深かった。
取り合えず屋上にいる人達仕事の手配を終了させて、色々と考えるとお腹が空いたので食堂に向かった。
ジーバ執事長が干し芋を作っていた。
隣ではリラメイド長がジャガイモ料理を作っている
「腹減って死にそー」
「の前に説明してくださいカイル様」
「それは私も同じ―」
「まず200回ガチャ回したら、異世界の英雄と異世界の神様を当てたり、特殊な力を持った人間を当てたり、途中からガラクタばかりだけど」
「そのガラクタです。ちゃんと調べました?」
「よく分からない物ばかりだったぞ」
「後でジーバ君と私でガラクタ調べるから、玉は開けないけど表面に階級と名前が書いてるでしょあれね裏に説明書あるんだよ」
「なんだってええええええええええ」
【……】
神の声は説明を忘れていたようだ。
「とにかく皆何してるか分からなくなると思うの」
リラメイド長がそう呟き。
「消したり書いたりできるボードを設置しました。これもガラクタから手に入りましたー」
「おおー」
「そこに書いといてねカイル様」
「リラ有難うー」
心の底から感激した。
そうガラクタ。
使い道の分からないガチャ品。
それは雑貨品や簡単に言えば効果が絶大な物ではないと思える物。
全て俺の偏見です。
【仕事一覧】
リラメイド長=全般
ジーバ執事長=全般
光闇商人テンパス=商売
歌歌のアイ=癒しの歌で人と畑を癒す
源義経=無職
金狼ジェイバ=ジスタ領地偵察
神速ゴロー=ジスタ領地と他領地の偵察
闇医者ウィーバー=病院の院長
謎の老人=徘徊
アキレウス=自動採掘場収集
ヘクトル=自動採掘場収集
宮本武蔵=畑作業
佐々木小次郎=畑作業
オーディン=結界監視
クレオパトラ=美容ドリンク研究
ドクターモオリ=全般研究
切裂きジャック=門番
ゴーストイーター=ダンジョン攻略
時間経過ガムン=ダンジョン攻略
町長田中=守護者
現在ジスタ領地には自分を含めて21名の住民がいる。
住宅街は20件はあるので1人1件で間に合うはず。
マンション10階建てもあるので住民は果てしなく増やせるだろう。
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