第7話

「・・・・・・・・・」


静寂が支配しているままのパーティー会場の中、心なしかご令嬢からの視線が凄いようや気がする。


「皆、楽にしてくれ。今日は私の息子、ルークの社交デビューなんだ。生まれて初めてのパーティーがこんな静かだと息子も不安がってしまうだろう。頼むぞ。」

普段の優男のお父さんからは想像のつかないほど、威厳のある声でそんな言葉が告げられた。なんか口調もいつもと違うし…


すると空気を読んでくれた貴族たちが僕たちが入ってくる前と同じように、話に花を咲かせ始まる。


そんな中、僕たちが入ってくる前と今とで違うことと言ったらご令嬢たちの凄い視線だろう。

みんな凄い僕のことを見てくる。だが誰も声をかけようとしてこないんだけど何故なんだろう?


「ルーク様、初めまして。お話ししてもよろしいでしょうか?」

そんなことを考えていると、ご令嬢のうちの1人の金髪碧眼の美少女が話しかけてきてくれた。嬉しい。


僕はちょっとだけ格好つけて爽やかイケメン風な微笑みを浮かべながら話しかけてきてくれた女の子に返事をした。

「ええ喜んで。僕はこのような場での経験がない為、失礼なことをしてしまうかもしれませんが、どうかご容赦くださいね。」

僕は公爵家の長男だし、僕の無礼で問題になることはないとは思うけど、普通に相手にとっての失礼はない方がいいから気をつけはするけど、この世界やこの国のルールとかわかんないしね。


「はい!ルーク様の方が私よりもご身分が高いのですから、そんなことをお気になさらなくても大丈夫ですよ。ふふっ、でも、私如きにもお気を遣ってくださって嬉しいです。」

女の子は頬を赤ながらも僕に大丈夫だよと言ってくれた。優しい。


「他人に対して失礼がないように気をつけるのは当たり前だよ。そう言えば名前をまだ聞いていなかったね。後、そんなにかしこまった話し方じゃなくていいよ。僕はこんな硬い話し方得意じゃないしね」


「!ありがとう。私の名前はアリス、アリス・サーディティーだよ。一応伯爵家の娘なんだぁ。これからよろしくね?ルーク様。」

と、少女、いや、アリスは僕にそう答えた。


「ああ、よろしくね、アリス。」

と返事すると、彼女はとても嬉しそうな笑顔ではにかみながらもこくんと頷いてくれた。


「でもアリス、僕を呼ぶ時にまだ様をつけたままになってるよ。」


「うん。このままルーク様って呼びたいんだけどダメかな?」

と、上目遣いでお願いされた。

こんな美少女にお願いされたら断れないじゃん。


「アリスがそう呼びたいなら、全然構わないよ。」

僕は相手に何か強制するの好きじゃないからね。


「うんっ!ありがとうルーク様!私はこれから少しお父様たちとお話しすることがあるからまた後でね!」


そう言ってアリスは彼女の父親らしき人の元へ向かっていった。


すると、先程までは俺たちのことを見ていたご令嬢達が俺の周りを囲んで次々に話しかけている。


「ちょっ、ちょっと待って。1人ずつ話してくれないとわからないから。」


ざわざわしていた会場が急に静かになる。

まるで俺たちが会場に入った時と同じように。


周りのご令嬢たちが輪になっていて、見えなかったが、どうやら王家が会場に入られたようだ。


あれ?王様らしき人が凄い困った様な顔をしている気がするけどなんでだろう?

なんてことを考えていると、周りのご令嬢たちが左右に分かれていく。


そして、周りのご令嬢たちを左右に分けた本人ーー、目のハイライトが消えた僕の婚約者、マリアが僕に話しかけてくる。


「ルー君?周りの女の子たちは誰なの?もしかして、私という婚約者がいながらも浮気をしてるの?そうなの?ねえ?」


こ、怖い


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作者のK4Iです。

今回はVaundyさんの「裸の勇者」を聴きながらこのお話を書きました。


明日からまた学校が始まる為、更新頻度が落ちてしまうと思いますが、時間を見つけて頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。


少しでもこのお話が面白いと思いましたら、フォローや⭐︎、ハート、コメントよろしくお願い致します。


後、新作を書かせていただきましたので是非確認していってください。よろしくお願い致します。

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