第31話 大切なこと

【おばさん、お風呂ありがとう。忘年会の企画を理由にうちの両親まだ帰ってこないみたい】


【りなちゃんが伝えてあるなら大丈夫でしょ。朝は和食にするからね】


【やったー!おばさんの和食美味しいんだよね!】


みさも、遠慮しながら、


【すみません。私まで】


 おふくろは、遠慮されることは嫌なので、でも、みさには気を使って、笑いながら、


【みさちゃんはね、私から見て、りなちゃんと同じように娘なんだよ。遠慮しないの。ね、和食楽しみにね。ちなみに魚は大丈夫?塩鯖だけど】


【塩鯖大好きです】


【じゃ、良かった。楽しみにしていて。副菜もたくさん作っちゃおう!!ほんと娘がいると家が明るい!!】


 息子で悪かったな。それに、そんなにハードルあげて大丈夫?おふくろ…しらんよ。


みさが、ぼそっと、


【はると、お風呂で誰と話していたの?】


【聞こえた?ユキさん。帰れたかなと思ってさ】


【あこがれのユキさんねー、ふーん】


何か、そのことには不満そうだね。みさ。


【コーヒー☕いれるね。それとももう寝る?】


【私は飲みたい!飲む。りなは?】


【私も飲む。はると、アメリカンで】


 りなは指定が多いな。この二人と今後のことについて少し話したい。


 コーヒー☕飲みながら、ケーキの残りも食べ、つくづく思うけど、こんな俺なのに周りには可愛い娘が多いよな、これは感謝だね。


【何?ニヤニヤして…はると、キショ!!】


りなは相変わらずキツイね。みさは、


【やっぱ幼馴染憧れる〜羨ましいな。ずっと知ってるから気楽に話せて、何があっても味方になってくれて、場合によっては恋人にも、結婚して夫婦にも、あー、いいな〜】


【みさ、夢見すぎ!私ははるとと結婚なんて考えたことなかったよ。それに美男美女なら絵になるけど、普通な人同士ではね~】


【悪かったな、普通でさ】


【はると、普通って褒め言葉だよ】


【褒めてないって!嘘でもいいからイケメンとか言ってくれ】


【レイジくらいにならないとね~背も、顔も、スタイルも】


レイジと比較か、悪かったね。


【だからそういうやり取りなんだってば!憧れるのは。はると、友達から幼馴染になって〜】


【みさ、本当にはるとと別れたの?そんなふうに見えない。みさならこれからたくさんのイケメンと付き合えると思うけどさ】


 りな、チクチクと…本当にもう…そんなことより、確認しないと。


【二人に話があるんだ。りなの足のこともあるけど、海外行けないだろ?今後どうする?】


りなは、


【うーん。空港正常になったら別に問題無い訳だけど、いつになるやら、どうなんだろ?】


【俺に聞かれも解らないっての。海外に拘るんだな。国内で考えることは無いの?】


【私の場合待遇違いすぎるもん。海外優先する】


【みさは?】


【最近はるとと離れ離れになるの、なんか不安で迷ってるの。大事なのは何かを】


 友達としてだよな。海で働くっていうか、アクティビティなんだけど、みさも、ユキさん達のとこで一緒にって案も。


 ユキさん達はいいとして、住み込みの世話になる部屋もないと。難しいかな?


 りなは、きつい表情で何かいいそう。こういう時りなってグサッと入ってくること言い続けるんだよな。覚悟しないと。りなは、


【二人はさ、別れたことで仲良くなってるでしょ?だったらやり直してもうまくいくんじゃない?】


【りな、勝手なこと言うなよ。みさだって考えがあってさ】


【はるとはそれで良かった理由があるの?何ですんなり受け入れたの?みさへの気持ちはその程度だったの?少なくとも私はね、はるとと別れた時は私は傷ついたよ。すっごく傷ついたよ。人生の終わりも考えたよ!!】


【ちょっと待て、それは大袈裟だろ?結婚してる訳でもないわけで、引っ叩かれて傷ついたのは…】


【はー、それ言う?いつまでも別れないって言ったら、はるとは?困らなかった?】


【………】


みさは、見かねて、


【りな、悪いのははるとじゃないから。私が言い出したことで】


【そうだね。私が引いたのに、はるとを手放したんだもんね】


ちょっと困った。りな、スイッチ入っちゃった。


【はるとも、りなも、本心を伝え合ってほしいの!少なくとも、ずっとはるとを見てきた私ははるととの未来も見てきたんだよ。でもね、はるとがね、私と同じ気持ちでずっといられるかは解らなくなった。私の一方通行になる未来は避けたかった。もう寝る!!後は二人で話して。本心を伝え合って】


【………】

【………りな…】


りな、二階に行っちゃった。


【はると、ごめん。私が未練がましいこと言ったからこんなことに。りな、怒っていたね】


【みさのせいじゃない。俺も本心話すよ。みさから話してほしい。俺が言ったあとでは、みさが本心言わなくなることもあるから】


【解った。じゃ、はると言うね。仕事も休みのときもすれ違いが多かったでしょ?少し不安になって占い師に見てもらったの】


【知らなかった…ごめん】


【いいの。それでね、私とはるとの未来はね、今年の行動にかかってるって。今年もし、強く結ばれる何かがあれば未来は安泰だって。でも、今年はるとの出会う人ではるとが変わったら、というよりも、はるとの気持ちが変わるような人が現れたら未来も変わるって】


【でも、現れてないよ】


【既に出会ってた人も含まれて、その人との関係が変わったら、その人も今年出会う人の対象だって】


【………そうか、そういうことか………】


【はるとはもう気づいているよね?次にはるとの番だから、話して。私の答えは………】


何?答えは?






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