海老でドッペルを釣る本体
シャニーズ最高。観てるだけで生きていけるわ。リアルの男子に期待はしてません、私がしっかりしてるから。観賞用男子(?)がいれば…
それだけで良い!!!
まあ、ドッペルゲンガーの私がリアルがどうのこうの言えないけども。
といっても、一応は実在してますのでね? ちゃんとお金稼いでますし(ドヤァ)
個人事業主万歳! といっても、本体ちゃん名義だけども。私は戸籍ないし?
はっ!
自分語りになってしまったわ、失礼しました。
ただシャニーズの素晴らしさを語りたいだけで思考があっちこっちに飛んでいますが、今はただ、フローリングにベタ座りでDVDを止めてMストを観ているだけです。
リアタイでちょっとしくって、恥ずかしそうにする新人くん、めっちゃ最高すぎて鼻血でそう、ってか出る寸前。
大量出血する前にシャニーズ特集が終わりそうで良かったわ… さて、そろそろシークレットゲストの畑トモヒロが出る頃ね。シャニーズに興味ゼロで、船を漕いでいる本体ちゃんを叩き起こさねば。
毛布にくるまって、うつらうつらしている本体ちゃんに、思いっきりデコピンを放ってやる。
いったぁ~なにぃ~?なんて恨めしい顔をむけてくるるも、そろそろ畑トモヒロが出ることを告げると、途端に目を全開にして飛び上がるこの子。
現金なやつめ…
シャニーズがひっこんで、MCに画面がきりかわると、シークレットゲストである畑トモヒロの紹介をしはじめるわ。
本体ちゃんは食い入るように見つめ、ご本人が登場すると、黄色い歓声をあげているわ。
まあ、気持ちはわかるけどね。
さて、私もゆっくりと眺めてみましょうか。
…
…
…
どうしよう。
今度は私が、畑トモヒロに興味が湧かないわ。歌声はとても良いから、聴いてるとどんどん眠くなってくる。
といっても、寝るのもシャクなのよ。だってフローリングだもの。直に寝転がるのは、ちと人として嫌だわ。
…誰よ?3話前で、寝転がって寝てたくせにっていったのは!
それとこれは別なのよ!
…話がそれてしまったわ。
気分転換に、なんか食べましょうかね。そういえば、さっきからお菓子しか食べてないわ。しょっぱいものを…
なんとなく、ガッツリと揚げものなんかを食べたいわ。
ガサガサと広げたものを探すと、なにかお惣菜的なものがちらりと見えたわ。
あら? この子、色々買ってきてたのねぇ…
コロッケ
エビフライ
ハッシュポテト
メンチカツ
からあげ
etc
…
ちょっと思ったんだけど、本体ちゃんが買ってきた食べ物、2人で食べる量じゃないわ。さっき、ピザとカップラーメン食べてたわよね。どんだけ食べる気?この子… この前、ダイエットするとか言ってなかった・・・?
まあ、まあ、
細かいことはスルーしましょ。せっかくだから頂こうかしら? エビフライなんて最近食べてなかったし、食べちゃおうかしら?
パックからエビフライを1本つまんで出して、そのままパクリ。いやー、お行儀悪いけど、最高に美味しいわね!
その間にも、この子は齧り付くようにテレビを観ている。
『畑さぁんっっっ最高~!新曲最高~! 』
「あー、新曲出るとテンションあがるわよねー(棒)モグモグ」
『ふぁぁぁん…☆ もう、好きぃ…☆』
「あらー、歌上手いわねー(棒)モグモグ」
『新曲ぅ… 少しだけでもぉ… 幸せぇ…☆ 配信早くう~☆』
「まー、ギター上手いわねー(棒)モグモグ」
『あぁあぁ、最高ぉぉぉ、生で聴きたぁいぃ!』
「新曲いいわねー(棒)モグモグ」
畑トモヒロが演奏を終えると、一礼してシーンが変わる。ほうっと潤んだ目で釘付けになっていた本体ちゃんは、いつもの表情に戻り、キッとこっちを振り向いてきた。
『ドッペルさぁん!もうぅ!さっきから棒読みぃ!しかもずっと食べてるぅ!』
「あー、ついついね モグモグ」
最後の一口をパクリと食べて、烏龍茶をゴクゴク飲むと、お口がさっぱりとした風味で広がるわ。
うーん、最高!
と思ってると、本体ちゃん訝しげな声をあげてくる。
『…あれぇ~?』
「ん?なに? モグモグ ゴクン」
『い、今ぁ~? エビのしっぽ食べたぁ~?』
「ええ、食べたわよ?」
『え~… 食べてる人ぉ~、初めてみたぁ~』
目を丸くしてこちらを眺める本体ちゃんに、私はやれやれといった顔を浮かべてやるわ。
だってもう、慣れっこなんだもの。
「あぁ、よく言われる事よね」
『食べれるんだねぇ…』
「もうね、よく言われすぎてもう慣れたわ。セロリタイムとかの疑問が出るより先に、答えておくわね。ぶっちゃけ美味しいわよ? パリパリしてるし、香りが強いし、カルシウムがあるし、食べちゃえば生ゴミにならないし、食べない理由がないわね。エコよエコ」
マシンガンで答える私に、本体ちゃんはすこしたじろいだ様子ね。
『あ~うん~? ご丁寧にお答えありがとうぅ~?』
「なんならね、しっぽを食べるために、エビ自体を食べていると言っても過言ではないわ」
『そ、それはぁ~? 過言じゃないかなぁ…?』
謎な表情を浮かべる本体ちゃんに、私は更に畳み掛けていくわ!
「まぁ、害があるものじゃないわよ?」
『害がないって言うけどぉ~…なんかさぁ…Gの羽と同じって聞いた事あるからぁ…』
「はい、出たわね。それも言われるわ。…いい? 成分が同じでも、エビはエビだし、GはGよ! 同じと思わないで!いい!?」
『成分は一緒なんだよねぇ…?』
毛布にくるまったまま、ちょっと引いた雰囲気を醸し出す本体ちゃん。
失礼よね…!
「それを言ってしまえばね、あんたね、シャニーズと畑トモヒロだって、同じ成分で成り立ってるのよ?」
『ほぇぇ…? い、言われてみればぁ~たしかにぃ~』
「私たちだって成分どころか、DNAまでも同じだと思うわよ? それなのに、こんなに違うでしょ」
『確かにぃ…』
「エビのしっぽを食べるという事はそーゆーことです!!!!!」
『うーんとぉ~? どゆことぉ~?』
うん
私も、何を言ってるのか分からなくなってきたわ。 そりゃそうよね、自分で言うのもナンだけど、話の例えがおかしいもの(?)
まとめるとですね?
エビのしっぽは美味しいの! だから食べてるの! 無問題!!
さ! Mストも終わったし、しっかり食べていくわよ!
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