319 ウゲッ!!最悪じゃねぇか……
俺が学校内で恋愛相談所と化してしまった事に不満な素直は、その原因となったダッツの所に殴り込んで行きそうな勢い。
『これは不味い!!』と感じた俺は、素直を宥める為に『一緒に昼食を摂る』事を提案して、その場はなんとか収めるが。
本当に、それだけで上手く行くのか?という疑問が湧いて来た。
なんか、嫌な予感がするんだよなぁ(;´д`)トホホ
***
……ハイ、悪い予感は、見事に的中でございますな。
しかも、状況は、俺なんかが思ってた以上に酷いものでございますな。
敢えて言うなら『惨状』って言葉が、最も正しいと言える表現なんじゃござんせんかね。
いやな、さっきも言った通り、素直と昼飯を食う約束した時点から嫌な予感はしてたんだぞ。
けど、明らかに、こりゃあねぇよ。
流石にこれは、あまりと言えば、あんまりじゃねぇか?
……って言うのも、実はな。
さっき昼休みのチャイムが鳴って、素直が2人分の弁当を持って、嬉しそうに俺の元までやって来たんだよな。
まぁ、そこまでは良いよな。
昼食を一緒に食う約束してんだから、そうなるのは必然だし。
だがよぉ、その直後、当然の様にハプニングがやってくる訳だ。
こんな風にな……
「倉津君。また、あそこで一緒にご飯食べよ♪この間のお礼に、倉津君の分の昼食も買ってあるよぉ♪」
『うわっ……マジかよ』
……って具合に、非常に悪いタイミングで津田が、隣のクラスから遊びに来ちゃったんだよな。
勿論、それを見て、素直が良い気分になる訳も無く。
一瞬にして不機嫌な表情になり、まるで津田を邪魔者でも見る様な目で睨み始めた。
現に今も津田を思いっ切り睨みつけて、宣告通り『どっか行けオーラ』を全開に出しまくってるんだよな。
それでだ。
津田の方も、イキナリ訳もわからず、そんな視線を浴びせ掛けられたもんだから、それに呼応する様に、一瞬にして不愉快そうな顔になるんだよな、これが。
っで、その後……
「あの、どなたか存じませんが。真琴君は、今日、僕とご飯を食べる約束をしてるんです。だから、今は遠慮して貰って、今度にして貰って良いですか?」
こんな素直の先制攻撃を浴びた津田は、更に『ムッ!!』っとした顔になった。
そして当然の如く、ダッツは反撃を繰り出す。
「アナタって、確か、芸能人の有野さんだよね。有野さんって、芸能人だから、そんな意地の悪い事を言うの?そんな意地悪を言わずに、みんなで食べれば良いんじゃないのかな……トカトカね」
この津田の攻撃に、素直が『ビキッ!!』っとして青筋を立てた。
「僕、アナタの事を、よく知らないから、別に一緒に食べる道理は無いと思いますけど。それに僕は、真琴君と、お話が有るの。だから、本当に遠慮して貰いたいな」
「なにそれ?彼女でもないくせに……」
「うっく!!……って言うか、アナタだって、真琴君の彼女じゃないじゃないですか」
……ってな感じでだ。
校内きっての美少女2人が、脇目も振らずに、壮絶な舌戦を繰り広げる訳だ。
まぁそりゃな、俺としては、恒例なんだが、悪い気はしねぇんだぞ。
美少女が2人、必死に俺を取り合う構図なんて『エロゲー』や『ラノベ』でもない限り、早々有り得ねぇシュチュエーションな訳だから、俺としては、寧ろ、全然良いんだけどな。
けどよぉ、素直は、成り立てとは言え『芸能人』だし、津田も校内一の『オシャレ番長』って言われてる訳だろ。
だったら、俺なんかが言うのもなんだけどよ。
流石に、もうちょっとは、世間の目ってモノを気にした方が良いと思うんだよな。
折角、築いて来たものを、こんなショウモナイ事で台無しにするのも勿体無かろうに……
つぅ事で、アッシなんかで申し訳ねぇが、そろそろ止めさせて頂きヤス。
(↑最近、人付き合いが多くなったから、揉め事に慣れてきた俺)
『ガンッ!!』っと、俺専用の大事な睡眠机を蹴飛ばした。
「「えっ?」」
まぁ突然、なんの前触れもなく机が蹴られたんだから、2人同時に驚くわな。
だから、そこを狙って、こう言えば、この無意味な喧嘩は、綺麗に収まる筈だ。
「あぁ、もぉ、るせぇなぁ、るせぇるせぇ。そんなにゴチャゴチャ言うんなら、もぉ2人共どっか行けよ。耳元でピィピィうっせぇんだよ、オマエ等」
「「・・・・・・」」
「あのなぁ。俺は、オマエ等2人と美味い飯を食いたいとは思うがな。喧喧した雰囲気で、飯なんぞ喰いたくもねぇの。それでもまだ、そんなツマンネェ喧嘩をすんなら、どっか他所でやってくれ」
ほんでだ。
こう言った後に、一個の鍵(第二音楽室の鍵)を机の上に『ドンッ!!』っと置いた上で、ハードケースを抱えて廊下に出て行く訳だ。
そしたらだな。
奈緒さんや、ステラみたいな反省する機能が無い人じゃない限り、普通は反省するって寸法だ。
特に素直と、津田の場合は真面目な優等生だから、効果は覿面と……
矢張り、二学期の和製クルーグマンは、常に完璧だ!!
「……あっ、あの、真琴君、どこ行くの?」
「知るか」
んで、この様に立ち去りゃ、あの鍵が、音楽室の鍵だと素直なら気付く筈だ。
そしたら、あの優等生共は反省して、必ず俺を追い駆けて来ると思うんだよな。
そんで、その後、仲直り。
その後にでも、みんなで美味しいご飯を戴きましょうや。
まぁってもだな。
この計画自体には、結構、大きな落とし穴があんだよな。
あの例の音楽室に行くには、どこをどう通っても、2年A組の前を通らなきゃならない。
そしてA組と言えば、あのアホ朴念仁の広田が居るクラス。
今日のタイミング悪さだ。
あの2人が素早く反省して、2-Aを通過する位に、俺を追い駆けて来る可能性が無きにしも非ず。
そうなった場合、かなりピンチな状態になってしまう確率が高い。
早い話、この状況を見て『広田の馬鹿が、変な誤解をしかねないか?』って話だ。
まぁ、そうは言ってもだ、そんな毎度毎度、都合の悪い事バッカリも起こるまいて……即座に反省出来る機能なんて持ってる奴は、稀な人間だしな。
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
( ´,_ゝ`)プッ
いやはや、まるで仕組まれていたかの様に『悪い方向』に転がりましたな( ´,_ゝ`)プッ
まさか、こんなにタイミング悪く、ダッツちゃんが遊びに来てしまうなんて(笑)
まぁ、この程度で終われば、御の字って事で。
(……終わる訳ないけど(ボソッ))
オイ、コラ、殴公、なんか言ったか!!( ゚Д゚)
……って事で次回。
また倉津君の身に、何かが起こるかもしれません。
いや、きっと起こるでしょう(笑)
なので、そこが少しでも気に成りましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
殴公、俺の話も聞けや!!( ゚Д゚)
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