第2話 姫騎士の物語
人気のある物語には一定の「物語を構成する共通点・パターン」があります。
お約束と言っても良いでしょう。
『姫騎士の物語』
第1話で考察した『ドラゴンに囚われたお姫様を王子様が助け出す物語』に次いで多く見られる人気のストーリー展開。
「葬送のフリーレン」「かぐや様は告らせたい」「本好きの下剋上」「処刑少女の生きる道」「贄姫と獣の王」「海賊王女」「私の幸せな結婚」「可愛いだけじゃない式守さん」「くノ一ツバキの胸の内」「花咲くいろは」「ワールドトリガー」「デスノート」「アルスラーン戦記」「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」「響け! ユーフォニアム」等がこのパターンで作られています。
これは「頭を使って組織を守る主人公(6w5)」の物語。
「姫騎士」としたのは主人公が「騎士のごとく何かを守っている」事と男性の主人公の場合でも何故か女性っぽいイメージを受けるキャラが多い為。
この物語を書くにあたってのお約束をいくつか挙げてみます。
①物語には「主人公」「裏の主人公」「主人公を導く者」「ヒロイン」の4人がメインキャラクターとして登場します。
1:主人公の性格は「お嬢様気質・周りの共同体を守りたい」
(四宮 かぐや・メノウ・古代 進・三雲 修など)
2:裏の主人公の性格は「正義を貫く為に人助けを行いたいが実際の行動は苦手」
(早坂 愛・フレア・島 大介・ヒュースなど)
3:主人公を導く者の性格は「マイペースで争いが苦手、平和をこよなく愛する」
(石上 優・アカリ・沖田 十三・雨取 千佳など)
4:ヒロインの性格は「プライドが高い成功志向」
(白銀 御行・モモ・森 雪・空閑 遊真など)
②姫騎士は「何か」を守護しています(※)が、物語の当初は「それを何故守っているのかは分かっていません」。
(セーバー・マシュ・フェナ・アルスラーン・アトム・三雲 修など)
※物語によっては「当初守るべきもの(自分の居場所)がない主人公」➡「1:守るべきもの見つける」➡「2:それを何故守りたいのか、その理由(本当の自分の気持ち)を見つける」の『2段階』を経るパターンもあります。
今流行りの「葬送のフリーレン」はこのパターン。前半は「自分が守るべきもの」を見つけ出すお話。後半は「何故それを守りたいと思ったのか、その理由(自分の気持ち)を見つける」お話の2段階構成となっています。
(機動戦士ガンダム・ブルーピリオド・花咲くいろは・響け! ユーフォニアム など)
③主人公は何事も「頭」を使って判断します。考え過ぎで心配性。いつも不安に囚われており、「直観」や「感情」に流される人を馬鹿にする反面、憧れを持ってもいます。
④主人公はドラゴンによって捉えられているが、ヒーローによって助けられる(ドラゴンに囚われたお姫様を王子様が助ける物語)のではなく、自分自身の手でドラゴンを克服するお話となっています。「ドラゴンを助け出す・飼い慣らすお話」と言ってもいいかもしれません。
(マキア[さよならの朝に約束の花をかざろう])
⑤基本的なお話の流れ:「主人公(テーゼ)」は「裏の主人公(アンチテーゼ)」とのぶつかり合いを行うが「主人公を導く者」の助けによって両者が納得できる新たな道ジンテーゼを見つけ成長する。成長した主人公は裏の主人公と協力して「ヒロイン」を助け出す。
※主人公が裏の主人公と解り合えないまま(裏の主人公との闘いを回避・又は裏の主人公を倒してしまう・裏の主人公との闘いに敗れて裏の主人公に取り込まれてしまうなど)ヒロインを助けようとすると「闇落ち」又はバッドエンドパターンとなります。
(夜神 月・ファプタ[プルシュカと出会う前]・マリーローズなど)
⑥主人公と裏の主人公はテーゼとアンチテーゼ。正反対の性格をしています。
主人公:「目の前の出来事に臨機応変に対処するのが得意・理想が無い・外に発散する」
裏の主人公:「目の前の出来事に臨機応変に対処するのが苦手・理想がある・内に籠る」
(夜神 月と夜神 総一郎・ミオリネとデリング総裁・黄前 久美子と高坂 麗奈など)
⑦しかし主人公と裏の主人公は求めるものは同じ。
どちらも社会的に必要なものを守るために正しさを武器にする。違いは、守りたいもの。
主人公:金銭などの物質を「守り」、その物質の安全性を確保する。
裏の主人公:思想などの概念を「擁護」し、その思想の正当性を主張する。
主人公は他人との関係を維持するのは得意ですが、それが何故必要なのかは理解できません。その理由を見つける為には「裏の主人公」との相互理解が必要なのです。
他にも多くのルール・お約束がありますが、今回はここまで。
後日追加していきます。
まだまだ勉強途中なので勘違いなどもあるかもしれません。
ご意見・ご質問などがありましたら下記ブログまで気軽にお願いします。
ブログ【がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方】
https://gunber.hatenablog.com/
この分析が物語を創るあなたのお役に立てると嬉しいです。
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