Episode.6-3『死と真の力』
自分はセリカに気を取らている。
進行方向にいるブローダーはスナイパーライフルの銃口をこちらに向けてスナイパーライフルを再び撃った――――――。
『危ないのッ――――――!!』
ラナは強く踏み込み、瞬きしている間に自分の目の前に飛び出してくるとスナイパーライフルの弾丸を左下の肩から右上にかけて大きくナイフを振り、弾丸を真っ二つに切り、飛び出してきた勢いで風が起き、土埃が舞った。
自分は素早くショットガンをブローダーに構えて最後の2発を撃ち、1発目はブローダーの右肩に命中して衝撃でスナイパーライフルを落とすと同時に怯み、2発目は頭に命中し、血を流しながら倒れ動かなくなった。
「くそッ――――!! 魔物が銃を使うなんて聞いたことがないッ!!」
弾がすべてなくなったショットガンを投げ捨て考えた。
魔物へ銃を構えた時の回避や防御態勢、魔物達も長い年月で進化しているのだろうか?
そして、セリカの出血量を考えるとかなり危険な状態だ――――――。
自分は急いでセリカを横抱きして持ち上げ、来た道を後退し始めた。
「ラナ! B区域に戻るぞッ――――――!!」
『わかったの!!』
ラナは先に後退して目の前からシャドウが飛びかかってくるが、ラナはナイフで鋭い爪の攻撃を受け流し、次々と出てくるシャドウの頭、足、体と様々に切り裂いて道を開けていく。
「B区域に戻ればフィーナが…!」
『だめよ………間に合わないわ……………。』
セリカは苦しそうに喋っている。
自分の手にはセリカの血の生暖かさが伝わってくる――――――。
5体のデビルが後方から追いかけてきている。
「どうすれば………!!」
『お願い………この世界を…終わらせて………………。』
セリカの意識が遠のいていく。
しかし、セリカは少し嬉しそうでもあった――――――。
『リオ………暖かい……………。』
「セリカ………。」
セリカは初めて名前を呼んだ――――――。
『お願い………約束……………。』
「だめだ…セリカ!!」
セリカはこちらの頬に手をくっつけるとセリカの過去の記憶が少し見えた――。
E区域で捕まっていた時のだろうか?
それと知らないメイドがいる。
黒髪ロングヘアの前髪には今セリカが身に着けているうさぎのヘアピンが着いている。
記憶の見え方がレーネの能力と全く同じだ。
どうなってるんだ?
セリカは捕縛の能力しかないはずだ――――――。
「こ…れは…。」
セリカの目はゆっくりと閉じていき最後の言葉を残した――――――。
『リオ……………あんたのこと…本当は………嫌いじゃ…………なかっ………た……………………。』
セリカの力が抜けてゆっくりと腕が落ちていき、息が止まった――――――。
5体のデビルのうち、1体のデビルに1本の槍を投げられ、自分の背中に槍が刺さった――。
刺された衝撃で横抱きしているセリカの手を離してしまい、セリカは地面に投げ飛ばされ、自分はそのまま地面に倒れこんでしまった。
肩に掛けていたアサルトライフルも吹き飛び、倒れ込んだ自分に追い打ちをかけるかのように残りの4体から槍が4本投げられ、背中と地面に刺さる――――――。
「がはぁっ――――――――――――!!」
『ご主人ッ――――――!!』
先に後退して道を切り開いていたラナが戻ってくる。
デビルからこちらにまた1本槍が投げられるがラナはナイフで切り落とした――。
無力だ――――――――――――――――――。
セリカも自分すら守れない。
力さえ………力さえあれば…………。
力…………………?
何故自分だけが不死になっている………?
何故あの時に同じナイフがあった………?
何故見れないはずの過去の記憶が見えた………?
力……………能力………人間の自分に…?
自分の奥底に感じる………。
みんなの力が――――――――。
破壊する力を――――――俺は覚えているッ――――――――――!!
手を力強く握りしめる――――――――――。
「ああああああぁぁぁぁぁッ――――――――――――!!!」
槍が5本刺された状態で地面から立ち上がった――――――。
「俺がッ――――――――――!!」
セリカの能力を使いデビルの動きを鈍くした。
みんなの力が使える――――――。
しかし、クリリアだけは使えそうにない。
ホルスターからリボルバーを左手で取り出し、手のひらに弾薬入りシリンダーを生成し始める――。
手のひらに光が集まり青い弾薬入りのシリンダーが生成されていき、完成したと同時に弾薬入りシリンダーを空中に投げてシリンダーラッチを押し赤い弾薬のシリンダーを外し、落ちてくる青い弾薬入りのシリンダーを右から左へリボルバーに殴り入れて装填が完了し、リボルバーをデビルに構えた。
シリンダーと弾薬は青くはっきりと輝いて見える――――――。
「殺ってやるッ――――――――――――――――!!」
リボルバーを3発それぞれのデビルに撃ち、青い軌道を描きながら弾丸が飛んでいくと、セリカの能力で動きが鈍くなったデビルは3体とも避けきれず頭に命中して炸裂したように頭が吹き飛び、血を辺りにまき散らしながら落ちてくるが、残りの2体のデビルが槍を投げてくる――――――――。
『ご主人はラナが守るのッ――――――!!』
ラナは左側のベルトから二本目のナイフを左手で逆手持ちに取り出して右手のナイフで1つ目の槍を切り裂きながら右に一回転してそのまま左手のナイフで左下から右上にかけ、2つ目の槍を切り落とした。
俺はさらにリボルバーを2体それぞれのデビルに1発ずつ撃ち、青い軌道を描きながら飛んでいき、弾丸は残り2体とも頭に命中して頭は炸裂し、血を流しながら落ちてくる。
リボルバーを左のホルスターにしまい、体に突き刺さった槍を持ち勢いよく抜いていく。
「くっ――――――あああぁぁぁぁぁッ!!」
激痛と共に血を流しながら抜けていく槍は投げ捨てて次々と抜いていき、5本全部抜き終えると膝をついてしまう。
傷口は塞がり、出血はすぐに止まった。
しかし、今は休んでいる暇はない。
フィーナの力を使って急いでセリカを治さなければ――――――!
「セリカを………!!」
赤い弾薬のシリンダーを拾い、ウェストポーチにしまいながら急いでセリカの元に向かった。
セリカの前でしゃがんでセリカの出血している腹部に手を当て、フィーナの能力を使い傷口を治すが息が戻らない――――――。
「どうして…どうしてだッ…!!」
『たぶん………魂がもうないの………。』
「そんな………。 もっと早く力に気づけば…。 くそっ…くそぉッ…帰って来てくれッ………!!」
『ご主人……………。』
フィーナの能力を使い続けるがセリカは変わらず息が戻らなかった――。
「なんだ…? 意識が……………。」
『ご主人………?!』
能力を使い続けていると意識がどんどん無くなり、ゆっくりセリカの方に倒れていき、セリカの上に俺は倒れ込んだ――――――。
薄れる意識の中、セリカの過去の記憶がさらに流れ込んでくる――――――。
『To be continued――』
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