第一章・第二話 あちらこちらで激突

317 あれから一週間経ちました……なんだこれ?

 002【あちらこちらで激突】


 津田との奇妙な会合から1週間が経過した。

その一週間と言う期間中に、俺は津田のせいで、思いも寄らぬおかしな事に巻き込まれてホトホト困り果てている。


勿論、こういった結果には、そうなる為の要因が付き纏うの言うまでもないのだが。


今回のその要因になったのが、このセリフだ。

『崇秀の代わりなぁ。まぁ勝手にしてくれ。但し、責任とんねぇぞ』

前節で、あの無警戒に放った、俺の不用意な言葉が全ての原因だった。


俺自身は、あんな冗談めいた話を真に受ける人間なんて居ないと確信していたんだが……不幸な事に、津田は天然の真面目人間。

俺の適当に言った言葉なんかを、なんの疑いもなく真に受けて、翌日から、本当に学校の女子に『俺が怖くない』って言うのと『恋愛相談に的確に応えてくれる』って言うのを触れ回りやがったんだよ。


っで、そのお陰でよ。

なにを期待してんのかは知らないが、学校の女子が、矢鱈滅多、俺んとこに恋愛相談に来る様になった訳だ。


だから俺は、日がな一日、女子の愚痴とも言える様な恋愛相談を聞いてるって話だ。


まぁ別に、これ自体が、そんなに嫌な訳じゃないんだがな。

幾らなんでも、モノには限度ってものがあるしよ。

そうやって相談を受けるにしても俺なんかには、崇秀みたいな女子力UPの助言が出来る訳でもないし、まずにして恋愛経験ですら豊富な訳でもない。

だから当然、そうやって女子が相談に来たとしても、適切な助言が出て来る訳でもなく。

言わば、極当たり前の事を言ってやるぐらいしか出来ていねぇんだよな。


しかも、どちらかと言えば俺は頭が悪いので、思った事を真っ直ぐに言ってしまう傾向しかない。


だから、ハッキリ言っちまえば、こんなものは恋愛相談に乗ってるとは言い難く。

ただ単に『綺麗事ぬかしてるか』か『それっぽい与太言をほざいてる』に過ぎないんだよな。


故に……『こんな適当な言葉が、恋愛を上手く行かせる要因になる筈が無い』『恋愛は、そんな甘いもんじゃねぇよ』


俺は、そういうものだと高を括っていた。


だが……矢張り、此処で『だが』と言う言葉が登場する訳なんだがな。

漫画人生まっしぐらな俺の人生が、そう思い描いた通りの状況になる筈もなく。

案の定、酷い方向に悪化の一途を辿る羽目に成ってしまった。


この俺が適当に、相談に来た女子に吐いた助言が、相談に来た女子の悩みにマッチしてしまい。

何故か、女子の想い人の男と気持ちが急接近。

しかも、事もあろうか、そいつ等は、俺に相談してから3日も経たない内に付き合い始めちまったんだよな。


んで、最終的には、2人揃って、俺の所に御礼にまで来くる始末。


そこからだよ。

この話の最大級に最悪な処は。


その俺が助言した女ってのがな。

なにを考えてやがんのかは知らねぇが、この事を他の女子にも……『倉津君の恋愛相談最高!!マジで的中率100%だって!!絶対みんなも相談してみなよ』等と、無責任にも、人を恋愛占い師みたいな扱いをして、余計な事をほざきやがったんだよ。


そんで、その話を真に受けた根が単純な女子達は、我先にと俺の言葉なんぞを聞きに来る始末。


しかも、その訪れる数が途切れる事はなく、朝一から、放課後まで……一体、なんなんだよ、これは?


この女子達の一連の行動に関しては、今だ、全く理解不能だ。

何故、高々一件のカップルが成立したぐらいで、俺の言葉なんぞをそこまで信じれるか?疑問で仕方がねぇよ。


大体にして俺は、そんな大それた『恋愛の神様』じゃねぇつぅの!!


***


 んな訳でござんすな。

今も、また一人、俺の有り難くもない適当な助言を受けた女子が、嬉しそうな表情を浮かべて自分の教室に帰って行く訳なんだが……


そんな彼女の姿を見ながら俺は……

『コイツ等の脳味噌、ホントに大丈夫かよ?』

『相談してるの、崇秀じゃなくて、俺だぞ俺』

なんて、どうにも拭いきれない様な不安だけが残る。


そして、これ以上、この状況が悪化しない事だけを望んでいた。


だが、そこに……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


( ´,_ゝ`)プッ


この一週間、なにが起こったのかと思ったら。

不用意な自身の言葉と、ダッツちゃんのせいで、こんな面白い状況に成ってしまっていたんですね(笑)


まぁまぁ、それも人生経験です。

愚痴ってないで、頑張って下さいな。


さてさて、そんな中。

最後にシーンで、誰かが登場して来たみたいですが……一体、誰が来たのでしょうね?(・∀・)ニヤニヤ


まぁ、学校での出来事なだけに、奈緒さんではない事だけは確かですが。

その人物は、少しお疲れ気味の倉津君の癒しとなる人物なのでしょうか?


そこは次回の講釈。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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