ピラミッドの内の攻防

身軽な足取りでトラップを気にせず、奥へ。

「悪人独特な気配・・・いいねぇ。今からでも燃えてくるよー!」

地図を見ながら、子共の様に無邪気に笑えば早速

トラップが、行く手を阻む。

「落とし穴かぁ、さすがにこの地図には載ってないよねぇ・・・なんて」

足下の地面がふっと消えて体は奈落の底に落ちてい・・・

「予想はしてたからなーあんまり驚かない」

ポケットから、刃に長い紐がついている、武器を取り出し

上のまだ柔らかそうな部位を目掛けて、勢いよく投げる。

飛んでいった刃は、上手くそして深くぶっささり

私の体は、最後まで落ちずに、途中で止まる。

「・・・・・・・ふぅ」

そして紐を登っていき、

さっきまでいた地面へと戻ってくる。

「やれやれ・・・困った地形だな。まだ雨で柔らかくなった地面の方がましだ」

気を取り直して進む。

この先もピラミッドの罠に襲われる中偶然引っかかった、出口が見えない暗闇の階段で

下の階段の方から、ぐるるると低い鳴き声を感じ、

貴重な魔力を使用して、火を作った。

明かりの先には、ミイラの犬。の様な生物化け物

いや生物は可笑しいかもしれない。

だって""だもの。

「邪魔だ、今君と遊んでる暇無いんだけど」

「ぐるるる、がぁ」

「ふーん分かった君がそう言うなら。遊んであげるよ」

ニヤリと笑って

「詠唱!"炎亭校章毀滅乱舞えんていこうしょうきめつらんぶ 武撃ぶげき"」

炎を両腕にまとって、構え、すぐに相手の懐へと入って行く

相手も私がどうしたいのかを、理解したのか

殴りかかる予定の右手に向かって牙を向く。

ドガッ ドガッ、ボッ

噛まれるという軌道を変えるために、バク転に近い形でその

顎を蹴り上げ、そして拳を右頬に直撃したおまけに、まとっていた炎が化け物の

体へと伝う。

包帯は燃えて消えた後に残るは、沢山の目がぎょろりと私を見つめている事だけ。

「ひっ!くっ君は、悪い子か!?悪い子じゃないならその炎を消してあげるけど!?」

予想外な展開に対して帰りたい気持ちを抑えながら、警戒する。

ギロッ!

ゾクリ。

(今・・・二つの普通の目で、人の目みたいにこっちを見た?いやそんな訳がないか!?気のせいか?)

よろよろと立ち上がり、戦闘を継続するという意思を見せられたので

私は目を閉じ、無言で両手を銃の形にする。

「がぁぁぁ!!!」

「ぶち込んでやるよ。お前の心に」

獣と呼べる化け物は、走り出し、徐々に距離は近づく、だが彼女は一向に目を開ける

気配は無い。


「がるぁぁ!!」

彼女を噛み砕こうとしたとき

目を開けた彼女によって

バン!

炎の銃弾は、化け物の体を貫いた。


至近距離な為、血は被る事になったが・・・まあそれはいい。

「はぁ・・・また、何か食べて魔力回復しないと」

スタスタと化け物の亡骸を超えて、階段を下っていく。

両手にまとっていた炎は、銃弾が飛ぶと同時に消えた。

それだけ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

反射の雷光 bbキャンセル君 @aiumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ