【3-10】マハと天花のリート
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
þis is seo wyrt seo wiþ wyrm gefeaht,
毒に
þeos mæg wið attre, heo mæg wið onflyge,
そして大地を
heo mæg wið ðam laþan ðe geond lond fereþ.
『私』マハ・ベクターはヤシロを
「古い薬草の
独り言をつぶやきながら、下りた先にある、
さっきまでは
とはいえ雨上がりの
「まったく……リートの
言ってるうちに、だんだんと腹が立ってきた。
古い外国の言葉なんて、本来なら
それでも私が読めたのは――。
「たまたま、こっちが
運良く私――マハ・ベクターに異国の知識があって、さらに薬師だったからだ。
それでも結界の解除には大いに時間を
「おかげで
石橋を
結構な時間が
「ともあれ……瑞原の
つぶやいて足を止めると、右手首に宿った
『君可太女 春能野耳出天 和可奈摘 和可己呂毛手尓 雪波不利川ゝ』
手に入れたリートの
これが一体どんなリートなのか、それも私は知っている。
「15番、天花のリート。その
運命の
「だけど逆理のリートと
あの
アイツは私が
昨夜のお
きっとあのときは、私を
「『逆ツ風』……黒主すら従えるほどの力……あのリートは、
あの『願いを逆しまに
そんな強大な力を、あの
もし
「
『――あいにく
そう口にしたときの
その
「危ない。あの
でも。取り返すとして、どうやって?
私の知識では、
「せっかく『逆理のリート』を
マリーツィアさんの家は近いけど、私はまだ
できれば奏と顔を合わせる前に、この後どうするかを決めておきたい。
「うーん、どうしよう……って、あれは?」
私が
まだ空は
「
服装が
「どうしたんだろ」
私はどうしようか迷ったけど、
マリーツィアさんの家に
「奏!」
呼び止めるが、奏は気づかない。
静かな山里なのに声に反応せず、
「ああ、もう」
仕方ない。私も
登り切って見回すと、
「かな――……で?」
呼びかけようとして、足を止める。
確かに、その人はそこにいた。
見覚えのある服装。
それに初めて出会ったときのように、手にはユズの実を
でも、だけど。
その人の姿は、明らかに私の知る『
声をかけられ、その人がこちらを
気づく。
この人は、
その人は
それに丸みを帯びた身体と
「おかえりなさい」
『
たおやかな容姿と
そう。その人はまぎれもなく、うら若い少女だったのだ。
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