おまけ 彼女の行方
それは唐突に起こった、なんの前触れもなく突然柊由香の体が溶けたのだ。
「あ?」
理解ができなかった、俺は確かにヒーロー達から柊由香から救出したはずだった。呼吸も安定していた、それに心音もあった、目を覚ましてしゃべらないだけで確かに生きていたはずだったのに………。
「ねぇこれどういうことだと思う?」
俺は首をひねって、後ろで俺の部屋の掃除をしていた元ヒーローである”ママ”に聞く。
この人の母性はとんでもないから俺が命名した。
「え、私ですか?」
「うん、確か前ホロウにいたよね?」
「そうですねこの感じだと、”リー・テイル”の仕業だと思います、彼女はさっきみたいなリアルな人形を作るのが得意ですが、その人形が実体を保てるのは二週間だけなんですよ」
「ははっまじかよ、一本食わされたーーーー!!」
今日は確か柊を救出して丁度二週間だ、人形だったならば効果が切れていてもおかしくないな、そっかー俺馬鹿だ、必死なのは俺だけじゃないヒーローもだよな。
「まぁいいや、もっかい襲撃してやろっていったぁぁぁぁぁっ!!」
動こうとしたら俺の体は言葉にもならないような悲鳴を上げた。
「あんのクソ姉貴のせいで助けにいこうにもいけないじゃないか」
俺は地べたを這いつくばりながらリビングに向かう。
「肩お貸ししますよ?」
「ありがとう、ママ」
「私はママじゃないんですけどね」
しゃがんできたママの肩にもたれかかり、なかばおぶられながらリビングに向かい、冷蔵庫に置いてあったがりがり君をほおばる。
「んじゃあまぁ柊には悪いけど、麻木の計画が終わってから助けに行くとしよう、それか計画中に助けてしまおうか?」
「あの、溶けたアイスが私の首に垂れてくるのですが………」
「我慢してー、あっつー頭痛くなってきたー」
ほんと、これがあるからアイス食べるのはやめられねぇぜ。
「ははっ待ってろよーヒーロー」
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