十の神話 始まる同棲

ハデスとサヤは溢れんばかりの幸せに微笑む。



花園のベンチに座り、話をする。



サヤ「ハデスが私のこと好きだったなんていまだに信じられないや…」



ハデス「愛してるの間違いだよ。これからは僕の女神なんだからね…そこは自覚してもらわないと困るなぁ。」



溢れ出るドS感が隠しきれないハデスにサヤは、



サヤ「あ、でも同居神は許してくれる…?」



ハデス「男と同居してるの?そんなの駄目だよ。今夜からうちにおいで。」



サヤの頭を撫でながらハデスは言う。



サヤ「ポセイドンだから大丈夫だよ…?母さんみたいなものだし…」



ハデス「サヤがそう思っていてもポセイドンがどうかはわからない。彼も男なんだからね。」



サヤ「あの…家に…来る?すぐ近くだから…」



ハデス「いいの?サヤの部屋見たいな…」



サヤ「じゃあ家に行こう!ポセイドンに服も見せたいし…ハデスと付き合い始めたことも…」



二人はサヤの家へと向かった。



サヤ「ポセイドン!開けてー。」



ポセイドン「あっ!やっと帰ってきた!もう昨日はなにしてたの?なにも連絡よこさないで一晩いなかったんだから寂しかったわよ!」



ポセイドンがサヤに抱きつく。



サヤ「わっ!ちょっポセイドン!苦しいよ…」



それをハデスが引き離し…



ハデス「やぁポセイドン。君がサヤと同居してるって聞いたんだけど本当かな?これからは僕の家に住まわせようと思っているんだけど…」



ポセイドン「なんのこ…え?なにサヤ!あんたハデスとうまくいったの!?」



サヤ「うん!無事付き合うことになったんだよ~。」



ポセイドンは涙を流しながら満面の笑みで、



ポセイドン「ハデス、サヤを頼んだよ!寂しくなるわぁ…」



ハデス「おや?反対されると思ったんだけど…祝福してくれるのかい?」



ポセイドン「娘に彼氏できたなんて嬉しいに決まってるじゃないの!サヤ、頑張りなさいね。あ、荷物!さ、入って入って…」



予想外の歓迎に少し戸惑うハデスだったが、とりあえず家に入る。



サヤ「ちょっと待って!'あれ'しまってない!」



ハデス「あれってなぁに?見せてほしいんだけど。」



サヤ「違っ…'あれ'だけは見ちゃ駄目!」



サヤは急いで自分の部屋に駆け込み何かをしまい始める。



ハデスも続いて部屋に入る…と…



ハデス「あれって…これのこと…?」



サヤ「わぁわぁわぁ!見ちゃ駄目だって!」



サヤはすごく恥ずかしそうにそれを隠す。



ハデス「だって…僕の似顔絵でしょ?すごく上手…もっと見せて…」



サヤの言う'あれ'とはハデスの似顔絵のことだった。



部屋中にあらゆるアングルの似顔絵があり、ハデスは驚く。



サヤ「ご…ごめん引いたよね…もう捨てるから…」



ハデス「捨てないで!僕が欲しいから。とっても嬉しい…サヤが僕の似顔絵描いてくれてたなんて…」



サヤ「集会とかで見たときに…覚えて描いてたの…」



ハデス「サヤ…君はなんて愛しいんだ…これ以上僕の理性を壊そうとしないで…じゃないと食べちゃうよ?」



サヤ「じゃ…じゃあこれハデスにあげるね。私荷物整理するから…」



ハデス「ありがとう。本当に嬉しいよ。」



二人は荷物の整理を終えると、



ポセイドン「あら、もう終わったの?感慨深いわぁ…たまには帰ってくるのよ!」



サヤ「うん!ポセイドンありがとう。またね!」



そういってサヤはポセイドンとの同居を終え、ハデスと同棲することにした。



サヤ「空いてる部屋ってあるの…?なかったらソファーとかで寝るから。」



ハデス「なにをとぼけているのかな?僕の部屋に決まってるじゃないか。」



サヤ「!?」

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