第3話申し訳ない

そのおばちゃんは、知的障害者であった。

就労移行支援で知り合った。

きんさんぎんさんの、ぎんさんの方の親類らしいが、定かではない。僕は一般就労を目指していたが、諦めてA型作業所を選んだ。おばちゃんは、B型施設を目指していた。

白髪混じりで、仕草がかわいいおばちゃん。

その就労移行支援を離れて2年後、ショピングモールに家族で行った。

食材を買いに行った嫁さんと分かれて、5歳の子供と僕は休憩所でジュースを飲んでいたら、そのおばちゃんと再会した。

懐かしくて、子供に会わせて話しをしていた。

そのおばちゃんは、障がい者であるから、家族にお金を渡されていないのを知っている。

だから、自販機でジュースをプレゼントしようと財布の中を見たら70円しか無かった。

当時は1日500円生活だったので、貧乏だったのだ。

おばちゃんは、僕らがジュースを飲んでいる姿を見ていた。

100円も持ってないとは、恥ずかしい。

そのうち、嫁さんがやって来て、お別れした。

それから、10年、そのおばちゃんと会っていない。

何ともバツの悪い思い出。

すいません、おばちゃん。

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