十四の神話 正体
翌朝…
ハデスより少し早く起きたサヤはグループの二人と会話をしていた。
サヤ【新曲できたわー。子守唄だから演奏いらんかも。ネットで公開にする?】
アフロディーテ【早っ。子守唄なの?確かに演奏はうるさいかもね…ネット公開がよさげかしら?】
ヘラクレス【じゃあ決まりだな。ライブでも披露して、ネットにも公開する、でいこう。】
サヤ【ハデスにも遠回しに伝えとく。その時だけ演奏無しにして…】
ハデス「サヤ…誰と会話してるの?」
サヤ「あ、裏方仲間だよ…打ち合わせ必要だから…」
ハデス「ふーん…僕より大事?」
拗ねた子供のように言った。
サヤ「うふふ…決められないよ。ハデスはハデス、仕事は仕事だもん。どっちも大事なものだよ。」
ハデス「む…ガードが硬いな…今日は一筋縄ではいかないようだ。」
サヤ「なんで私がチョロいみたいに言うのさ!」
ハデス「だってサヤ僕のこと好きでしょ?だから。」
サヤ「このドS!私が強く言えないの知ってるからってぇ…」
ハデス「ふふ…拗ねちゃった…ごめんねお姫様。」
サヤ「もうライブ行くもーん…」
ハデス「あ、待って…キスしてないよ?」
サヤ「ぐぅ……する!」
ハデス「ほら、なんだかんだで僕に流される。」
サヤ「好きなんだからしょうがないでしょ!」
朝のキスをして、サヤはライブへ出掛けた…
ハデス「本当にからかい甲斐がある猫だこと…ふふ…」
そしてハデスもライブに行く支度をすませ、席を取るため少し早めに出た。
サヤ「お待たせ!新曲の件だけど…」
アフロディーテ「聞いたわよ!子守唄だって、どんな感じのやつなの?」
ヘラクレス「俺も気になる…聞かせてくれよ。」
サヤ「うん。わかった。」
サヤは愛を込めて子守唄を歌った…
アフロディーテ「いいじゃない!これは演奏いらないわね…」
ヘラクレス「本当に眠くなってきたぞ?寝ていいか?」
サヤ「アホ、これからライブやろがい。」
アフロディーテ「ファンの神たちの度肝ぶち抜いてやりましょ!」
サヤ「そうだな!ぶち抜いたるぞぉお!」
アフロディーテ・ヘラクレス「オー!!」
運動会感が溢れているがライブの開幕となった。
ロット「やぁやぁみんな待っててくれてありがとよー!!新曲は今発表だ!」
「マジか!?早すぎね?打ち合わせとかできてるん…?」
ロット「心配してくれてる諸君落ち着きたまえ!ボーカルの俺しか動かん!
だからクオリティは全て俺にかかっているぅ!」
ファン「ワァァァァァァア!!」
ロット「それじゃあ新曲!『彗星』」
深呼吸をし、会場が落ち着くのを待つ。
ロット「…彗星が煌めくとき…あなたの願いもきっと叶う…願いが叶ったなら…私に教えてくださいな…そうしたら私の膝においで…彗星の独り言を話してあげる…彗星はあなたを見ていたと…」
ファンは聞き入り、各々の世界に浸る…
「なんか…落ち着く…心地いい…」
そんななか、ハデスは…
ハデス「……いい声だよ…」
一人、ロットが誰なのか気づいていた…
子守唄が終わり、観客席から拍手が贈られる。
ロット「なんか…照れるな…こんな風に歌ったことねぇからよ。そしてこの曲はネット配信もされる。だから…よかったら聞いてくれねぇか…?」
「もちろんだよロッティ!君の歌最高!」
「照れてるとこなんて初めて見た!」
歓喜の声が会場に響きわたる。
ハデス「本当に…君には敵わないや…」
そう一人で呟いた。
ライブ終了後…
アフロディーテ「ハデスに正体教えるって話どうしたの?」
サヤ「あぁ…子守唄の件でもう話したようなもんだから。」
ヘラクレス「なんか仕掛けやがったな?いいじゃねぇか!」
ヘラクレスが強めのグータッチをする。
サヤ「痛てて…この筋肉バカ!強すぎるわ!」
ヘラクレス「わりぃわりぃ!それより…彼氏が待ってるぜ?」
サヤ「そうだね。早いけど今日は解散!ライブマジで良かった!」
アフロディーテ「サヤの歌のおかげで奮い立ったわ!こっちのセリフよ。」
そして三人は分かれ、サヤはハデスの元へと向かった…
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