321 オイ、流石に、それは言っちゃダメだろ……

 今現在、お互いの意思疎通が上手く取れずに、交際が上手く行っていないダッツと広田。


そんな中、2人は遭遇してしまう。


さてさて、どうしたもんかねぇ?(;´д`)トホホ


***


「あっ、あのよぉ」

「あぁごめん、ごめん倉津君。早く『3人』で、ご飯食べに行かないと昼休みが終わっちゃうもんね。ごめんね。早く行こ、早く行こ」


うぉい!!

なんでチミは、イチイチそこで『3人』強調すんだよ!!

チミは余計な事を言わずに、素直と一緒に、ちょっと黙っててくれんかのぉ。


これ以上、無駄に面倒を増やすんじゃない!!



「だっ、だな。……あぁ、そうだ。だったら広田も一緒に喰おうぜ。大人数で飯を喰った方が、飯も美味いからよ」

「折角だが、遠慮させていただく。昼休みの間に済ませておきたい事も有るからな」

「がっ!!」


ちょ……オマエらなぁ。


ってか!!なんでこんなに素直じゃないの、この子等は?

仲直りしたいって思う気持ちが少しでもあるのなら、ちょっとは俺の話に乗れよな。

乗ってくれさえすりゃあ、津田がなんて言おうが、ある程度はフォロー出来んだからよ。


馬鹿なのか?

それともチミ達は、2人して『ツンデレさん』なのか?


もしそうなら、この状況では非常に迷惑だから、速攻で辞めてくれ。



「倉津君、行こ。隆弘君は、別れた元カノとは一緒に居たくないんだって」

「おいおい、俺は、用が有るとは言ったが。そんな事は一言も言ってないが」

「あぁそう、ごめんねぇ。悪い方に勘違いして、ごめんねぇ。隆弘君は仕事が忙しいから、元カノなんかに構ってる暇はないのかと思っちゃったよ。本当に、ごめんねぇ」

「里香は、何が言いたいんだ?俺は、そんな事は言って無いだろ」

「言ったも同然だよ。いつも、そうやって仕事バッカリ優先してさぁ。そんなに仕事が大事なら、一生1人で仕事バッカリしてれば良いんじゃないの」


あぁ~あっ、もぉ~~~コイツ等だけは……なんなんだよ?

しかも津田の口からは、俺が今一番出して欲しくない言葉を『スコッ』っと出ちまったよ。

あのセリフって、広田にとっちゃあ一番の悩みの筈、そう言うのを上手く調整出来ないんだよな、アイツ。


まぁけど、これが自然に出るって事は、津田の溜まっていたストレスがメルトダウンして水素爆発を起しちまったって事だよな。


けど、この場で、そんなメルトダウンを起されたら、電力会社……いや、俺には、どうにも出来無いぞ。



「確かに、それも良いかも知れんな。そうすれば、こんな面倒も無くて済む。しかし、それだけで上手く行くほど、仕事ってのは甘いもんでもないから、困ったものだ」

「偉そうに、なにが仕事よ。牧村さんの、ただの助手のクセしてさぁ。そんなセリフはねぇ、仲居間さんぐらい稼いでから言いなよ。仲居間さんに比べたら、隆弘君なんて、まだまだ遊びの域だよ」


オイオイオイオイ、ダッツ!!

ソイツだけは、本当に今言っちゃイケネェ言葉だぞ。

あの『退屈出来ない魔王』と比べたら、誰だってヘコく見えちまうって。

第一にして、今の崇秀の奴なら、大の大人だって裸足で逃げ出しちまうって……


アイツの稼ぎは億単位だぞ。

そんなもん、ただの中学生に、どうこう出来る代物じゃねぇっての。

そんなアイツに対抗出来るとすれば、武藤か、氷村のガキぐらいのもんだ。


でもまぁ、それだけに、津田が此処まで言っちまった以上、此処は、最後まで全部言いたい事を言わした方が2人の為だな。


暴走は下手に止めると遺恨が残るからな。


故に、今、俺のすべき事は、この後の事後処理の事だ。

兎に角、出来るだけ現状を把握して、2人を良い方向に導いてやらねぇとな。


そこが最重要だ。



「確かに、傍から見れば、そう見えるかも知れんな。ただ、俺も必死にやっている。悪いが、里香に、そこまで言われる筋合いは無い」

「必死だったら、なにをやっても良いって言うの?彼女は放って置いても良いんだ?そんな『心持ち』だから、いつまで経っても上手くいかないんだよ。ちょっとは、自分を見直したら?」

「さっきから、何を言ってる?『他人』の里香には関係ない話だろ。彼女でもないのに、大きなお世話だと思うんだが」

「えっ?隆弘君……今、私の事を他人って言った?」

「あぁ、言ったが、それがどうした」


ばっ!!ばっ!!ばっ!!馬鹿者!!


オマエなぁ……腹が立ってるからって、なんちゅう事を言うんだ。


確かに、今の津田の言葉は悪い。

がだ、それはオマエの事を心配しているからこそ、出て来た言葉なんだぞ。

だから、罷り間違っても『他人』なんて言葉だけは使っちゃイカン。


それにな……女子は感情的に話しやすい生き物だと認知されてるから、ある程度の事は世間でも許されるもんだが、それに釣られて、男が感情を剥き出しにして、どうすんだよ?


んな事を軽々しく口に出したら、本当に取り返しが付かない事になるぞ。



「そっ、そっか。広田君にとったら、私は、もぉ赤の他人でしかないんだ。……そっか、そっか、そうだよね。翌々考えたら、今は、もぉ彼女でもなんでもないんだし、他人だよね。……他人だったら、詮索するのは変だよね。……ごっ、ごめんね。一杯嫌な事を言っちゃったね……ごめんね」


ほらな。



「りっ、里香……」

「ごっ、ごめんね……ごめんね。もう2度と隆弘君に干渉しないから、許してね。グスッ……もう話し掛けもしないから、今の事だけは許して欲しいの……グスッ、ごめんね、隆弘君」


それだけを言い残して津田は、物凄い勢いで、この場を走り去った。


ヤッパリ、そうなったか……


この事態を、ある程度想定していた俺は、素直に素早く耳打ちする。



「素直、悪ぃ。津田の事を頼むわ」

「あっ、はい」

「あぁそれと……」

「はい」


素直も、俺と同じく事態の予測していたのか、これに即座に同意。

言葉を切ると同時に、津田の後を追って走っていく。


津田と素直、この組み合わせは、中々良い関係になれる筈だ。

恐らく素直ほど、津田の気持ちを理解出来る奴は居ないからな。


俺が言うのもなんだが、素直は、俺のせいで辛い恋愛を経験している。

この経験を上手く話せば、津田の気持ちも少しは治まる筈だ。


それ程、素直の言葉には説得力が有る。



さてさて……取り残された俺は、このどうしようもない馬鹿の方を、なんとかするか。

この素直じゃない奴が、どういう反応をするかは未知数だが、津田の為にも、早く解決してやんねぇとイケネェしな。


まぁ此処は1つ、乗り掛かった舟って事で。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


広田君に対して溜まったストレスを発散するが如く、口いっぱいに物を言ってしまったダッツちゃん。


まぁ、此処に関しては……幾らなんでも言い過ぎですね。

特に、世界を相手にする様な崇秀を、比較対象にするのは、流石に不味いでしょう。


しかも、それに心当たりがある広田君も辛かったのかして。

ダッツちゃんに対して『赤の他人』っと言う言葉で、三下り半を渡してしまい。


ダッツちゃんは、その場にいられなくなってしまい……逃げちゃいました。


まぁ、喧嘩してる時って、こんな物なんでしょうから、仕方がないと言えば、仕方がないのですが。

お互い、ちょっと素直じゃ無さ過ぎましたね(笑)


さてさて、そんな中。

その場に残ったのは、倉津君と広田君に成ってしまった訳なのですが。

倉津君は、一体、広田君に対して、どういう態度で接するつもりなんでしょうね?


まぁそこは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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