第32話 大切なこと(その2)

【私は、はるととやり直したい】


そうか。ありがとう。みさ。


【さあ、はるとの番!!全ての思いを話して】


こうなると素直に話すべきだね。


【俺は夢の仕事に付けることになって、暫くは仕事のことだけ考えたい。誰かと付き合ってもきっと曖昧になってしまう】


【曖昧って?恋愛に?】


【例えばデートって言われてもね、土日祝休みじゃないじゃん。平日に合わせてくれって言えればいいけどさ。それも無理だから】


【はるとと付き合ってもデート出来なくてもいい。こっちから会いに行く。平日迷惑かけないようにって言ったら?】


【それ、みさのこと?みさがそうするってこと?】


【とりあえず私のことは置いといて、話を聞かせてよ。私が横槍いれるのがいけないね。ごめん】


【ストレートに言うね。みさ、友達としてお願いします。彼氏彼女とか恋人とかの関係でやり直すことは出来ない】


【解った。解ってはいたけど…私のワガママだったね。そもそも私から言ったもんね】


【みさ、ごめんね。俺はやっと見つけた夢を手放したくないんだ】


【やっと見つけた夢だもんね、それに、はるとの未来のパートナーもね】


【パートナー?】


【もう、とぼけないの!友達としてこれからも付き合ってくんでしょ?私達は!はるとの未来のパートナーはね、ユキさんなんだよ!!】


【ユキさんってことは、ないだろう。年齢も離れてるし、向こうは弟として見てるからさ。それに付き合ってもないのにパートナーってのは】


【馬鹿、はると!ユキさんがはるとを見る目は、弟な訳ないじゃん!弟をあんなに愛おしく見るか、普通】


【ユキさんの目を見ても解らないな…俺】


【はー、鈍い!鈍いね。ユキさんのこと、これからよく見て。少しずつ解ってくると思うよ】


【みさ、これからも会ってさ、いろいろアドバイスお願いします】


【しょうがないな、はるとの頼みだもんね。この幼馴染のみさちゃんが面倒見るよ】


【幼馴染は、りなだろ?】


【いいの、幼馴染に憧れてるんだから。それに、はるとの戻る場所あったほうがいいでしょ?】


【戻る場所か…それ都合良すぎるよね、俺は】


【いいんじゃないの?それで。私がいいって言ってんだからさ】


 みさ、優しいな。そういうの弱いよ。もし、この先、立ち直れないことがあったら、戻ってきて良いのかな?


 みさならその頃は誰かみつけてるだろうな。そうなったら…


【みさ、素敵な人見つけて。そして俺に合わせてよ。みさを幸せに出来るか見定めてやる】


【それは、幼馴染として?】


【そう、みさの幸せを願う、幼馴染として】


【うーん、これこれ!!幼馴染!!仲間入り!!】


【幼馴染…憧れて過ぎじゃない?】


※バタン※


【話しできた?本心で言えた?】


りな、わざと二人にしてくれてたのか…


【りな、ありがとうね。はるとと話しできたよ】


【じゃ、私はコーヒー☕でも…ぬるいじゃん!!入れ直そうっと。飲む人は?】


【俺も飲む】

【私も】


りなは、台所に。コーヒーのいい香りがしてきた。


【はると、りなは、はるとと別れた時は凄く落ち込んでいたんだよ。さっきのりなの話、本当だよ。でもね、そんな姿を見せたらはるとが困る。そんな姿を見たくないからって、優しい人だよね。あっ、これ、内緒ね、りなには】


【そんなことが…解らなかった】


【はい、コーヒー☕どうぞ。何こそこそ二人で話していたの?】


【ありがとう、りな。優しいなってこと】


【な。なに、気持ち悪い…はると、やめてよ】


みさは、くすくすって笑ってる。


【みさ、はるとが変!!】


【うん、変!!】


【俺は贅沢な恋愛をしてきたなーってさ。二人共凄く魅力的な女性だったなーって】


【だからさー、キモいっての!!それに何、過去形!今もでしょ!魅力的ってことはさ】


【りな、幼馴染でいてくれてありがとう、もちろん今も。この先もよろしくね】


【だから、はるとキショ!!やめてってば】


【あー、りな、照れてる!!赤くなってる】


【みさ、黙ってろ!!はるとに照れる訳無いだろ】


【もー、素直じゃないな~、ん?ブーブーいってる。誰のスマホ?】


【私だ。何だろう?………レイジさんだ】


 りな、再び二階に。レイジ、りなと付き合うのかな?頼むぞ、泣かすなよ。そんなこと俺が言える立場でないのは解ってるけどな。


【あー、私も誰か探そーと!イケメンで〜優しくて〜】


【さっき戻る場所って言わなかった?】


【誰が戻るの?】


【………いいや、忘れて】


 適当に言ったな。みさならすぐに彼氏できるだろう。りなもレイジといい感じだし…


りな、戻ってきた。


【はると、みさ、私就職先の決まっちゃった。海外ではなく国内で凄く近い場所】


【急にどうしたの?りな、レイジとなんの関係が?】


【研究所。レイジのいる。今さ、いろいろ問題起きて交通機関麻痺してるでしょ?その調査に国から依頼受けてるんだって!それでね、人手が足りずに困ってるんだって!】


【凄いじゃん!いいなー、りな】


【?何いってんの?みさもだよ】


【え〜〜〜〜〜?】by はると

【え〜〜〜〜〜?】by みさ


【何、二人してハモってるの?こう見ると…はるととみさ、兄妹みたい。そうだ!!それだ!!何か気になっていたんだよね〜そうか、兄妹か!】


【勝手なこと言ってるな、りな、なぁ、みさ?おい、みさ?】


【………お兄ちゃん………】


おい、おい、おい、何反応してんだ!


【はるとお兄ちゃん!!幼馴染で私のお兄ちゃん。お兄ちゃんほしかったんだよね〜優しくて、素敵なお兄ちゃん】


【飛躍しすぎだろ!!りな変なことに言うから。俺はお姉さん欲しかったよ〜優しくて、綺麗で…】


【はると、キショ!キショ!キショ!】


りな、そこまで言う事無いだろ…


※バタン※


【あなた達、こんな時間まで起きていたの?】


おふくろ、起きちゃった。うるさかったね。


【おばさん、はると、お姉ちゃん欲しかったとかキショいこと言ってんだよ!!】


【はると、お姉ちゃん会ってないの?】


【何いってんだ?寝ぼけてるの?おふくろ…】


【私、再婚だよ】


【それは知ってる。親父単身赴任でほとんどあってないけどね。顔忘れたくらいだよ】


【私が養女、引き取ったの…言わなかった?】



【え〜〜〜〜〜?】by はると

【え〜〜〜〜〜?】by りな

【え〜〜〜〜〜?】by みさ


何と言うことを、カミングアウトしてんだよ!!


【本当に?エイプリルフールじゃないよ、今日は】


【今度呼ぶね、今一人暮らしでめちゃくちゃ忙しいっていうから、時間取れないかも知らないけど】






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