定番ストーリーの考察

がんべあ

第1話 ドラゴンに囚われたお姫様を王子様が助ける物語

『ドラゴンに囚われたお姫様を王子様が助け出す物語』


これは「平和と正義を求める主人公(9w1)」の物語。


「ドラゴンクエスト」「スーパーマリオ」「ゼルダの伝説」など人気ゲームでお馴染みのストーリー展開。物語の中でも一番多い定番中の定番、王道の物語。

マンガでは「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「遊戯王」等の所謂ジャンプ系マンガや「推しの子」「王様ランキング」もこのパターン。

アニメでは「もののけ姫」「風立ちぬ」「新世紀エヴァンゲリオン」「Fate/stay night」。

小説では「ソードアート・オンライン」「物語シリーズ」「青春ブタ野郎シリーズ」等がこのパターンで作られています。


この物語を書くにあたってのお約束をいくつか挙げてみます。


①物語には「主人公」「裏の主人公」「主人公を導く者」「ヒロイン」の4人がメインキャラクターとして登場します。

 1:主人公の性格は「本能で動く。平和を愛するのんびり屋さん、正義感が強い」

  (竈門 炭治郎・衛宮 士郎・梓川 咲太・アシタカ・阿良々木 暦など)

 2:裏の主人公の性格は「思考で動く。学者タイプ。破壊衝動が強い」

  (冨岡 義勇・アーチャー・双葉 理央・モロの君・忍野 扇など)

 3:主人公を導く者の性格は「感情で動く。プライドが高い成功志向」

  (煉󠄁獄 杏寿郎・遠坂 凛・桜島 麻衣・エボシ御前・キスショットなど)

 4:ヒロインの性格は「思考で動く。考え過ぎで心配性のお嬢様・お坊ちゃま」

  (竈門 禰豆子・間桐 桜・牧之原 翔子・サン・戦場ヶ原 ひたぎなど)


②主人公は今まで住んできた故郷を離れてルールの異なる世界へと旅立つ。(俗に言う異世界転生。昔は姫様を助ける為に不思議な世界へと旅に出る王子様と言うパターンが多かったです。)


③主人公が旅立った異世界は「複雑な現実」とは異なり「理論的なルールに従う勝利条件が設定された単純な世界」となっています。

※異世界でのルールの例

「鬼滅の刃」

 :鬼は呼吸法を使って首を切らないと倒せない。

 :勝利条件・鬼舞辻󠄀無惨を倒す。

「Fate/stay/night」

 :サーヴァントを契約し最後の一組となるまで闘う。

 :勝利条件・聖杯を手に入れる。

「青春ブタ野郎シリーズ」

 :ゲストキャラ毎の「思春期症候群」発生と解決のルール。

 :思春期症候群を解決する。

「遊戯王」

 :カードゲームで設定されたルール。

 :カードゲームで勝利する。


④お姫様(ヒロイン)はドラゴンによって捉えられている。お姫様をドラゴンから救い出すのが主人公の最終目的。

 ヒロインを縛り付けるドラゴンのパターンは大きく3つ。

 1:邪悪な存在「お姫さまを利用しようとする邪悪な存在によって捉えられているパターン」(竈門禰豆子・間桐桜・サン・ミランジョ・コゼットなど)

 2:家柄・家系「名門の家系は集合体の意志と目的を持ち、ヒロインを捕えています。」(四宮かぐや・里見菜穂子・ポニョ・クーデリア・水崎ツバメなど)

 3:周りの環境「家系と同じく周りの環境がヒロインを縛り付けるパターン」(牧之原翔子・戦場ヶ原ひたぎ・星野瑠美衣・マシュなど)


⑤基本的なお話の流れ:「主人公(テーゼ)」は「裏の主人公(アンチテーゼ)」とのぶつかり合いを行うが「主人公を導く者」の助けによって両者が納得できる新たな道ジンテーゼを見つけ成長する。成長した主人公は裏の主人公と協力して「ヒロイン」をドラゴンの元から助け出す。

※主人公が裏の主人公と解り合えないまま(裏の主人公との闘いを回避・又は裏の主人公を倒してしまう・裏の主人公との闘いに敗れて裏の主人公に取り込まれてしまうなど)ヒロインを助けようとすると「闇落ち」又はバッドエンドパターンとなります。(Fate/stay/nightセイバールート・マブラヴ・風立ちぬなど)


⑦主人公と裏の主人公はテーゼとアンチテーゼ。正反対の性格をしています。

主人公:「マイペース・平和的・のんびり屋・正義にこだわる・内に籠る」

裏の主人公:「客観的・攻撃的・せっかち・正義にこだわらない・外に発散する」

 主人公と裏の主人公の関係は大きく3パターンに分かれます。

 1:親・師匠・先輩・兄弟など

 (冨岡義勇・影山律・ガス・鑢七実・神居宗一郎など)

 2:ライバル・当面の敵→戦いの後、親友・バディになる事もあり

 (モロの君・カゲ・双葉理央・伊井野ミコ・両面宿儺・沙霧尚哉など)

 3:自分自身の影

 (アーチャー・忍野扇・100%モブ・闇遊戯・星野アクアなど)


⑧しかし主人公と裏の主人公は求めるものは同じ。

どちらも現実とは異なる世界を見て正しさを追い求める。違いは、正しさの求め方。

主人公:良い「夢」を「見る」ことで真実を悟れると信じる。

裏の主人公:悪い「偶像」を「破壊」した先に真実があると信じる。

主人公は良い「夢」を「見る」ことで真実を悟れると信じ、夢を見るために心の平穏をもたらす材料を得ています。しかし都合の悪い現実から目を逸らしがちであり、その認識には「裏の主人公」との相互理解が必要になります。


他にも多くのルール・お約束がありますが、今回はここまで。

後日追加していきます。


まだまだ勉強途中なので勘違いなどもあるかもしれません。

ご意見・ご質問などがありましたら下記ブログまで気軽にお願いします。


ブログ【がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方】

https://gunber.hatenablog.com/


この分析が物語を創るあなたのお役に立てると嬉しいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る