第3話 異世界の英雄
【ノルマリスト】
【クワを振る100×30】
【水をやる100×20】
【種植え100×50】
【運ぶ100×50】
「どうやらガチャ可能回数が200回になったようだ。逆にノルマを合計したら20000回も繰り返した事になる。俺は人生でここまで頑張ったことはなかった」
リラメイド長が俺の頭をぐしゃぐしゃとしながら。
「あんたは生粋の体たらくだよ、今ここが発展していってるけど、山賊に襲われたらひとたまりもないわ」
「ガチャをする前に無限城壁を発動させようと思う」
「そのほうがいいわね」
リラメイド長がうんうんと頷き。
【球を開けてみろ】
「ここで城壁が出ても困るぞ」
【大丈夫だ】
神の声に従って玉を開ける事にした。
テーブルの上に緑色のマップが出現する。
しかも立体的だ。
【城壁で囲む部分を代替そのペンで囲め】
言われた通りにここには鉱山があったよなーとか森があったよなーとか川が枯れてるけどなーとか意識しながらペンで囲んでいく。
【ペンの頭の部分を2度タッチしたら城壁が自動で出現する。そこにある物、生物、植物などなどは自動でよけさせる。だがこの荒野には生物も人間の欠片すらないようだ】
俺は恐る恐る2度タッチした。
少しの地響きが起きたくらいで、俺達は屋上に出た。
ちょうど砂嵐は止んでいた。風力発電所は高速で回っている。
辺りをじっくりとみると。遥か巨大な城壁が建っていた。
普通の城壁の4倍の高さ。
【されどA級の城壁だ。お前等一般の城壁はF級だと思え、Sを超えた城壁はもはや破壊は不可能だと知れ】
神の声がそう教えてくれる。
「これで大丈夫だとして、リラメイド長とジーバ執事長はジャガイモで保存食を作ってくれ、干し芋的なものだな」
「了解だ。だが1人でガチャをしても大丈夫か」
「リラ心配するな、今の俺はギャンブラーだった頃とは違うだろう」
「ガチャもギャンブルなんだがな」
リラがくすくすと笑いながらそう囁き。
ジーバは気を使って先に食糧庫の方へと向かって行った。
「さて、ガチャが200回分だとして、まず10回ずつやって解決していこうか」
【その方がよろしいかと、一気にガチャをするとその後が大変ですからねー玉の量とかもですし】
「それは納得だ」
スキル【ノルマガチャ】を発動させると。
目の前に宝箱が出現する。
鍵の部分がないので鍵穴に手を突っ込んで玉を10回分取り出す事にする。
1回目【X級=源義経】
2回目【X級=草薙の剣】
3回目【B級=モンスター牧場】
4回目【Q級=スキルテイム】
5回目【Q級=スキル倍速】
6回目【E級=1か月食料】
7回目【F級=モンスター餌セット】
8回目【A級=金狼ジェイバ】
9回目【S級=神速ゴロー】
10回目【F級=最新鋭トイレ】
「先生質問良いですかー」
【大体は想像がつく、まずX級は異世界での英雄達だ。Q級はスキル項目だな。草薙の剣は異世界の武器といった所だ】
「なるほどー勉強になります。まずは人からと」
源義経と金狼ジェイバと神速ゴローの玉を開ける。
源義経は見た事も無い鎧を身に着けている。ごてごてしていて動かしにくそう。
しかし武器は見たことも無い、鋭利な剣で。
こちらに向かって片膝をついた。
「主よ、異世界より召喚してくれてありがとう、死後、地獄の世界で苦しんでいた我にそなたは光の救世主だて」
「その武器はもしかして東方地帯にあるとされる刀では?」
「その通りでございます」
「なら、源義経、草薙の剣を託す」
「受け取りましょう」
草薙剣を源義経に託すと。
次に金狼ジェイバの方を見る。
彼は四足歩行のようでこちらを睨んでいる。
【肉でもくれてやれ】
1か月食料を屋上に広げると、無我夢中で金狼ジェイバが食らう。
人間の姿なのだが金色の髪の毛をしており、獣のようだった。
【金狼ジェイバは銀狼ジェイバとタッグを組む事で絶大な遊撃部隊になる。覚えておけ、人間に育てられたのではなく狼に育てられたのさ】
神の声がそう呟き。
最後は神速ゴローとなった。
黒いカウボーイのような帽子を被り、ずっと神速で動いていた。
霞んで見えるのは同じ場所を何度も走ってるから。
【止まる事が出来ない病気でな、止まると心臓が止まる。多めに見てやれ、走りながら食料を食ってるくらいだ。こいつも遊撃部隊に最適というよりかは偵察が最適だな、ここら辺を走らせろ何があるかスキル【念話】で教えてくれるぞ】
それもそうだろう、止まって話をしたら死ぬのだから。
念話は神速ゴローが生きていくために覚えたスキルなのかもしれない。
次にモンスター牧場を玉から解放すると。
緑のマップが屋上の床に表示され、あまり人気が無いところにモンスター牧場を設置した。
スキル【テイム】相性が良いと仲間に出来ます。
スキル【倍速】体のスピードを倍速させます。早送りという事です。
食料【モンスターの餌セット】利用するとテイム率が上がります。
家具【最新鋭トイレ】スイッチを押して流すだけ、地下に流された所でスライムにより分解される。
「それにしても荒れ果てた土地だな」
「義経さんの所はどうなんですか?」
「緑の山と湖と野原の花が咲くのどかな所だよ」
「そんな領地にしましょう、義経さん」
「もちろんだとも」
「あとは190回、次も10回でやるぞ」
11回目【D級=農機具】
12回目【D級=家事セット】
13回目【A級=武器鍛冶】
14回目【A級=防具鍛冶】
15回目【S級=錬金場】
16回目【C級=図書館(2万冊付)】
17回目【C級=病院(器具付き)】
18回目【S級=闇医者ウィーバー】
19回目【F級=携帯食10回分】
20回目【F級=謎の爺さん】
道具【農機具】はとても大助かりだった。
道具【家事セット】もリラメイド長が喜んでくれるだろう。
武器鍛冶と防具鍛冶は緑のマップを開いて、出来るだけ領主の屋敷の近くに建造した。
錬金場も同じように建造。図書館は巨大な為、領主の館の少し離れた場所に建造。
2万冊の本には魅了されそうで怖い。
病院も設置して器具付きなので助かる。
携帯食10個分は自分で持つ事に、後で皆に分ける予定だ。
闇医者ウィーバーと謎の爺さんが気がかりではあるが。
闇医者ウィーバーは全身が黒づくめのおっさんで青い髪の毛をしている。
中肉中背でありながら、ふらふらしている。
一応鑑定スキルは習得しているので、調べてみると、医療関係のスキルだらけで恐ろしい。
ただ気になるのはなぜか【ドラゴン乗り】と【最強の師匠の弟子】というスキルと称号があるくらい。
「ウィーバーさん病院を任せても良いでしょうか」
「もちろんだともさーちょっと鉄分が足りなくてねー、レバー食いたいんだが」
確か食料をぶちまけた時にレバーらしき物がやはり焼かれてあったが。
それを渡すとむしゃむしゃ食べていた。
謎の老人は腰が曲がっており、白いズボンを穿いていた。
ずっとこっちを見ており、とことこと歩いてどこかに消えた。
【謎の老人の情報はこっちにもないな】
神ですら知らない事だった。
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