315 空から飛来せし物

 ダッツの相談を受けていた屋上の一番高い所から、先に降りた俺。

するとダッツも、そこから降りて来るんだが、その際に、あるモノが目に入る。


あっ……(;゚Д゚)


***


 こうなると津田のパンツが丸見えなんだよな。


って言うか。

そんな風にパンツを見てしまってから言うのも非常に心苦しいんだが。

此処は教えてやるべきか……教えてやらざるべきか……いや、寧ろ、降りてから教えてやるべきか?

そうやって悩みながらも俺は、ダッツが広田の彼女と解りながらも、葛藤の中、津田のパンツを眺めていた。


すると、当然、報いが降る。



「うん?」

「・・・・・・(。。)(ジィ~~~)」

「倉津君?どうしたの?そんな神妙な顔をして、なに見てるの?……って!!あっ?えっ?えっ?えっ?やだやだ、見ちゃヤダ」

「へっ?オッ、オイ、コラッ、津田!!危ねぇつぅの!!そんな所で手を離すな!!」

「へっ?」


『ヒュ~~~……ドスン!!』



「フギャ!!」


・・・・・・


もぉな。

此処は、俺がなんも言わんでも解ってくれると思うよ、俺は。

序章で、あれだけ漫画な事を起こしてきた俺だ。

今更、この場でなにが起こったかなんて事を多くを語る必要は有るまいて……そりゃあ、余りにも野暮ってもんだよ。


ちくしょ~~~!!

あぁ、それだよそれ!!

手すりから手を離した津田の尻が、俺の顔面めがけて落ちてきたんだよ!!


くっそぉ~~~、なんでこう上手く、こんな状態になるかなぁ?


ホント、悪い事ってのは出来ねぇもんだな!!オイ!!



「ちょ、ちょ、ちょ……えっ?えっ?えっ?くらっ、倉津君どこ?どこに行っちゃたの?」


……津田よ。


こういう状態の中で言うのもなんなんだがな。

自分の尻に、なんらかの違和感ってものを感じねぇか?


俺は、オマエの尻の下敷きになってんだよ。


つぅかな。

これが、さっき言ってた『クンニ』って、奴をする体勢だよ!!こんちきょ~~~!!

まさか、この体勢の説明を、学校の屋上で、実地で津田に教える事になろうとは夢にも思わなかったわ。


でもな。

伊達に俺も、序章で散々な目に遭って来た訳じゃねぇんだぞ。


此処で呼吸さえしなきゃ『ちょ!!倉津君……やめて。息しないでぇ~~~』なんて間抜けな状態にはならねぇんだよ。


故にだ、此処は1つ、息を殺して、じっくり津田が対応するのを待てば良いだけの事。

そして余計な事を考えない様にするのが、良策ってもんなんだよ。


なので、如何にピンチな状態であっても、此処で慌てる必要性など、何処にもない。

ただ只管に、津田が反応するのを待てば良い。


それにだ。

仮に何かに気付いたとしてもだな。

呼吸をしてないから、俺が気絶してると思えば、サッと津田も退く事も出来るだろうに。


……完璧だ。


これぞ和製クルーグマンっと言われた俺の思考だ。

今回こそは、冷静なる和製クルーグマンがである俺が、完全に神を出し抜いた瞬間だぞ!!


俺は、この瞬間を、どれほど待ちわびた事か。


……しかしまぁ、スマンな、広田よ。

彼氏(仮)のオマエを差し置いて、先に、津田と、こんな体勢になってしまってよ。


但し、故意でやった訳じゃねぇから許せ。

これはあくまで、神の悪戯の領域での話だ。


……にしても、津田のケツは柔らけぇし、良い匂いがするな。

奈緒さんが居なきゃ、このまま死んでも悔いはない、心地の良さだぞ。


だから広田、オマエも、早くダッツと仲直りして、このマニアックプレイを堪能しろ。


後、津田、1つだけ聞きたいんだが、何故にパンツが湿っている?

ひょっとして、さっきの話で濡れちゃったのか?



「あっ、あれ?なにも見えないよ。コンタクトがハズレちゃった。なになに?なんか固いような柔らかい様な物の上に居るんだけど。此処どこ?倉津君、どこ行っちゃったの?」


・・・・・・


オイオイ、嘘だろ。

津田が、まさかの、横山やすし『眼鏡、眼鏡』状態だと。


もしこれが事実だとするのなら、こんな時に、そんな悪質な冗談は止めてくれ!!

つぅか、神の野郎、相も変わらず、どこまでも和製クルーグマンの考え付く思考の斜め上を行きやがるな。

どこまで用意周到に物を考えてやがんだ、この野郎だきゃあ!!


……ってか、んな事より、この新たなる課題を、どう解決するよ俺?


①此処で下手に津田に話し掛ければ。


『いや~~~動かないで』なんてセリフと共に、きっと津田はケツに全体重を俺の顔面に乗せてくる筈。


なので……俺、ダッツの尻圧によって圧死。


②なにも言わずに我慢したら。


当然、津田は、そのまま俺の上でキョロキョロと俺を探すだけで動かない。


当然……俺、窒息死。


う~~~ん。

俺としては、あまりドッチも選択したくないんだがなぁ……どっちみち、死んじゃうしよぉ。


っとなると……残された道は、あれか?あれしかねぇのか?


いやな、俺が思い付いた方法ってのは、他でもねぇんだ。

津田には非常に悪いんだが、パンツを舐めて『ひゃ』ってなった処を、一気に尻から頭を退避させて脱出しようって寸法なんだよな。


でも、コレ、以前に1回、素直の時に大失敗して、ステラの『コークスクリュー・ブロー』を喰らってんだよな。


まぁ言うても、この場にはそのステラが居ねぇから、パンチを喰らう心配はないんだが……ダッツが、人の彼女だから、此処に対する良心の呵責には陥るな。


つっても、このまま津田の尻の下で、死ぬのも嫌だしなぁ。


えぇい、ままよ!!後の事を考えていても、埒が開かん!!

『後は野となれ山となれ』の精神でチャレンジするしかない!!


俺は、この刹那で脱出してやる!!


あぁっと、その前に1つだけ願っておこう。

広田が『処女性』や『初物』に拘らない人間だという事を、切に願っておこう。


こんなハプニングで、津田が、そんな風に見られたら可哀想過ぎるからな。


それに元を正せば、俺が、津田のパンツを眺めてたのが原因だしな。

俺が全面的に悪いのを認めてるんだから、此処だけは、キッチリ頼んだぜ『神様』よぉ。


……ってな訳で『ペロッ』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


……アホですね。

相も変わらず、アホですね。


そしてアホな事を考えてダッツちゃんのパンツを見ていたら、アホな事態に陥りましたね。


さて、今回は、完全なるネタ回だったのですが。

次回は、このなんとも言えない様な解決策で脱出しようとした倉津君の運命を描いて行きたいと思います。


なのでも、もしこの結果が気に成りましたら。

是非また、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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