#103 とびっきりの企画だぜ
「よ~お前等!!俺こそがお前らの希望になるヨーマ様だ」
・四日ぶりじゃん。
・お前の配信を待ってたんだよ
配信を開始すると『久しぶり』『待ってた』コメントが目まぐるしく更新されていく。
毒キメれば疲れる事無いし、ここ最近はずっと毎日配信してたからこんな感じのコメントが増えるのは当然なのかもしれない。
・今日はしょっぱなダンジョン内のじゃないのか
・東京スカイツリー前ダンジョンだな
・本当じゃん、明日雨でも降るのか?
・いや、真夏なのに雪が降る
・こんな時でも平常運転な場所特定ニキは何なの??
「おいおい。そこに気づいたのは満点だけど、俺をダンジョンに住んでる変人みたいに言わないでくれるか?」
・何言ってんだこいつ
・少なくとも変人ではある
・この2年で配信開始地点がダンジョン内じゃなかったのは2回のはずだが?
・ちなその2回はどれも政府関連の案件動画な
・有能ニキ達助かる
あれ……そうだったか?
おかしい、ダンジョンの入り口から配信した事とかもっとあっただろ?
もしかして、俺傍から見たら相当ヤバイ奴なのか?
・オイ、なんだその顔
・やっと自分の異常さに気が付いたか
・今更普通にやってもお前は一生変人枠だよ
「うるせぇぇぇ!!まぁ、俺がまともかどうかはさておいて……今日なんでダンジョンの前で待機しているのかと言うと、スペシャルゲストを待っているからなんだ」
・ファッ!!
・コラボ配信Ktkr
・事前告知は甘えのスタイル俺は好きよ
・こんな薬中とコラボしてくれる聖人が居るなんて
・まぁヨーマは知名度と強さは本物だから
・ヨーマは雑魚ヨーマは雑魚ヨーマは雑魚ヨーマは雑魚
・荒らしbotさんも興奮してますww
ふふ、良い感じにコメント欄盛り上がってるじゃん。
そ~そ、こう言うこう言うの。
今の日本にはこういう明るく楽しい空気感が大事なんだよ。
こういう空気感が元気を産み、そして希望を産む。
ダンジョン配信者の俺達が一番心に刻んでおくべき事だ。
「それじゃぁ、コラボ相手が現場に着いたみたいなので合流しようか。お~い、こっちこっち」
「あ、ヨーマ居た。どうも、銃でモンスターをぶち抜くと脳汁ドバドバ。修羅だよ」
・あぁぁぁぁぁ修羅ちゃんだぁぁぁぁ!!
・ヨーマと同レベルのやばい奴きちゃった
・神回確定か?
・最強の狂人×最強の狂人
・バーサーカーと薬中のコンビは草
・スマン。あんま詳しくないから誰か教えて
・重火器でモンスターを殺すのが生きがいの人
・近代兵器改造してモンスターと戦える様にしてる人
・一人で1000体モンスターぶち抜くまで帰りませんの人
・ヒエッ
・修羅ってそう言う
「おお、すげぇ速度でコメントが流れてる。やっぱ修羅の人気はスゲーな」
「お互い様。こっちはこっちでヨーマの話でもり上がってる」
修羅は「見てみる?」と言いながら彼女の配信のコメント欄を見せてくれる。
そこには『薬中』とか『毒があれば何でも出来ると思ってる人』とか『ギリギリ人間』など様々なワードが飛び交っており、修羅のリスナー達も大いに盛り上がっている様子が目に見えた。
「リスナーが言ってる。ヨーマは変人なんだって」
「奇遇だな。俺のリスナーも修羅の事ヤベー奴だって言ってるぞ」
・どっちもどっち定期
・このプロレス久しぶりに見たな
・古参リスナーからすれば懐かしくもほっこりする光景ですよ
・なお、この二人のコラボ配信ではいつも大量のモンスターが葬り去られます
・言うほどほっこりかそれ?
「まぁ、最悪なんでもいいけどな。皆が笑って希望を抱いてくれたなら」
「ヨーマは希望好きだね。今日はそんなヨーマと私が飛び切り笑顔になる配信するよ」
修羅のその声に合わせて俺はベルトから『ダンジョンに住むモンスターの言葉を理解できる毒薬』を、修羅はダンジョン用異次元リュックの中から『対ダンジョンモンスター用ロケットランチャー』を取り出し配信画面に写した。
高身長でゆるふわ口調の女の子が厳ついロケランを笑顔で持つ姿と、少し身長の低い男が怪しい液体の入ったアンティーク風の見た目の改造注射器を手に持っている姿はまさしくリスナーの度肝を抜く衝撃画像。
この画面だけでリスナーは画面に吸い込まれるぐらいの興味を俺達に向ける。
「企画内容はズバリ、新しい力を試したいって所だな」
「でも、弱いモンスターばっかの下層で使っても面白くない。目指すはこの
そして、その興味が枯れる前に調理してリスナーのテンションをぶち上げるのが俺達配信者の使命だ。
「俺達ダンジョン配信者が政府から侵入を許可されている階層で最も高く、危険度の高い東京スカイツリー前ダンジョンの第10階層」
「そこに居る未討伐のモンスター。思考を丸裸にしてぶち抜くよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます