第4話 止まることを知らないガチャ

 俺はあらかた片づけると21回目からのガチャを引く事にした。

 いつもの宝箱の穴から引っこ抜きガチャ。


21回目【B級=自動採掘場】

22回目【B級=自動採掘場】

23回目【B級=自動採掘場】

24回目【B級=自動採掘場】

25回目【C級=ビニールハウス】

26回目【C級=ビニールハウス】

27回目【D級=回復ポーション×20個】

28回目【A級=鉱石素材セット】

29回目【B級=自動採掘場】

30回目【B級=自動採掘場】


「ぎゃああああああああああああああああ」


 俺は悲鳴を上げていた。

 どうやら今までレア度の高いガチャは運が結構いい方だったらしい。


「というか自動採掘場6個もあるけどどうすればいいのよ、風力発電所1機じゃ電力足らんて」

 

「あー1個ずつ解説してくのめんどいわ、またガチャだ」


【それをガチャ沼にはまると言う事を知った方がいいだろう】


「沼かなんか知らんが入ってやんよ」


31回目【E級=スライム×100】

32回目【E級=ゴブリン×100】

33回目【E級=コボルト×100】

34回目【E級=ハーピー×100】

35回目【E級=ドラゴンの卵】

36回目【E級=ライカンの幼獣】

37回目【D級=オーガ×50】

38回目【D級=トロール×50】

39回目【D級=リッチ】

40回目【S級=モンスタマスターユーゴ】


「はぁはぁ、モンスターだらけで焦ったが、モンスター牧場もあるしな、はぁはぁ、最後のモンスターマスターユーゴは助かった。なんか納得いかない、X級とかQ級とかそれ以上のでやがれ、またガチャだ」


【どうやら沼にはまってしまったようだな】


 神の声が寂しく響いた。


41回目【X級=アキレウス】

42回目【X級=ヘクトル】

43回目【G級=オーディン】

44回目【G級=グングニルの槍】

45回目【Q級=レベル可視化】

46回目【S級=トレーニングジム(効果×10)】

47回目【X級=宮本武蔵】

48回目【X級=佐々木小次郎】

49回目【X級=クレオパトラ】

50回目【X級=切裂きジャック】


「うぉ」


 俺の目玉はまだ瞼の中にしまわれている事を確認した。

 とんでもない量のレア級の嵐。

 もはや異世界の英雄の情報は神の声で解説が必用。

 G級という事は神様という事で。オーディンという神様がいるのだろう。


「お、おれは、こいつらを御しきれるのか」


【じゃないと困りますよ、相当な運の持ち主ですね、相当運を使わなかったのでしょう】


「それはどういう」


【あなたはギャンブルで勝ったことは1度や2度です。それも運悪く、国王の友人にです。そこでも運は悪い方向に向いています。あなたは運を貯めに貯めたのです】


「はははは」


【カイル、あなたの運がどこまで続くか見届けさせてもらいますよ】


 神の声はそう呟き。


「では、解説を頼む」


【もちろんです、まずは自動採掘場の6個なのですが山の近くに設置しましょう、自動で色々な鉱石を採掘してくれます。回収は人がやらないといけないのがネックな所ですが。ビニールハウスについては設置するとさらに暖かい所じゃないと成長しない作物が育ちます。あとは害獣対策ですね、あのいかれ商人からトウモロコシでも購入したらどうです?】


「なるほど」


 そう言いながら俺は緑の立体地図を出現させて、山の起伏がある部分に6機の自動採掘場を設置した。


 1機の風力発電所でなんなくもったが、緑マップでの電力ケージはギリギリラインを切ろうとしていた。


【回復ポーションと鉱石素材セットは自由に使ってくださいな】


「つぎつぎー」


【沢山のモンスターのガチャ品については牧場で解き放ちましょう、モンスター牧場には魔力があり、そこからモンスターは出る事はありません、モンスター同士も殺し合わず協力し合います。ドラゴンの卵とライカンの幼獣はモンスターマスターユーゴに任せましょう】


 とりあえず挨拶をかねて、モンスターマスターユーゴを玉から出現させる。


 銀色のつんつん頭の少年が出てきた。

 青い上着と黒い短パンを着ており、武器は何も持っていない。

 しいて言えば肩に座っている小さなドラゴンくらいだろう。


 瞳はつんつんしており、俺を挑発的に睨みつける。


「あん、兄ちゃん何用? ああ、主か」


「モンスター牧場の経営をお願いしたい、これらの玉にはモンスターが入っている。任せていいな、牧場は外に出れば分かる」


「ああ、分かったぜ、モンスター達をさらに強くさせてやんよ、お、ドラゴンの卵とライカンの幼獣もいるじゃねーか、これは育てがいがあるってもんだ」


 モンスターマスターユーゴはポケットに手を突っ込んで立ち去った。

 肩に乗っているドラゴンの尻尾が無数の玉をキャッチしていた。

 小さなドラゴンは小さな欠伸をしただけであった。


【次がまとめて説明するぞ、アキレウスとヘクトルは同じ時代で敵同士だった。アキレウスは無敵と言われ、アキレス腱が弱点とされている。2人は勇猛すぎる戦士だ。神のオーディンは北欧神話という異世界の神様だ。グングニルの槍はオーディンの相棒だ。宮本武蔵と佐々木小次郎は殺し合うライバルだ。宮本武蔵が二刀流なら佐々木小次郎は長い刀だ。クレオパトラは美女で化粧や美学の天才だ。切裂きジャックは沢山人を殺した。詳しい内容は伝えられない事になっている】


「それでも十分詳しいけどね」


【レベル可視化のスキルについてはそのままだ。この世界ではレベルと言う概念はない、だが人や物や道具などにレベルという概念を与えるチートがこれだ。トレーニングジムでトレーニングすると成長スピードが×10される。つまりレベルが見れるようになると経験値と言う存在が分かるようになる。経験値が溜まればレベルが上がり、人は無意識に強くなる。みんな訓練したから強くなってると思っているが実はレベルが上がってるからだ。それを見ることが出来る以上だ疲れた】



「ありがとうな」


 俺は会釈しつつも。これだけ凄いのが出ているのに、残り150回もガチャを回す事にワクワク感が止まらない。


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