318 えっ?そこ、怒る所か??

 ダッツが『倉津君は怖くない』『恋愛相談もしてくれるよ』っと言う事を触れ回ったせいで、今では、学校で女子達の恋愛相談所となってしまった俺。


今日も、数人の女子達の相談を受けて、嫌ではないが、ぐったりしていたら……

_( _´ω`)_ペショ


***


「真琴君。さっきから、なにしてるんですか?なんか女子が引っ切り無しに、真琴君の所に来てるみたいでしたけど」


そぉ、珍しく仕事がOFFの素直が俺の元にやって来たんだよ。


まぁ芸能活動が忙しくて、此処最近、学校には殆ど来てない素直は、俺の今置かれている現状を知らないので、当然、この俺の不信とも言える行動に不思議そうな顔をしている。


まぁ、そらそうだわな。

今までの俺の学校での生活態度から考えたら、アホで不良の俺なんかが、学校内の女子から恋愛相談を受けてるなんて夢にも思うまいて……


そりゃあ、全知全能の神様でも見逃す様な話だ。

(↑俺に悪戯する神様【張本人】以外は気付くまい)



「なんでもねぇ、なんでもねぇんだよ、素直」

「そう……なんですか?でも、真琴君、なんか、凄く疲れてるみたいですけど」

「まぁなぁ、そりゃあ毎日の様によ。他人の恋愛相談なんか聞いてりゃ、疲れもするわな」

「恋愛相談……ですか?どうして真琴君が、そんな事してるんですか?」

「いやな。聞いてくれよ、素直。コイツには、海より深い事情が有ってだな……」


俺は、津田の名前を伏せて、今までの事の顛末を、素直に語った。


勿論、愚痴もタップリ吐きながらな。


でも、素直はな。

そんな俺の言葉を、嫌な顔1つしないで『うんうん』っと頷きながら真剣に聞いてくれていた。


これにより、少しだけ気分が晴れた様な気になる。


ありがたや。

感謝感謝しておりますぞ、素直さん。


***


「……ってな訳だ」


話し終わって、素直の顔を見ると……何故か、お怒りのご様子。


えっ?ちょっと待ってくれ。

オマエは、一体、なにをそんなに怒っとんのじゃ?


なんか俺、オマエが怒る様な事を言ったか?


まさかとは思うが、ひょっとして……



「酷い。……そんな風に、人に投げたままにするなんて、絶対に許せないです!!その子、何組の子ですか?僕が文句を言って来てあげますよ!!」


あぁあぁ……やっぱり、そこで怒ってましたな。


この時、俺は、スッカリと素直の性格を忘れてたんだが……素直って、こう言う理不尽な事や、責任の無い事をしたりしたら、結構、怒ったりするんだよな。

真面目と言うか……優等生と言うか……兎に角、変な所で融通が利かねぇんだよな。


まいったな。

早く止めねぇと、津田の所に怒鳴り込みそうな勢いだ。



「オイオイ、落ち着けって、素直。元を正せば、津田も悪気が有って、こんな事をやった訳じゃねぇんだよ」

「その子、津田さんって言うんですね。わかりました。何組の子ですか?」


ぐっ!!


ダッツをフォローしようと言葉を発した途端、早くも、俺の脳タリンな技能が見事に炸裂しちまった。


この事件の真犯人を、こうもアッサリ喋っちまうなんてよ。

これがミステリー小説かなんかだったら、まさに最低の展開だな。

本を破り捨てて、ゴミ箱にダンクシュートを決める程の間抜けさだ。


しかしまぁ、俺の脳味噌ってマジで救いがねぇな。

あの時『海水しか入ってない』って奈緒さんに言ったのも、強ち間違いじゃないみたいだ。


とほほ……



「いや、だから、落ち着けって」

「流石に、これは落ち着いてられませんよ」

「なんでだよ?オマエが、そこまで怒る様な事じゃねぇじゃねぇかよ」

「そんな事ありませんよ。折角、久しぶりに学校に来れたのに、真琴君と、ゆっくりお話する時間がないなんて、そんなの嫌です。……絶対に僕、その津田さんって人が許せません」


いやいや、素直さん。

マジで、そんなに怒らなくても良いんじゃないですかい?


ちょっとカルシュームが不足しちゃいませんかい?


第一オマエさぁ、俺とは、偶に奈緒さん家で逢って、結構、色々と話してるじゃんよ。

だから、そんな目くじらを立ててまで怒らなくても良いんじゃね?



「まぁまぁ、そう怒んなって。さっきも言ったけどよぉ、津田も悪気が有った訳じゃねぇんだからよ」

「どうして真琴君は、その津田さんって人の味方をするんですか?僕だって、真琴君に、お話したい事が一杯有るのに……僕の事、その津田さんって人より嫌いなんですか?」


うわぁ~~~、素直の奴、思った以上に、相当なストレスが溜まってるなコリャ。


以前の素直なら、絶対、こんな事を言わなかったんだけどな。


けどよぉ。

なんか、そんなに俺と話すのを楽しみにしてくれてたんだったら、ちょっと可哀想だよな。


なんか良い方法ねぇかなぁ?


どうせ、なんも思いつかんけど……


……って事で、取り敢えず、優先事項は素直にフォローだな。

これだけでも先に言っておきゃあ、素直も、ちょっとは納得出来るだろうしな。



「オマエねぇ。なんで、そう言う情けない事を言うかな?俺が、オマエの事を嫌う訳ねぇだろ」

「でも……」

「デモも、学生運動もねぇの。あのなぁ素直。俺とオマエの仲は、今更、そう言う事をイチイチ干渉する様な間柄じゃねぇだろうに?長い付き合いになって来てんだからよ。そう言う事は言わねぇの」

「でも、僕も、真琴君とお話したいし……」


あぁもぉ、まいったなぁ。

素直の奴も、マジで慣れねぇ芸能生活で、大分無理してるみたいだしな。


もぉしょうがねぇなぁ。


ダッツを宥めた方法を使ってみるか。


……言っとくが『クンニもどき』じゃねぇぞ!!

タダでさえ、以前に『素直のオッパイ吸って寝んね』してんだからな。

それ以上の事を素直にしたら、また、ややこしい事になるからな。


『クンニ』はしねぇぞ!!



「だったらよぉ。昼休みになったら、昼飯でも喰いながら、ゆっくり話そうぜ。時間を作るからよ。それで納得しろ」

「えっ?……えっ?えっ?えっ?それって、僕と、真琴君の2人きりで、一緒に、ご飯を食べれるって事ですか?」

「おぅ。邪魔が入んなきゃな」

「邪魔ですか。……そんなの、なにがあっても入れさせませんよ」


こっ、怖ッ!!


顔は笑顔なのに……『絶対、誰にも邪魔なんてさせない』って意思が、素直から沸々と伝わって来る。


此処まで、あの素直が意思表示をハッキリさせてくるなんてよ。


怖いな芸能界……



「・・・・・・」

「あっ、あの、じゃあ、2人で昼食って事で良いですか?約束ですよ。絶対、絶対、約束ですよ」

「あっ……あぁ」


素直は、いつもの笑顔でそう言った。


勿論、この笑顔には、さっきの嫌な違和感は感じない。

本当に、いつもの素直だ。


けど、なんか、豪い必死過ぎねぇか?

必死さが30%ぐらい増量されてる気がするんだが……気のせいか?



「じゃ、じゃあ、昼休み楽しみにしてますね」

「おっ……おぅ」


それだけを言い残して、嬉しそうに素直は席に戻って行く。



「真琴君と昼食……ふふふ」


なんか、やな予感が……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


恋する女の子は怖いですね(笑)

素直ちゃん……なんかメンヘラ度が少し上昇している様にも見えますしね。


まぁでも、慣れない芸能生活で、結構、苦労している事も多い事でしょうし。

その辺を、どうしても恋愛対象である倉津君に聞いて欲しい、と言う気持ちは解らなくもないですけどね。


さて、そんな中。

以前、ダッツちゃんにしてあげた様に『昼食を一緒に摂る』と言う約束をしてしまった倉津君なのですが……


本人は、どうにも、なにか嫌な予感がしている様ですね(笑)


さてさて、その嫌な予感は的中するのか?

それとも、ただ単に、素直ちゃんとの食事を楽しむ事が出来るのか?


それは次回の講釈!!

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾



ケッ!!、どうせ悪い方向なんだろ( ゚Д゚) ('ω'*)お望みとあらば♪

   んなもん、望んでねぇわ!!( ゚Д゚)=○))з`)またまたぁ~~照れちゃって

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