PCオンオフからのぉ~?

 こんにちは~!本体ちゃんだよぉ~!


 ドッペルさん視点でナレーションが進むと思ったでしょぉ? ところがどっこーい、作者は気まぐれだから、たまーにあたしを出してくるよぉ~。うふふん~☆


 ところでぇ~?


 ドッペルさんと生活するのも、ちょっとは慣れてきたかなぁ~? やっぱりねぇ、少しはビックリするんだよぉ~。全く同じ顔の人が、あたしとは別の動きをするんだもん~。


 みんな、経験ないでしょぉ?双子ともちょっと違うと思うしさぁ。なんてゆうか、自分の顔って、鏡でしか見たことないでしょぉ? それがね、違う表情をして、目の前にリアルにいるのぉ。


 ドッペルさんの目の前に言って、バイバイ~って手を振ってみるのね?鏡なら同じ動きするけど、ドッペルさんは眉間に皺を寄せて、はあ?って言わんばかりに、腕組みするんだよぉ~?


 あ、やっぱり実物なんだぁ~! とか思っちゃうよねぇ~!面白い~!


 ドッペルゲンガーってすごいんだなぁ~。あたしと同じ人が、もうひとりいるってさ。なのに中身は全然違うのぉ。 って、ドッペルさんって今まで、どんな生活してきたんだろぉ? なんも言わないから、わかんないなぁ。


 あ、そういえば、なんか言ってた。


『北の方から来た』って。


 ねぇ~みなさん~。ドッペルさんがダジャレ言ってるのか、本気で言ったのか、どう思う~? あたしは反応に困っちゃったけどねぇ☆


 まあ、そんなこんなで、今ね、PCの前でね、画面が暗くなってるモニターに自分が写ってるのをボーっと見ながら、色々考えまくっちゃってたのぉ。


 さて、ネットでもみよっかなぁ?


 マウスをカチカチしながら動かして、スリープモードを解除しようとしたんだけど…


 …あれ?


 解除しないよぉ? あれあれ? よく見たら、電源ボタンが点灯してない~。なにこれ、電源が落ちてるぅ。 あれぇ? あたし、シャットダウンしてないよぉ?ドッペルさんかなぁ?


 台所に立って、排水溝の汚れを気にして、泡の漂白剤を振りまきまくってるドッペルさんに、声を掛けてみたよぉ。


『ドッペルさぁん~』


「なにー?」


 真剣に排水溝を見るドッペルさん、なにこれぇ~、めっちゃ面白い~☆ ってか、漂白剤なんてあたし買ってないんだけどぉ? いつの間に買ってきたのぉ?


 あ、まあ、それは置いといてぇ、本題本題~。


『PC、シャットダウンしたぁ?』


「昨夜、寝る時したわよ? 上がってたから」


 あー、やっぱりドッペルさんかぁ。まぁ、あたし以外だと、ドッペルさんしかいないんだけどねぇ。


『しなくていいよぉ~あたしいっつも上げっぱなしだから~』


「え、そうなの?」


『うん~、電源上げるの待ってる時間、退屈だからさぁ~』


「ええ、ずっと付けてたらPCが早く傷んじゃわない?」


 あれぇ、それは初耳だ~。あ、でも、ドッペルさんってそーゆー所、めっちゃ詳しそうだよねぇ。


『ええ~そうなの~?』


「すごく熱くなったり、動き遅くなったりするじゃない? それってメモリに、処理データが無駄に溜まってってんのよ」


『あ~、そーゆー事なんだ~? そーゆー時は再起動するぅ~』


「そうなってからいちいち再起動するより、使わない時はこまめに電源オフする方が、サクサク動いていいでしょ」


『無理~』


「あんたねぇ…」


 そう言いながら、排水溝にかけておいた泡の漂白剤を、すごい勢いで水で流し始めたドッペルさん。


 なんだろう~、いちいち面白いなぁ~☆


「まあ、つけっぱなしでもいいけど。電気代高くなるわよ?」


『ああう!』


「まあ、そんな差は無いとは思うけども…」


 とか言いながら、ドッペルさんは流し終えてピカピカになった排水溝を見て、ご満悦になってる~。


 なんか、からかいたくなっちゃった☆ ちょっとだけイジワル言っちゃお☆


『電気代ぃ~、そうだよねぇ~。ドッペルさん、生活費いれないから〜節約大事だもんね〜』


「うっ!!」


 あ、なんか、ドッペルさんにクリーンヒットしたみたい~☆ 排水溝見ながら固まってるぅ☆


『そうそう~♪ 節約節約~♪ こまめなシャットダウンしましょうねぇ~♪』


 慌ててこっちにきて、仁王立ちして腕組みするドッペルさん~。でも、威厳とか皆無すぎ☆


「ま、まって!あたしだって生活費入れるわよ! 手始めに貯金から出すわよ!」


 おやおやぁ?風向きが変わってきたぞぉ?


『ドッペルさん、貯金あるのぉ? 今までそんな話してなかったよねぇ~?』


「うっ… 実はある…」


『ふぅーん~、隠してたんだぁ~?』


「そ、そういう事じゃなくて! 入れ替わる予定だったから! 予定が崩れすぎて、通帳作ったりする感じでもなくて、出しそびれていたというか…」


 って言いながら、最初に持っていた大きめのバッグをチラチラと見るドッペルさん。


 へぇ~、なるほどぉ~?そこに直接入ってるんだぁ~? 挙動わかりやすすぎて草☆


 現ナマあるのに、生活費入れるの忘れてたんだぁ~?あ、さっき使ってた漂白剤、そのお金から出したんだねぇ? 謎は全て溶けた☆


『へぇ~へぇ~? おいくらあるのかなぁ~??』


 バッグの方を見ながらきくと、ドッペルさんは慌ててバッグの前に立ったよぉ。


「それは教えません!」


 聞き出し失敗ぃ~。まぁ、同一人物の仲にも礼儀ありって事で、イジワルはここまでにしとこう~。


『でもぉ~、お仕事しないと、貯えは減る一方だよねぇ〜?』


「う、うるさいわね!? 今から見つけるわよ!」


『ここら辺じゃ無理でしょ〜? あたし達、同じ顔だよ〜?』


「~~~!! 在宅WEBワーク! やってた事あるから!」


『おお〜すごい~。その手があった〜』


「探すから! その無駄にスペック良いPC貸して! あんたはネット見るくらいしかしてないわよね!?」


『そうだね〜! 頑張って見つけてねぇ〜☆』


「場合によってはサブスク登録するからね!? その時は名義貸してよ!?」


『はぁ~い☆』


「電源のオンオフも私がやるわ! PCをつけっ放しにはしないからね! 使う時は言って!私の管轄にするからね!?」


『かしこまりぃ☆』


 なんか、ドッペルさんってよく分からない方に暴走するよねぇ~。


 でも、ドッペルさんが収入を得る方向で動いて、生活費ゲット出来ることになったから、結果オーライかなぁ☆


 よぉし~! なんか、どんどん同居らしくなってきたよぉ~! ドッペルさんってキッチリしてるから、すんごい勢いで仕事しそうだよね〜。生活費に期待しちゃう~!


 同一人物とはいえ、かかるお金は2人分だもんねぇ~!あたしもお仕事頑張らないとぉ~! ドッペルさん、あたしも頑張るから、頑張ってねぇ☆


 平等にね、平等に☆


ではみなさまぁ~☆

ちょっと早いけど、良いお年をだよぉ~☆

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