第16話勇者パーティーの成長
五人は先に進むようだ。
パーティーメンバーが増えて余裕ができたことにより、優子ちゃんが先に進むことを決めたのだろう。
”みんな成長してる”
”パーティーメンバー増えたのがでかい”
実際パーティーメンバーが増えたことによる恩恵はでかい。
今のところ古城さんの出番はないが、ピンチに陥っても立て直せるという安心感がある。
琴宮さんも以前の魔力切れに懲りたのか無茶な魔法使用は控えるようになった。
五人の前に狼型のモンスターの群れが現れた。
Dウルフという名前だ。
五人は背後を取られないようにフォーメーションを崩さないようにしている。
「トーコ、私の前に立たないで。フォーメーションが崩れる」
「しかしそれではお前に攻撃が……」
「私は構わない。後衛に攻撃が通る方がまずい。私でなく後衛の盾になって」
それは俺も思っていた。
式町先輩は優子ちゃんを守ろうとする気持ちが強すぎて、優子ちゃんの盾になろうと縦に並ぶ。
俺としてはそれも嬉しいが、前衛が縦に並ぶと後衛の守りが薄くなる。
後衛を守るためには、二人は横に並ぶ方が望ましい。
後衛が魔法使いタイプなので、射線が確保できて同士討ちを防げるという面もあるが、倉木さんと琴宮さんはそこら辺の対策も出来ているだろうから、横に並んだ方が良いだろう。
ダンジョン攻略の時は先輩後輩関係なく接している。
優子ちゃんは式町先輩にため口で指示を出している。
パーティーのリーダーとして責任もあると思う。
メンバーの命を預かっているから、上下関係を気にしている場合ではない。
Dウルフ如きに負ける勇者パーティーではないが、今後のことを考えるとフォーメーションを今のうちに固めておくことが大事だろう。
五人は危なげなくDウルフの群れを殲滅した。
「Dウルフか。今回も貴様らに分かりやすい倒し方を教えてやろう」
”いまさらDウルフ?”
”興味ない”
”深層配信はよ”
「まあ、落ち着け貴様ら。基本は大事だぞ。小さな積み重ねが大きな力を生み出すのだぞ」
”努力の大切さを説く魔王様”
”正論草”
”こんな魔王様いや”
「Dウルフが迫って来ておる。牙が恐ろしな。その牙に噛みつかれる前に倒すのだ。
”魔法使えない定期”
”原点回帰”
”これこそ魔法使えない定期”
”何の役にも立たない”
「そうか、そうか、役に立ったか。良かったぞ、わざわざ教えてやった甲斐があるというものだ」
”話聞いてない定期”
”役に立たない配信はいいんで深層配信はよ”
俺はウルフの群れを殲滅した。
五人がさらに先に進むので俺も続くことにする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます