第3話

「お2人に、ルーレット族のネームドをネームドの座から引きずり下ろして頂きたいのです。」

匠がいきなり依頼してきたことはユカリもアキラも予想していなかった。

「えっと… 同期を聞かせて?」

ユカリが情報を整理するために質問した。

「はい、それはですね。実は首都高のネームドは私の弟です。しかし、今彼が乗っているR32型GT-Rは父の形見なのです。それに、彼はネームドとして失格です。なぜなら、彼はただ速いだけです。本来なら誰かを助け、また誰かに助けてもらうのがネームドの正しいあり方なのです。今、彼はどうですか?彼は速い走ることしか考えていません。」

ユカリは自分が理解した事をまとめた。

「つまり、私達はネームドを降格させ、ネームドからR32を取り上げればいいんですね」

「はい。そうなります。」

匠からの依頼はそれだけでは無かった

「これはおまけなのですが、私には妹がいます。彼女は元ルーレット族です。彼女が現役の時私と妹は首都高最速と言われていました。しかし、女子なのに最速と言われ、周りから嫌がらせを受けました。そのため妹がルーレット族を辞める一因となりました。その時、私は気にするなと言いましたが… そして今いい機会です。彼らに復讐をしたい。彼を捕まえて

ここに連れて来て欲しい」

ユカリは首都高を走っていてそんなことは言われたことがなかった。

「そんな裏があったんだね」

ユカリが最初に口を開いた。

「そいつらのこと知ってるぞ、俺は…」

匠は言った。

「お願い出来るか?」

「わかった。任せろ」

「改造に金がかかるなら、こちらで出す。」

「ありがとう」


10分後

「まずは、ネームドとバトルをして奴を分析すればいいんじゃない。私は一発で勝てる気がしない」

パワーはあるんだけど…

コーナーで置いてかれるの目に見えるんだよー

「あぁ、さすがにいきなり勝つのは無理だろう」

「そうと決まれば実行だ。フフフ、なんだか面白いね」

そこに青いフェラーリ FFがやってきた。

「あら、匠兄さんからR32を取り上げろと言われたの?」

んん?なんでコイツがそれを知ってるんだ?

「そ、そうですが…」

「私からも、依頼出来るかしら?」

「構いません」

「ルーレット族を狩っていただきたいんですが」

「いや、今私達の組織がルーレット族を狩っています。」

「いえ、貴方達に狩っていただきたいのです。貴方達なら絶対上手くやってくれると思うのです。」

「しかし、R32を取り上げるなら、ネームドと親しくしないといけない。こっそりやるにしろ、ネームドに警戒されたらおしまいです。」

「分かりました。私が車は手配します。お願いします。」


任せろ


「早速だけど何のクルマ使いたい?」

「私はランエボがいい!」

「俺は…インプで」

「四駆を集めましたか。後日、自宅に届けますね」

「「お願いします!」」


「よーし!ネームド探しだ!!」



ーーーーーーーーーーー


(ネームド探しか。全然見つからない。)

「アキラ、待ち伏せはどう?」

同じルートを同じスピードで周っても一生追いつけないから、

『いいかもね。俺が待っとくよ』

「あぁ、よろしく」


20分後

「アキラ、ネームドを見つけた。東周りだ」

『ナイス!ドラレコはオンになってるか?』

「もちろん」




(どうなっているんだ❓コイツ、俺をネームドと知ってバトルを挑んできた。馬力は向こうが上だ。…兄貴が、雇ったのか…イヤでも…兄貴がこんな、いきなりバトルを挑むような奴を信用する訳ない…多分)


うーんなかなか骨があるなぁ〜 プレッシャーかけたらミスはするけど、抜けない… 大きなミスを待つか…でもな〜 終盤になったら強引にでも抜かさせて頂くよ。


2周目突入

一向にミスをしないネームド。

プレッシャーをかけるユカリ。


マズイ、早く蹴りを付けないと…


「ネームドがミスった」

(ヨシ!次のコーナーでサイドバイサイドだ)


(しまった!く… 奴が詰めて来る。次のコーナーか… マズイ失速した… 速度が足りない…)


「おっしァ!ここぉー!」


「マズイ、並ばれた…」


「よし、前に出た」


しまった。クッソ、ミスがない。まあいい、ここで抜くぞ


「フフフ、そうさせないよ?」

キキキィー

R32が詰まった。無駄に減速してコーナーを抜ける。

「なんだコイツ、ブロックが上手すぎる」

(ん?R8RWS?ナンバーは横浜??コイツは首都高最速とも呼ばれいた奴だ。確か…Phantom《亡霊》とか呼ばれていたな)


あ、動揺した、

一カ月だけどE46で暴れ回って良かった

フフフ、後半周。私の腕の見せ所…


「ペースが上がった!?追いつけない… ダメだ、落ち着け。」

ハァハァハァ

(やばい、負けてしまう。ここが最後のチャンス)

「しまった!オーバースピードだ…壁が…もうダメ…」

ゴンッ!ガリガリガリガリ


ネームドがミスったか…

「ま、勝ちは勝ち…」

ハァハァハァハァ

ちくしょう、ネームドになって初めての負けだ…

なんだあのR8の目的は…

何としても勝つ…

少し馬力を上げるか…


10分後

パーキングエリア

「おつかれ〜」

「にしても、1回目からネームドに勝つなんて凄いね」

「あぁ、褒めたたえろ」

「は?」

「嘘嘘!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

続く

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