第5話

僕たちは家族全員で王城で行われるパーティーに、参加するため馬車で王都へ向かった。


王都へ向かう為に乗った馬車だが、これがまた座り心地が最悪だ。

お尻の骨が折れる勢いで揺れているが、これでも公爵家の所持する馬車なので、この世界基準で見たら良い乗り心地なのだろう。

いつか、前世の世界にあった自動車とまではいかなくとも、もう少し乗り心地の良い馬車を作りたいな。


そんなことを考えながらボーとしている間に、僕たちは無事王城へと辿り着いた。


王城の敷地内へと入り、中へ入るための確認をするための列に並んでいる時にお父さんか、


「いいかい、ルーク。沢山のご令嬢から声をかけられると思うけど、マリア様をあまり怒らせないようにね。」


と、話してきた。

その後、僕たちの確認の順番になり、お父さんが確認作業を行う中、何故婚約者がいるのにお父さんはご令嬢が僕に声をかけてくるのだろうと考えていると、お母さんが、


「いい?ルーク。お父さんは私しか娶っていないけど、普通は身分が高ければ高いほど男の人は多くの女の人を娶るものなのよ?ルークは将来アトランティス家の当主になるでしょ?だから、お父さんはルークがご令嬢達に声をかけられて、マリア様との時間が取れないんじゃないかと心配してるのよ」


と、教えてくれた。


お母さんとそんなことを話している間に、どうやらお父さんが王城へ入るための確認を終えたらしい。


「お待たせしたね。それじゃあ行こうか、みんな。」


そうして、お父さんを先頭に僕たちは王城は入った。

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