第7話 ノルマハードモード
ざっと3日が経過した。
巨大ジャガイモを光闇商人エンパスに売り飛ばすと。
全てを売る訳ではないが、3000金貨になった。
そのうちの1000金貨でトウモロコシの種を大量に購入した。
なぜか武士であるはずの宮本武蔵と佐々木小次郎は手慣れた動きでトウモロコシの種やら何やらを植える事が得意だった。
「武士の本文は食い扶持じゃて」
「その通りよ武蔵」
あまり詳しい事は知らないが神の声だと、2人は宿敵同士であったはず。
今では宿敵ではなくて、無二の相棒になっている。
トウモロコシもあっという間に成長して、食べ物の幅が増えていくだろう。
ジャガイモは3日のうちに10回収穫した。歌歌のアイさんの歌での成長スピードが果てしなかった。
先程の巨大ジャガイモ売りも5分の1程度の量なのだ。
後、無限倉庫に鉱石が大量に蓄えられていた。
アキレウスとヘクトルは荷馬車みたいなものを人力で動かすように改良したようだ。
朽ち果てた荷馬車はあちこちに転がっているからだ。
「ほれほれ、こっちが速いぞーヘクトル太ったんじゃないんかー美味しい食事ばかりで」
「このおおおお、アキレウスはえーんだよ足が丈夫で弱点だからだろおおおお」
「うっせえええええ」
「ばっかああああ」
2人のののしり合いが響き合いながら運ばれてくる鉱石。
石、鉄、銅、銀、宝石の五種類に分けられており、宝石は本当にごくまれに出るという感じのようだ。
鉱石についてはテンパスさん買い取ってくれないので、宝石までもが買い取ってくれない、テンパスさんは作物の神様かと思える程だったが。
「まだそこまで大量に購入できる資産がねーんじゃん」
「それは嘘だな」
そう突っ込んでいた。
ジスタ領地が発展していくのを感じていく日々。
まだ3日と数日しか経過していない。
だが最近、猶予出来ない事がある。
「ノルマが達成されない、一応ジーバと稽古してるんだが」
俺はジーバと剣術の稽古を何度も何度も繰り返した。
今では武術指南の鬼と呼ばれたジーバと互角のレベル。
親父がいる領地にいた時はへなちょこのカイルと呼ばれていた。
雑魚兵士に負けるくらいだ。
ジーバのレベルは20。
俺は鏡で自分のレベルを見てみた。
レベル20となっていた。
もっと強くなりたい。
「だがなぜにノルマ達成されない」
【自分に鑑定を掛けてみろ】
言われた通り鑑定を掛けた。主にノルマガチャについて。
【10000回で×5ガチャとなります】
頭の中が真っ白になった。
「い、10000回だってえええええええええええええ」
この時は本当に目玉が飛び出そうだと思った。
「今の剣術ノルマ回数は、これも鑑定か」
【1200回ノルマ達成】
「あ、あれで1200回だって、死に物狂いでやったんだぞ」
【よくよく考えたら、200回もガチャするのは危険かもな、それを何度も繰り返したら】
「確かに」
【だがお前には倍速スキルがあるじゃないか、テイムスキルがあるじゃないか、色々と頭を使うんだな】
神の声は非常に冷たかったが。
その時ギャンブラーでずる賢くて、悪の部分の俺が出てきて。
「はっはー」
復活していた。
現在無職の源義経を発見、なぜか朽ち果てた橋の上で踊っていた。
ひっそりとレベルを視認する。
「100レベルだとおおお」
100レベルだと判定された。
現在俺のレベルは20。
もっと強くなる為には、ついでに訓練回数を増やしてガチャをするんだ。
「ヨシツネさん」
「なんだい」
あんだけ橋の上で踊っていたのに汗1つ流していなかった。
「俺、もっと強くなりたいんです」
「稽古の相手ならするけど、手加減はしないよ」
「それでこそです」
「条件は橋の上、落ちたら這いあがってきて、水は枯れてるから濡れないでしょ、もちろん草薙の剣は使わないよ」
「では」
俺の体は何度も宙を舞った。
相手は刀を鞘にしまったまま振るっているだけなのに。
それも、踊るようにして。
何度も何度もぼろぼろになりながら繰り返した。
口が切れて血反吐を吐いた。
もう無理だと思っても何度も稽古した。
太陽が沈み月が支配しても続いた。
太陽が昇り、また沈んだ。
何度も何度も稽古した。
レベルが上がる音が響くがそんなものはどうでもいい、ガチャがしたい。
ガチャガチャガチャガチャガチャ。
脳内はガチャだらけ、そして強くなりたい。
ジスタ領地の領主としての仕事を全てジーバ執事長とリラメイド長に放り投げて。
俺は朽ち果てた橋の上を何度も転がり落ちていた。
1週間が経過し15日目になろうとしていた。
ロングソードを掴み。これはガチャ品だ。
【ノルマ10000回達成×5】
【レベル100になりました】
子供のように涙が流れた。
顔をくしゃくしゃにして泣いた。
「こまったなーそんなに泣かれるとは」
「あぁりがぁとうござぁいます。ヨシツネさん、感謝します。これでガチャ出来ます」
「ガチャ? ああ我達を出したスキルだね、そのスキル大事にするといいよ、我は弁慶との懐かしい演舞をまだ繰り広げてるからさ」
ヨシツネはまた橋の上で演舞を始めた。
俺はロングソードを杖替わりにして歩いていた。
領主の館に到着すると、2人の男が立っていた。
15日の留守の間。
2人は冒険者になるべく修行していた。
ゴーストイーター【レベル8500】
時間経過ガムン【レベル9000】
この2人がいつか最強の道を通る事はなんとなく理解していた。
【大変だ。群衆が城門でたむろしているぞ】
その声はオーディンさんだった。
「2人もついてきて、メイド長と執事長はいないか、まぁいいや」
3人は走り出して城門に到着。
網目模様の城門の向こうから1人の老人が大声で叫んでいる。
「だから、冒険者ギルドの者で、ジスタ領地が復活したから支部を置きにきたのでって、なんでナイフ構えとるんじゃ」
門番である切裂きジャックは城門が無理やり開かれたら皆殺しにするつもりだろう。
そのほうが助かる。
「すみません、俺がカイルです」
「あの飲んだくれ小僧がよく発展させたなーあれは風力発電所、相当賢い物が配下におるのう、図書館までここから見える。どれだけの事をって採掘場が6機もある信じられんどれだけの人が100人はおるな」
「20人くらいです」
「なんだって、お前さんふざけてるのか」
「この領地は20人で頑張ってます。これから増えるでしょうけど」
「うむうむ。冒険者ギルドの支部を設置したい、まず中に入れてくれ、入るのはわしと助手の2人だけだ。他の冒険者はいれさせない」
「それならどうぞ、切裂きジャック、他の奴等が不審な事をしたら四肢は斬っていいけど殺さないでね」
「任せろ、俺様、残酷」
城門が開かれて、1人の腰の曲がった老人が入ってくる。
その後ろにインテリ眼鏡の短髪青年となよなよしたロングヘアー美女が入ってきた。
「あのカイルが領地を開拓だって?」
インテリ眼鏡がぶつくさ言っている。
老人は辺りを見回して感激している。
「信じられんの一言じゃ」
「あの建物でかいですねぇ」
「縦式住居なんだ」
「そんなものは発明されてないぞカイル」
インテリがうるさい。
「お前まさかジェイクか」
「忘れてたか、あのカイルが追放されて笑ってたのに、これはどういう」
「まぁお互い色々あるって事だ」
「領主の屋敷の隣に支部を設置したい。建物を設立するから大工連中を入れてもいいかのう」
「あああああああ、それなら大丈夫です」
リラメイド長がやってきて、俺に耳打ちをする。
【ガラクタの中に上級冒険者ギルドがありました】
「すご」
「今、カイル様が魔法で上級設備の冒険者ギルドを召喚します」
「ばかたれが、そんな魔法は存在しないわい、年寄をからかうな」
「おいおい、カイル、ここですべってまた笑わせてくれるのか、この事は御父上に報告を」
なんか面倒くさいので玉を見えない開けて、設置した。
一瞬で3階建ての冒険者ギルドが設置される。
中の設備に鑑定システムやら素材測定システムありとあらゆるものござれ。
「「「……」」」
その場が沈黙に包まれた。
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