第48話 守られた世界
この先の未来でなく明日?そんな切羽詰まったとこまできてるのか?
【涼さん、飛び込んで何をするつもりですか?本当に他には無いんですか?】
【無いんだよ。るいを頼む。るいが立ち直るまでの間だけ、ユキと共に見守ってほしい】
涼は、なんでそんなに平然としていられる?
【涼さんの覚悟か…】
【はると、俺は質量をコントロール出来るんだ。でもいつかは質量が完全にゼロにらなってしまう。もう間もなく…だからせめて大切な未来を守るため、そして、るいやユキ達のことも】
【あんた背負いすぎだろ!!それにユキさんは俺が守る!!他の方法で何とかなるんじゃないか?】
涼は、微笑んで、
【ユキは幸せだ。だからこそ、はるとを連れてきた。ここでのことをユキにも伝えてほしい。未来は変わる。その世界をはるとは見てきてほしい…】
るいが、目を覚まして。気がついた涼が、
【はると、るいを抑えてくれ!!こっちに来ないように頼む!!】
るいさんは、抑えてるけど、凄い力で、振りほどこうとしている。
【涼!!ふざけないで。あなたがいない未来に何があるの?私には何も見えないよ。そんなの未来じゃない!!お願いだから、私もそっちに行く】
【るい…ごめんね、一緒にいられなくて…】
【涼…嫌だ!嫌だ!嫌だ〜お願い、連れてって…】
泣き崩れる、るいさん。
【るい、俺は幸せだったよ。最後にるいがそばに…いてくれたから、勇気を持てた。変えてくるよ、未来を。るい、さようなら…】
涼は、飛び込んで…消えていった…
【お願い、はると、離して!!涼と行きたい、お願い…】
【駄目だよ…離せない…】
【はるとは、ユキがこの状況なら、どうした?ユキを一人で行かせた?】
くっ…そんなこと…出来ない…
【はると、私の幸せは涼と共にあるの!!お願い、離して!!まだ間に合う!!涼のところに行ける!!涼がいない世界なら私はいらない!!涼を救って見せる!!】
るいさん…止められないね。涼、約束を守れない…
俺は手を離し、るいは、涼と同じ時空の狭間に飛び込んだ。
少しずつ、少しずつ、閉ざされていく。
渡されたこれは、使う必要はないのか?
そして…ついに…時空の狭間は消滅した。
そこには、コスモスが咲いている。こんな場所に…
………………………喫茶店………………………
【はると、おかえり…】
【ごめん…】
【はると、真っ青だよ。入って暖まって】
【うん】
【はると、はいコーヒー☕今暖房強くするね】
ユキさんは、気を使ってくれている。余計につらい。何も俺には出来なかった。
【ユキさん、涼さんとるいさんが…】
【聞く前に言っておくね。はるとの決断は間違ってないよ。私は想像がつく。ここに二人は戻ってきてないってことから…】
【涼さんとるいさんに、未来を救われた…消滅するはずの世界を救ってくれた…何も出来なかった…】
【私もだよ、はると】
ユキさんがそっと抱きしめてくれた。ずっと…
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
何もできない…渡されたこれは?何なんだろう?
【はると、それ、何も?】
【解らないんだ…直前に涼さんに渡されて】
【んー、何か重要な気もするけど】
これは大切に持っていこう。少し外に出てみよう。ユキさん、涙浮かべているもんね。ユキの肩が震えている。泣くことを我慢している。
思い出たくさんあったもんね。るいさんと。それに涼とのことも。
【ユキさん、外においで】
【…はるとくん…】
そっと抱きしめて、俺は、
【ユキさん、思いっきり泣いていいよ。波の音が包んでくれるから】
【はると…くん…何カッコいいことを…うっ、うっ、うわーん😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭】
強く、強く、しがみついてきて、寒いけど、掴んでる腕が少し痛いけど、ユキさんが泣き止むまでここにいよう。
ユキさん、俺はここにいるよ。るいさん達が、守ってくれた世界だから。
【るい…涼さん…出会えて良かった〜ありがとう!】
ユキさんが、海に向かって大声で叫んだ。
🫧こら〜、生きてるっての!!ユキ、はるとに抱かれてるだろ!!はると!!ユキが調子に乗ってる時はぶっ飛ばしていいからね🫧
🫧はるとくん、使わずにいてくれて。おかげでこうやって話せる。るい、追ってきてさ、もうずっと離れないんだよ。ほんとプライベートも何もあったもんじゃない。何でるいを離したんだよ!!🫧
何?これ?どこから聞こえるの?俺だけなのかな?
【るいさん、涼さん、どこかにいるんですか!!】
【はるとくん…誰と話してるの?】
【ユキさん、耳を澄まして…】
🫧ユキ〜はるとにいつまでしがみついてるんだ!!離れろ〜はるともニヤニヤするな~🫧
🫧そういうるいは、俺から離れろって。暑いからさ。もうこっちは暑すぎる!!るいも暑すぎる🫧
🫧私が来なかったら、どうするつもりだったんだ。
偉そうに言うな。クンクン…汗臭いぞ!🫧
【この声…るい、涼さん、どこなの?何処にいるの?】
見渡す限り夜の海🌊…何が起きてるんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます