331 女子とは天使の姿をした悪魔だな
俺の余計な一言が切欠と成り。
文化祭の出し物が、ただの喫茶店の方向だったのがメイド喫茶に決まりつつあった。
だが、そこで弱気な態度に成るから、不幸に成るんじゃないかと気付き。
強気な態度で、心の中で『かかって来いやぁ~~~』っと叫んだ瞬間……待望の反論の声が上がった!!
さてさて、その声が、クラスメイトに届き。
文化祭での出し物が、メイド喫茶じゃなくなる方向に行くのか?
ただ、なんかヤナ予感が……( ゚Д゚)
***
おぉ~~~、やった!!やったぜ!!
心の中で強気に出たら、予想通り、幸運の女神が舞い降りて来やがったよ。
今、俺の代弁で反論してくれたコイツの名前は木根琴美(キネ・コトミ)
俺が、さっき伊藤に言った2~3のブスの1人。
その中でもコイツは、一番強烈な個性を持ってる奴だから期待は濃い。
行けぇ~~~ブス美!!俺の為にも、シッカリと持論を唱えて反論しやがれ!!
マジで頑張れ!!
「却下」
「えっ?」
「アンタさぁ、今、自分が、なに言ってるのかわかってるの?折角、クラスが1つに纏まって盛り上がろうとしてる所なのに、変に邪魔しないでくんない。つぅか、死んでよ。なんで生きてるの?」
「そうだよ。みんなが一丸になって、倉津君の意見で盛り上がってるって言うのに、どういうつもり?由佳ちんの言う通り、1回死んだら良いんじゃない?お葬式ぐらいには行ってあげるからさ」
……いや、確かに、人に投げた俺も悪いんだが、ちょっと反論を掲げただけで、流石に、それは酷すぎるだろ。
そりゃあまぁ、確かに俺も、さっき木根に対してブスとか悪口は言ったがよぉ。
死ねとか、なんで生きてるのとか、葬式に行ってやるつぅのは、流石に不味いだろ。
これは、ちょっと木根をフォローしてやらにゃあいかんな。
幾らブスだからって言っても、木根も、一応は女の子なんだしな。
これは、余りにも見てらんねぇ光景だわ。
「お~い、伊藤、大谷。それは、ちょっと言い過ぎだぞ。一応、やりたくねぇって意見が出てんだからよ。ちょっとは木根の意見も考慮してやれよ」
「えっ?ちょ……ひど~い!!倉津君の意見を尊重して、みんなに推してるのに、そんな言い方ないと思う」
「ちょっと倉津君。舞歌が可哀想でしょ」
はぁ?なに言ってんのオマエ等?
あ・の・なぁ~~~、オマエ等、自分事を棚に上げて、良くそんな自分本位な意見が吐けたもんだな。
これが崇秀の言っていた『乙女脳』またの名を『被害妄想』って奴か。
凄い理屈を言って来やがるな。
(↑今までに散々酷い目に遭い過ぎて、感覚が麻痺して冷静な俺)
「あぁ悪かった、悪かった。そこに関しては、俺が悪かったから謝る。けどよぉ、俺が謝ったんだから、木根の意見も、ちょっとは聞いてやれよ」
「まぁ、倉津君が謝ってくれたんだから、それを聞くのは筋よね。……っで木根、なにが不満なのよ?」
「ぜっ、全部不満なの。私、そんなのやりたくないもの」
「アンタさぁ。倉津君が、アンタの代わりに謝ってくれたんだよ。それなのに、なにその態度?有り得ないんだけど」
「でも、やりたくないものは、やりたくないもの」
「はっ、はぁ~ん。わかった。あんた、自分がブスだから僻んでんでしょ」
「!!」
「あぁそうか、そう言う事か。だったら、なにも心配しなくても大丈夫だよ。アンタなんかにさぁ、メイドの格好させて表に出す訳ないじゃん。厨房でコーヒでも淹れてたら良いんじゃないの。だったら、なにも恥ずかしくないでしょ」
うわぁ~~~……勢いの付いた女子の口撃は、どこに行ってもハンパねぇな。
容赦ってもんが、どこにも感じられねぇし、優しさの欠片すらも見当たらねぇ。
まさに、女子と言う生き物は、天使の形をした悪魔だな。
つぅかよ、馬鹿雛鳥。
オマエも先公なんだったら、もっとシッカリして、この事態の収拾付けろよな!!
『ぽけぇ~~~……ぽぉ~~~~……』
あぁダメだ。
事態が把握しきれず、もぉ既にポケェ~~~っとしてやがる。
つかえねぇ~、マジで、この雛鳥だけは使えねぇ~~~!!
「まぁまぁ、待て待て、伊藤に、大谷。取り敢えず、もう1回、木根の意見を聞いてやれって。それと木根『全部嫌』じゃあ話になんねぇぞ。ちゃんと理由を言えよな」
「よっ、クラっさん。大岡裁き」
「るせぇよ」
ったくもぉ、そうやって俺をチャカす暇が有るんだったら、オマエも状況を打開する方法でも考えろつぅの。
この糞チャラ男め!!
「っで、どうなんだよ、木根?なにが嫌なんだよ?」
「だって……だって私、全然、可愛くないもの。そりゃあ伊藤さんや、大谷さんは可愛いから良いよ。でも私、可愛く無いから、惨めなだけだもの」
あぁ、やっぱり、結論はそこか。
まぁ木根の心境で考えりゃ、そりゃそうとも成るわな。
この木根琴美は『ブス』『デブ』『眼鏡』『つり目』の四重苦を揃えたエリートブス。
だからコイツが、そう言いたくなる気持ちも、わからなくはないな。
けど、確実に1つ間違ってんだよな。
そこから攻めて、この難題を攻略してみるか。
(↑攻略とか言っちゃってる俺)
「オイオイ、木根。そうやって自分を悲観するのも結構だがな。オマエ、スゲェ酷い勘違いしてるぞ」
「えっ?私、勘違いなの?」
「あんなぁ。伊藤だってな、大谷だってな、人より努力してるからこそ、人より可愛く見えるんだぞ。コイツ等だってなぁ、タダで綺麗でいられる訳じゃねぇんだよ。人間つぅのはよ。綺麗や、可愛く生まれるのは稀。色々な試行錯誤を重ねて、初めて綺麗になる生き物なんだよ。そこだけは履き違えちゃダメだぞ」
……って、武藤要が、この間のライブの楽屋で言ってた。
俺としては、実の処は良くわからん。
口だけで、すまん。
まぁけど、あれだ。
美容関係の武藤が言ってたんだから、この話は、ほぼ間違いねぇと考えて良いだろ。
それを証拠に、クラスの女子の大半が、この意見に頷いてる。
勿論、伊藤も大谷も頷いてるから間違いはない筈だ。
やるな要!!矢張り、侮れん男だ。
「けどなの……」
「あのなぁ、なにを言うつもりか知んねぇけどな。けども、ヘッタクレもねぇぞ。此処で一発、一念発起しねぇと、オマエは一生そのままだ。結局は『やる』か『やらねぇ』かのドッチかしかねぇんだよな。……オマエは、ドッチなんだ?」
はい、これ、仲居間流と申します。
俺のオリジナル意見って言うのは、どこにもございません。
所謂パクリです。
パクリ万歳!!パクリ最高!!
「やって……やってみたいけど……やり方が……わからないの」
あぁ、そう来るか。
因みにだが、俺も、やり方はサッパリわからん。
だが、ハッタリはかます。
勿論、意味は無い。
「じゃあ、やり方がわかったら『やる』ってこったな」
まぁ、正直言えば、ヤッパリ、どうすりゃ良いかなんて、まるっきりわかんねぇけどな。
俺には、龍斗のクソガキとか、武藤先生が居るから美容関係に身を置くアイツ等に聞いたら、まぁ最低限度ぐらいは、なんかわかんだろ。
そう言うの得意そうだしよ。
多分、予想に反する事無く、完璧な解答が返って来る筈だ。
うん……けど、この展開、やっぱり俺じゃ、なんもしてねぇな。
人に任せてバッカで、ダメじゃん!!
「うっ、うん。出来るなら、是非やってみたいもの」
「あぁ……そっか。んじゃま、一旦、俺が、その道のプロに相談してみっから。取り敢えず『メイド喫茶』をやる方向で良いな。もう、女子が揉めるのはコリゴリだぞ」
「うっ、うん、わかったもの」
「あっ、あのさぁ、倉津君。私も『それ』お願いしたいんだけど」
「あっ!!ドサクサ紛れに、抜け駆けなんてズルイ!!倉津君。私も私も!!」
「「「「あぁ、私もぉ!!」」」」
「うん。じゃあ、倉津君が、うちのクラスの総合プロデューサーって事で良いかな?」
「「「「賛成!!」」」」」
にゃあぁあぁぁ~~~にぃ~~~!!(再び奈緒さんの真似)
なんでだ?
どこからおかしくなって、こんな事になっちまったんだよ?
大体にして、女子全員なんか、俺の手には負えねぇぞ。
つぅか、元から手に負えねぇけどな。
まぁけど……此処まで盛り上がっちまったらしょうがねぇよな。
取り敢えず、龍斗のクソガキと、要先生に色々と頼んでみるしかねぇよな。
もぉこの事態を収拾するには、それしかねぇよな。
とほほ……こりゃあ、まじで面倒臭ぇ展開に成りやがったよぉ~~~~(泣)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回のお話は「女子の怖さ」っと言うよりも『子供の残虐性』を描いた部分があるのですが。
まだ中学生である彼女達(由佳ちゃん・舞歌ちゃん)は『何気ない一言が、相手の心に傷を付ける』っと言うのを、あまり理解していないので、こう言う残虐な言葉をブスな木根さんに投げかけられたものだと思います。
でも、そんな彼女達も、勿論『更生の対象』です。
この文化祭中に、倉津君との関係を持つ事で。
色んなアクシデントをクリアしていく毎に、彼女達もじっくり成長していきますでの、そちらも楽しんで頂けたら本望でございます♪
さてさて、そんな中。
木根さんを庇い。
不本意ながらも実行委員に任命された倉津君が、早速行動に出ます。
何を仕出かすかは、次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます