第16話


「1時間目を始める挨拶はいいからお前ら廊下に並べ」


と言って健吾楼(先生)はトイレへ向かった

いきなりの事でクラスがざわつき始めた


「まさか説教とか...」

「やらかしたっけ何か...俺たち」

「わからねぇ」


休み時間にトイレいけよ...なんで今なんだよ

もしかして理由があるかもしれない

夜桜(探偵)を誰もいない部屋に連れて何をしているんだ?

質問したら”課題に関しての呼び出しよ”と帰ってきた

課題ってなんだよ...授業すら始まっていないぞのに...

あの2人は警戒しないと行けないな

もしかして

僕の正体を夜桜(探偵)に教えた可能性がある


「おい並べよ..えーと..た..えーと高橋」


ぼーと考えていた為

外に出て並ぶのを忘れて居た

気まずい

てか一瞬名前忘れて居たよな...

影が薄いとか...陰キャとか..言われたら発狂するぞ...青春を過ごしたいのに...


急いクラスから出て列に並んだ

主席番号順で並んでいる為

霜鳥 綾瀬の後ろに並んだ

彼女は世界的有名な医者

霜鳥 夢参の娘である

医者を目指しすため

此処“東京開院高校”の特選クラスに入学した


「それじゃ行くぞー」


トイレから出てきた健吾楼(先生)が列の先頭に立った


周りの生徒は健吾楼(先生)の顔色を伺っていた

怒って居るかどうか見定めているのだろう


健吾楼(先生)率いる列が

第二校舎からでて

第3体育館へ向かった


生徒のざわつきは収まらず

健吾楼(先生)もぐんぐん歩いていた


第3体育館に入り

地面に体育座りで座らせた


健吾楼(先生)が体育座りして居るみんなを見渡した


しばらく見渡して

口を開き


「はぁ..」


ため息をついた...

空気が曲がるくらい気まずい雰囲気になって居た


生徒のほとんどが

健吾楼(先生)の顔を見つめた


僕は体育館の床を眺めた

目を合わせるだけでもきつい...

はぁ...吐きそう


正体がバレたらこのミッションがパァだ..

それは避けたい所...


「お前ら...今からこの第3体育館を10周しろ..」


生徒は

“何言ってるんだ”とか“えぇ...どうして?”

と言葉を発して居た...


健吾楼(先生)の奴は一体何をしようと...

何言ってるんだ?と僕も言葉に出してしまった


「いいから走れ...」


皆困惑しながらその場に立ち走り始めた

僕はみんなに合わせて走った


「すげぇ...夜桜様..すげぇ速い..」

「もう一周差かよ..」

「運動神経も僕らとは次元が違うんだなぁ..」

「マジで高嶺の花じゃん...」

「こりゃ追いつかねーよ」

「陸上全国大会優勝した林が追いついて居ないぞ..」

「林と50mも差をつけてる..」


僕から見ても速いスピードで夜桜(探偵)が走って居た..しかも息を乱さずに..


教える事なんか一つもないよ..邦隆も..

邦隆は夜桜(探偵)よりも少し速いため

邦隆も化け物である...


「あれっ隼人..走らないの?」


僕たちと2周差をつけた夜桜(探偵)が僕の耳元で囁いた


走るって言われても...

走りたい気分じゃないし...あまり目立ちたくないし..健吾楼がいつから..



「いっいやー..はっ腹が痛くて..ね」

「そう...大丈夫?」

「あっ..あぁ」

「わかった...無理しないでね」

「おいっあの陰キャ野郎が夜桜様に話しかけられたぞ..耳元で」

「死刑か?死刑だよな」

「死んでもいいから僕も耳元で囁かれたいぃーーーッ」


陰キャと聞こえたが..見逃してやろう..

このクラスのほとんどの男子生徒の脳内は夜桜(探偵)で出来て居るのか


「おいっ陰キャ..夜桜様になんて言われた?」

「あ?陰キャ?なんつった?家族もろども始末するぞ...」

「ひっひぃ..ごめんなさいごめんなさい」


横から僕に問いかけた山崎 晴人って言うを殺気で睨みつけた...僕には陰キャとか影薄いが一番刺さる言葉だ


大声で謝った山崎が周りに注目された


健吾楼は立ったまま寝て居ると言う教室失格レベルの事をして居た


周りの生徒は気づいて居なかった


気配を消すのが上手いな...健吾楼(先生)


夜桜(探偵)はだいたい5分で走り終えて居た

走り終えた夜桜(探偵)は寝て居る健吾楼(先生)を起こした

走り終えわっても息が乱れて居ない為

夜桜(探偵)はゆっくり走ったのだろう

確かにあの時の競争よりかはゆっくりだったな

あれで本気じゃないとか...陸上選手も驚くぞ..


線形代数代もできて居るし..知識も多く判断が早いし...運動能力も物凄いし

本当に高一か?

探偵として僕を捕まえるために

年齢偽造をしてたり..もしかして二十歳越えとか..いや

財閥の会長として年齢や名前や顔を公開して居る為...

偽造はそんな簡単にはいかない...偽造の可能性は低いか...

そうしたら..物凄い才能だな...


そう思って居るうちに生徒全員が走り終わった

だいたい14分弱だ


「走り終わったか...並んで座れ」


ほとんどの生徒が息切れをして居る為

20秒くらいかけて主席番号順で整列し

体育座りでその場に座った


みんなの体力が限界な為死んだ魚のような目で健吾楼(先生)を睨んでいる奴がいた


「遅い...もっとh」

「はぁ..先生...どうしt」

「此処からが本番だ」


生徒の話を軽く無視した健吾楼(先生)は話し続けた

この事によりによって

生徒が健吾楼に対しての嫌悪感が増した


「どうだ...苦しいか...お前にもう一回走れと言ったらどうする?」


生徒の大半が健吾楼(先生)を睨みつけた

僕は相変わらず下を向いて話を聞いた

目があったら...鳥肌が立つくらい目を合わせたく無い...

はぁ...吐きそう


「お前らは今俺を嫌って居るよな」


何人かの生徒が首を縦に振った


「それだ...人って言う生き物は感情の高ぶりが大きい..馬鹿なことしたら馬鹿な気持ちになる...考えて行動しろ...あ?俺を嫌うのは別に構わない...感情は皆持つ..ロボットでは無いからな...」


健吾楼(先生)の奴...少しは見直したな

陰キャって言われたら誰でも嫌な気持ちになりだろ...


「ガキのお前らがどう思うかはしらん...」


あぁ....吐きそう


「行動と感情は同じ物だ...」


うぅ....吐きそう

健吾楼(先生)に言われたら

...吐きそう


「言いたい事は言った後は自分たちで考えろ...教室へ戻れ」


そう言って健吾楼は体育館裏に向かった

生徒のほとんどが混乱し

ざわついた


「先生は一体何を伝えたかったんだ?」

「どうしてわざわざ俺たちは走ったんだ?」

「何がどうしてこうなった...」

「行動と感情が一緒のわけ...?」

「夜桜様はどう思いますか?」

「えっ私...言ってる事は正しいと思うよ...」

「夜桜様ってなんか大人って感じですね」

「どっどう言う意味よ!?」

「冷静さですかね」


他人と話すのは...ちょっと辛いから

バレないように体育館から出よう


僕は周りの生徒に気づかれないように体育館から抜け

教室へ向かった


「隼士!待ってくれ...!」


聞き覚えのある声が聞こえ

後ろを振り向いた

なっ夜桜(探偵)ーーーッッ

今は話したくない...話したくない

逃げるか...10mくらい離れて居る...し


全速力で僕は第二校舎へ向かって走った

大体時速80kmくらい

第二校舎の中に入り

階段を飛ぶように登った

走り始めてから大体20秒で教室に着いた


教室に来たは良いが...この後絶対に話しかけられるな...うん...行動と感情は同じってこう言う事か...


3秒くらい経って

夜桜(探偵)も教室に着いた


「はぁ...はぁ...本当に..お腹が痛いんですか..はぁ」

「あっえっ...まぁ..」

「保険..はぁ..室まで..はぁ..案内しましょうか...はぁ」

「えっえぇ...大丈夫です」

「はぁ...はぁ..わかった...よ..」


そう言って息を整えた夜桜(探偵)が自分の席に向かった


「隼士のバカ(小声)」


???

何もしていないぞ僕は...

なんで馬鹿とか言われるんだよ...健吾楼(先生)が言っていた行動と感情は同じって話はどうなった?

本当に分からない人だ...だから恐ろしい...好きがないってこう言う事か...

くっ...緊張で鼓動が早くなっている

この場から逃げたい...


「そういえば隼士ってどうしてこの学園に?」


やられた...油断した

なんて答えれば....

”なくなった親が”とか”夢があって”とか

どんな感じで答えればいいんだぁあ

テンプレートなんか...あるわけ無いし


「あっ..えっ...何ていうか...母さんの夢を次ぐため...かな」

「どんな夢なの?」

「えっ...えーと..あの..戦争を..なくすことです」

「戦争ね....無くなる...といいね」

「あっ...はい」


戦争は本当に何も産まない...

悲しみしか...産まない...なにも

家族を失ったり...


はは

夜桜(探偵)のやつはどう思ってるんだ?戦争はビジネス...こう思っているやつも居るからな....まぁ人それぞれの価値観...


「なんか...闇深そうだね」

「あっ..あぁ...そうだな」


夜桜(探偵)に何回か質問されたがテンプレートみたいな回答を使い何とか答えた

教室についてから大体7分くらい立ったあとに次々と生徒が教室に入ってきた

健吾楼(先生)が今いないため

少し教室が荒れていた

何人か集まって話したりしていた

僕は窓の外を見ながらぼーと過ごした


夜桜(探偵)の席に何人加女子が集まって質問攻めしていた

遠くから聞いても聞こえるくらい大きい声で話していた

うるさい...僕の近くで話さないでくれ...

はぁ...吐きそう


”キーコーンカーンコーン”

今どき少し古い

授業の終わりを意味するチャイムが流れ

僕は近くのトイレに駆け込んだ


この学校のトイレは進んでおり

ウォシュレットはもちろんの事

トイレ用ルンバや自動トイレットペーパーを補充してくれる機械や

水温を調整できる機能がある水道水など色々な技術が詰まっている

他にも暖房や冷房などのエアコン機能などもついている


僕は個室の中に入った

休み時間に夜桜(探偵)などと言った輩に質問とかされるよりも

一人で静かにトイレで過ごしたほうがマシだ...

個室の中で持ってきたラノベを立ち読みした

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