必然

第14話



「ーーーッぃてぇ」


右肩に広がる激痛により僕は飛び起きた

先日に起きた事により使えなくなったアパートの隣にある

少し古めの4階建てアパートの3階にあたる部屋にて僕は起きた


冷たくも暖かくも無い水で顔を洗い

マヨネーズみたいな味の歯磨き粉を付けた歯ブラシで歯を磨いた


組織から送られた生活支援だ...

他の味は無かったのか?

変な味がする


右手は動かすだけで痛い為

左手をうまく使って居る

本来は右利きだが

組織の訓練により

左手も使えるようになっている


歯磨きを終わらせ

学校に向かう準備を始めた


と言っても

授業などはまだ始まっていない為

筆箱とメモ帳と生徒手帳くらいしか持って行かない


先日のミッションの報酬で

100万円もらった

その内の95万を強制的に1億円の借金の返済に利用された


手取り5万だ....あれだけやっても


ぶつぶつ言いながら制服に着替えた

制服の中にワイヤーフックなどのアイテムを隠し


鞄を持ちそのままアパートの部屋から出た


担任の先生は誰になるんだ?

この事について考えながら1階まで降りた


「おはよう御座います隼士さん」

「あっえっもっも紅葉さん!」


アパート前で夜桜(探偵)が立っていた

まさか...捕まえに来たのか!?

まずい...麻酔銃を持ち歩くの忘れた


「災難だったね..昨日は」

「あっあぁ....まさか殺人事件が自分の部屋で起きるなんて思わなかったよ...はは」

「ほんと許せないよね!」

「あっあぁ」


バッバレてない!セーフ


バス停まで夜桜(探偵)と歩く事になった


「もも...紅葉さんの家って...こっここの近くなんですか?」

「仕事の関係でね」

「しっ仕事?」

「そうよ」


あっえっ嘘だろ

監視されてるのか!?

僕を泳がせてるのか!?

それだったらさっきまでの言動も納得だ...


「そういえば担任が変わるって知ってる?」

「えっ...変わる?なぜ」

「詳しくは言えないんだけど...まぁ実家に帰ったらしいよ」

「へぇ...」


バレないように...絶対..気を付けて話さないと..


FBIとかに尋問されて居る気分だ...

本当にバレてないよな...


夜桜(探偵)の顔を見つめた

顔つきなどで人の感情はわかる物だ...


「ん?顔に何かついて居るの?」

「いやっ...別に」

「もしかして...」

「もしかして?」

「髪を整えて居ないから!遅く起きたから髪を整えるのを忘れちゃたし...化粧もしてないし」

「あっえっ...べっ別に..大丈夫だよ...綺...れいだから」

「あっありがとう」


なんだよこの気まずい空気..どうしろって言うんだ!?

下を向いて僕は歩いた


「どうしたんだよ元気無いなぁ」

「ーーーッぃてぇ」

「すまんすまん」


背後から邦隆がいきなり僕の右肩を叩いてきた

全身に痺れるくらい痛かった


「なぁ隼人..彼女できたのか!?こんな早く...それとも昔からの付き合いとか?」

「そんなわけないだろ」

「って彼女!?夜桜 紅葉じゃないか!?すげーな隼人..お前よく...おとせたなぁ」

「ちっ違うよ..別に彼女じゃないし」

「邦隆さんでしたっけ?隼士さんの友達の夜桜です」


とっとと友達!?

嘘だろ...そうゆう関係なのか!

夜桜(探偵)とは関わりたくないのに...


「さん?隼士とは友達なのにさん付け?」

「まぁまぁ」

「隼人さんが良いなら別に呼び捨てでも良いですよ」

「あっえっ...僕は別に...」

「ならお互い呼び捨てで良いじゃないか?」

「....隼士」

「....もっもも紅葉」


くっどうして...こんな目に

あまり関わったらダメな人と友達になるんだよ

バレたら終わりなのに...

落ち着け...鼓動よ早くなるな...早くなるなぁ


「隼士を頼んだぜ夜桜さん...此奴ちょとシャイなんだよ」


なんで邦隆は保護者面してるんだ?

まったく馬鹿なのかアホなのか良くわからない奴だなぁ


気まずい雰囲気が何度かあったが邦隆のコミュニケーション能力によってあまり気を使わなく良くなった


バス停に僕たちは着いた


バスを待って居る間は

部活の話で持ちきりだった

何度か僕と夜桜(探偵)をサッカー部に勧誘しようと邦隆が話しかけた


邦隆はサッカー部

僕は帰宅部

夜桜(探偵)は空手部と生徒会に入る事にしたらしい


昨日..夜桜(探偵)に殴られた顔の痛みがまだ引かない...師範になる実力はある

それ以上かも知れないな


バスが到着した

バス停には僕たち3人しか居なかった

定期券を僕は取り出し

定期券を使って乗車した

夜桜(探偵)は現金を使って乗車した


「やべっ..定期券忘れたわ」

「210円出してあげるわ」

「すまん..後で返す」

「大丈夫よ」

「いやいや..なら取りに帰った方がマシだ」

「そこまで言うなら」


さっきは見えなかったが

夜桜さんの財布の中には札束が入って居た

だいたい...50万は超えて居る...

高校生が持ち運んで良い量じゃないだろ

しかも小銭は全て500円玉...


財閥の会長ってこんなにも金持ちなもんか?

本田財閥の次に大き財閥だと聞いたが...

1億の借金が無きゃ...こんな財布が寂しくないのに...

食事代くらい組織が準備してくれよ..

手取り5万だぞ5万

手を血で染めて働いても5万!?


悲しいなぁ

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