第4話
呪われた品物、呪いを行使する為に使う品物を呪物と言う。
俺達が呪物と言った場合は殆どの場合呪われた品物のことを指す。
特殊清掃業者にとって呪物と言うのは特別な物ではなく、日常にあり触れた存在なのである。
例を挙げると、殺人に現場にあった人形とか、自殺に使われたロープであるとか、そこに何かしらの要因で呪いの念が
呪物になる条件だとかそういったものはケースバイケースで、何が原因でと問われても明確にこれが原因になると言う事ではない。
呪いの念が発生する場所にある品物は呪物になる可能性があるというだけである。
強いて挙げれば念に近い場所、関わる物、念を発した者の思い入れのある物などはなり易いと言う傾向にはある。
念が強ければ強い程強力な呪物となる。
最近では漫画などの影響で有名になったが特級呪物と言う呪物の中でも特に呪いの強い物を指してそう呼ぶこともあるらしい。
漫画で出て来た「
先に上げたような物ではないが、特級と呼ばれても可笑しくない程強力なものは存在するが、どの程度から特級なのかは俺達は良く知らない。
俺達が取り扱うものの中で強い物だとそれを近くに置いているだけで何かしらの霊障を引き起こしたり、最悪の場合は持ち主を呪い殺す物がある。
人を殺せるだけの品物を特級と呼ぶのであれば、それは特級なのであろう。
呪物の予備知識としては今回これ位でいいだろう。
今回問題となっている呪物については丁度龍翔が今話し始めている。
そして、聞きながら合いの手を入れる信也は珍しい呪物に益々興味津々のようだ。
「それがさ~梯子なんだよ」
「
「あのがどれを指すか知らんが、梯子と言ってもロフトに上る梯子あるだろ、あの梯子だ」
「ロフトに上る梯子か・・・それが何でまた呪物に?何となく予想は付くけど・・・」
「この梯子、実は10人が首吊りに利用した曰く付きの梯子でな、気が落ち込んでいる時に引き込まれるんだろうな~」
「あ~やっぱりか~何人目からそうなったかは知らないけれど、引き寄せて自殺に誘う呪物か」
「そうそれ!首吊り用の足場に使ったり、首吊りロープ掛けたりとそういう感じで10人が使用している」
「処分はどうした?」
「寺の蔵に押し込めておいたから近い内に処理する予定だ」
「興味あるから今度観に行くよ」
「了解~早めにな」
これが中々厄介で、人を引っ張る程強い呪物はそれが核となり部屋自体が呪物となることがある。
部屋が呪物になると
その部屋自体を何とかしないと部屋の中にいるだけで呪いの影響を受ける。
開かずの間ってあるだろ?あれが部屋の呪物だ。
危ないから立ち入り禁止にして呪いが風化するのを待つ訳だ。
そして、部屋が更に呪いを強め場所が呪物になる。
この場合は呪いの地とでも言うのだろうか?よく知らんけど。
呪いが場所にまで膨らむと更に厄介で、問題無い場所に戻すのも並大抵のことではない。
そこまで行くと全く俺の領分ではないのでどうするのかも知らん。
自殺の名所ってあるだろ?あれは1つの呪いの場所の形態だな。
人を引き付けて自殺へと誘う。
心霊スポットも同じで、呪いの場所なのだ。
他にも
大分話がずれて来たので話を戻そう。
今回の呪物はロフトに上る為に取り付けてある梯子である。
撤去してしまえば問題無い。
撤去後はその梯子を処置すればそれで良い訳だ。
既に龍翔が回収しているので問題はない筈である。
呪物なんてくそったれな話の後だし次は明るい話でもするか。
丁度今、龍翔が娘命の親バカ話をしている。
次は龍翔の実家の寺の話と奥さん子供の話でもしよう。
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