二十の神話 出産

あれから…もう七ヶ月たち…いよいよ出産というところまできた。




サヤ「うぅ…痛いな…でも陣痛ってもっと痛いよね…大丈夫かなぁ。」




ハデス「僕がそばにいるよ。大丈夫。」




今日が出産の予定日のため、家はあわただしく皆がサヤとハデスを囲んでいる。




「とうとうめでたい日がやってきました!私共は皆、リース様の誕生を楽しみにしていますからね!」




ハデス「気が早いよ。まだ産まれてないのに…」




サヤ「いいんだよハデス。リースも喜んでるよ。ポコってお腹蹴ってる…!」




すると…




サヤ「あ痛たた…陣痛かな?すご…く…痛い…!」




「急いで産婦神科へ運びます!」




サヤの陣痛が始まる。




ハデス「サヤ、落ち着いて。吸って…吐いて…そうそう、その意気だよ。」




サヤ「いったい…!ヤバい無理かも…」




「今産婦神科に連絡してます…!繋がった!はい、陣痛です!来てください!」




自宅で出産することにしていたため、医者に来てもらう。




サヤ「うー…痛ぁ…喧嘩してもこんな痛くなんないよ…」




ハデス「頑張って…もう少しで医者が来るからね…」




「お待ちください…破水してます…!」




サヤ「え?じゃあもうすぐ…」




ハデス「産まれる…!サヤ、ここからが正念場だよ…僕らがサポートする。頑張って!」




サヤ「うん…!頑張って耐えるね…!」




しばらくすると、助産師さんと医者が家に到着した。




助産師「大丈夫ですか?破水は…してますね。多分もうすぐ出てきますよ!」




その後一時間ほどサヤは陣痛に悶えた。




サヤ「あー痛いぃ…!でも…リースも頑張ってる…!私も…ん…!!」




サヤが力むと…




助産師「頭出てきましたよ!先生、準備を!あと少しですよ~頑張ってください!」




サヤ「うぅ…リース…出てきて…!」




ハデスがサヤの手を握る。




ハデス「リース、頑張れ…!」




赤ちゃんの産声が聞こえた。




医者「無事産まれました!ほら…かわいい男の子です…!」




サヤ「わぁ…抱っこ…いいですか…?はぁ…はぁ…」




ハデス「見てごらん…こんなにかわいいよ…僕たちの子供だ…!」




サヤ「やっと終わった…ふぅー…リース、お疲れ様…」




ハデス「サヤもお疲れ様…よく頑張ったね…リース、パパだよ…」




サヤがだきかかえるリースの小さな手に指を伸ばす。




サヤ「握るのは早いかなぁ?リース、パパとママだよ…」




リースはそっとハデスの手を握り返した。




ハデス・サヤ「!!」




医者「おめでとうございます…そして、お疲れ様でした。サヤさん。これからは経過観察のため一週間ごとに来てくださいね。」




サヤ「お医者さんも助産師さんもありがとうございました…本当になんて言ったらいいか…」




助産師「私は赤ちゃんの育て方をレクチャーするので毎日来ますからね!

みっちり鍛えていきますよ!」




サヤ「ふふ…お手柔らかにお願いします。」




なんとかサヤの出産は終わり、一安心。




サヤ「リース、これからよろしくね…」




リース「あぃ…」




ハデス「わっ…返事した…?わかるのかな。」




サヤ「そうだね…この子はわかるのかも…」




二人は幸せそうに微笑んだ。

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