第17話 アリーナ、勇者と聖女の真実を知る
「エイト……転生者の身体のこと、お前は知らなかっただろう? だってお前は、戦いを全て俺に押し付けて、自分は傷一つ負ったことなどなかったからな」
国王陛下の面前で地面に膝をつくエイトと、魔物のそばに
目と鼻の先にあるディーリンガムの街から漏れる人々の
ルークの吐き捨てるかのような言葉に、エイトはたじろぎ目を泳がせた。
畳みかけるようにルークが言葉を続ける。
「神からのギフトは能力だけじゃない。この身体、そのものもギフトだ。少し鍛えただけで飛躍的に向上する筋力、疲れを知らぬ体力、どんな病気や怪我もすぐに回復する治癒力……どれも、自分のギフトに
ルークにそう言われて、エイトはぐっと嫌そうに顔をしかめる。
そしてルークは、おそらく、エイトが最も触れられたくなかったことを暴露した。
「お前のギフトは
それは、転生者であり勇者であるエイトにとって、最大の武器であり、最大の汚点だった。
エイトの表情が、苦虫を嚙み潰したように
ルークはそのエイトの様子を確認すると、スッと視線を奥のミザリーに移した。
ルークと目が合い、一瞬、ミザリーの眉がピクリと動く。
「そしてミザリー、お前の能力も
エイトと違い、ミザリーはルークにギフトを明かされても微動だにしなかった。
ただ目を細め、ルークを見つめ返している。
対照的な二人の様子に、ルークは小さくため息を漏らしながら言葉を続けた。
「……ギフトは、前世での
ギリギリと歯ぎしりをする音が、エイトの方から聞こえてくる。
「前世において、妻であった
ルークは今まで見たことがないような、心底軽蔑し恨むような眼差しを二人に向けてそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます