第4話息子

今、家族とは別居している。

理由は部屋数が足りないからだ。

マンションには、嫁さん、息子、お姉さん、弟が住んでいた。

しかし、弟は結婚して家を出たが、母親が九州から名古屋に出てきて、面倒を見ている為に同居は出来なくなった。別居が始まったのは、息子が7歳の時。

毎週、遊びに行くと息子は喜び、帰る頃には泣いていた。

そして、今は中学2年生でゲーム三昧の生活を送っている。

僕と同居していたら、ゲームの時間を決めて勉強を教えていただろうが、嫁さんもゲームするから、息子は勉強の大切さを理解していない。

この前の食事会では、ちょっと僕にはつっけんどんだったが、帰りはバス停まで肩を組んで歩いた。

色気付いてきた。

髪の毛が長い。僕の不在で躾が悪いのでは無いか?と思ったが、キチンと育っていた。成り行き上とは言え、息子を寂しい思いをさせたのは代わりないから、僕は嫌われても何も言えない。

息子には、寂しい思いをさせた。

病気にならなかったら、変わっていた人生。

これからは、努めて息子と会おうと思う。

嫁さんとは仲が良いのだから、息子とも一緒に過ごせる時間。

家族は大事にしているつもりだが、息子には悪い事をしたと思っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る