【3-11】その名は "瑞原" 奏
「あな、た――――…………だ、れ?」
私は混乱する頭を
知らない。この子はいったい、だれ?
疑問を口にしても、
代わりに
「探していたリートは、ちゃんと手に入った?」
「あ……うん……」
「そう。それは良かった」
そう言うと
しずしずと。雨上がりの
やがて
「これね。マリーツィアさんが話してた『ヤシロのリート』は……全然、気づかなかったな。私、生まれてからずっと
そう言うと、少女は私の手首を
親しげに話しかける
混乱し
「と、
短く、
「そう言えば言ってたね。マハは
奏もそうだったけど、少女がベクターを敵視していることを、強く感じる。
「あ、あの……?」
「ああ、ごめんなさい。最初に質問したのは、マハだったね。私は
「ごめん、何のことか」
「ひどい。自分がリートを手にしたとたん、私のことは忘れるんだ? 今日はここに来るまで、ずっと
どういうこと? この子ずっと私たちを
確かに今日はずっと、私は
「え…………でもそれは」
「それとも出会ったばかりの男と
あれは奏がリートを手放したって
そう言いたかったけど、事態が理解できない頭は、なかなか口に伝えてくれない。
「ち、ちが……」
「あなたって
私の手首を
急に強く手首を
「いたっ……!」
「ふうん、ベクターでも痛がるんだ。人の痛みには気づかないくせに。10年前にこの里を
手首を
とてもじゃないけど少女の
まるで
「ご……ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」
「マハって黒主みたいだね。すぐ
「そんなこと、ない、から……!!」
「じゃあ言って、私が
強く強く
私は痛みから解放されてその場にくずおれたが、おかげで思考力を
混乱していた頭が一度痛みを
(「
それだけじゃない。
それに「生まれてから
ベクターに対しての
「みず、はら……かなで」
少女を見上げて、
「あら
心底
私のことを
「そう。私は
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