十五の神話 初夜

会場外でハデスを探す。




サヤ「ハデスどこかな…もう帰っちゃったか?なんで話さなかったんだーって…」




後ろからギュっと抱きしめられる。




ハデス「こんにちは、ロッティさん。」




サヤ「わっハデス!誰かにみられるよ…神なんかすぐ噂広げるんだから…」




ハデス「君が歌姫だったなんて知らなかったんだから…もっと早く話してくれてもよかったのに。」




拗ねた子供のように頬をふくらませて言った。




サヤ「うん…でも怖かったんだもん。受け入れてくれないかと思って…」




ハデス「そんなこと僕がすると思いますか?ロッティさん。」




サヤ「…しないね。ごめん…」




するとハデスはにっこりと笑い、




ハデス「懲りたならいいんだよ。僕怒ってないから。」




サヤ「ちょっと怒ってたよ…空気がピリピリしてた。」




ハデス「そんなことないけどなぁ。でも隠し事は無しだよ?」




サヤ「うん…家、帰ろう。」




上目遣いをするサヤにハデスは胸がキュッとなり、サヤに囁く…




ハデス「本当に僕を誘うのがうまい。今夜は覚悟してね…」




サヤの顔がボッと赤くなる。




サヤ「え、それってどういう!?違うよね!?」




ハデス「サヤの思うとおりだよ。」




サヤ「うー…覚悟できないぃ…」




ハデスは笑みを浮かべ、サヤは頭を抱えて家へ帰った…




ハデス「僕先にお風呂入ってくるから。ちょっと待ってて。」




いつもなら一緒に入ろうと言うところだが違った。おそらくハデスは本気だ。




サヤ「ふぇぇ…私初めてなのに…」




サヤには交際経験が無いためそういうことについての知識が皆無だ。




ハデスがどうかはわからないが…




サヤが悶えている間にハデスが出てきた。




ハデス「お待たせ…ほら、入っておいで。」




サヤ「う…うん。入ってくるね。」




お風呂に入りながらもずっとハデスのことが頭から離れない。




サヤ「付き合ってるし…するのは普通だよね…でも早いって!ハデス絶対私のことからかうもん!」




お風呂場で想像しながら顔を赤くして叫ぶ。




もちろんハデスにも聞こえていた…




ハデス「おや…もう気づかれていたか…でも愛し合ってるんだから…ね。」




緊張しながらサヤは着替える…




サヤ(どうしようどうしよう…私気持ち悪いよね…あぁぁ緊張する!)




悶々としながらハデスの待つ部屋へ向かう。




ガチャっ…




ハデスの待つベッドに向かい、横に座る。




ハデス「やっと来たね。僕の愛するサヤ…」




サヤの髪に触れ、キスをする。




サヤ「その…私…初めてで…うまくできないよ?」




ハデス「僕だってそうだよ。君のために縁談を断ってきたからね…」




初めての情報にサヤは驚く。




サヤ「縁談でくる女神って全員いい奴じゃん…なんで私を選んだの?」




ハデス「好きで好きで愛してるから…それだけだよ?」




そう言うとハデスはサヤをベッドに押し倒す。




サヤ「えっ…ちょ!早いって!その…」




ハデス「今日は僕の好きにさせて?嫌だったらいいけど。」




サヤ「…いじわる。私が抵抗できないの知ってるくせにぃ…」




ハデス「なんのことだかさっぱりだね。ほら、おいで。」




サヤ「……うん。」




二人はその後、無事に初夜を迎えることができた…




翌朝…




ハデス「う…ん…サヤ…そこにいる?」




サヤ「うん…その…いるよ。」




ハデス「よかった。夜のことだけど…大丈夫だった?怖かっただろうに…」




サヤは首を振る。




サヤ「ハデスだったから…大丈夫。他の神だったら拳が飛んでたけど。」




ハデス「僕以外とすること考えてたの?それは許せないなぁ。」




サヤ「ちがっ…そういうことじゃなくて…ハデス優しいから。安心できる。」




抱きついてそう言うサヤにハデスは耐えきれず…




ハデス「もう一回する。」




サヤ「へ?ちょっ待って…」




そのまま甘甘な朝になったのだった…

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