【3-08】反魂のリート
その
ざわっ――と、
思わず、一歩あとずさる。
マリーツィアと、目が合っただけなのに。ただ、それだけなのに。
「大事な話、とは?」
口内に
曲がった
「さっきの話じゃがの。マハちゃんは
単なる年寄りの
「たまたま目的地が
「ふむ。ということは、あの子の
「そうですね。それが何か」
マリーツィアは考えるような仕草をしていたが、やがておもむろに口を開く。
「さっき、10年前の話をしたじゃろ。
「皇太子を密告した皇女にですか? でも皇女は殺されたのでしょう?」
知らないのは"
事件当時の
「ああ、
「では、他人のそら似――というヤツなのでは」
死ぬ現場を本人すら
しかしマリーツィアは
「ドラゴン・リートを
「今もその話で飛び出していきましたね」
「100種類ある
「人を
マリーツィアの言葉を聞いた
そんな
しかし願いを逆に
「86番、
「あなたはマハが
「
しかし、そういうことならば先日の教会の件も理解できる。
あのときマハは、確かに兵士に
その後で
「……そんな細かいこと、どっちでもいいでしょ?」
白昼夢のような出来事なので流していたが、確かにマハの生存には
かと言ってマリーツィアの推測も、にわかには信用できない。
「しかし容姿が似ているだけで、
「殺された皇女の名は、マハ・エクラージュ・シュゼン。シュゼンすなわち
名前も姿も同じとあって、マリーツィアは同一人物と疑っている。
「マハは自分を
「
なるほどな。
自分の対応を持ち出されると、
(しかし、『
ふと、こう思う。
そのリートがあれば、俺の中の"
(奏も、よみがえる?)
心がざわついた。
『100の
言うならば
(探し求める価値はありそうだ)
もし他のリートの宿主が、黒主のように100のリートを集めるならば――。
いずれその『
ならば
(
心の中で
意識の
「なるほど。勉強になりました」
ああ。本当に役に立ったよ。指針が出来た。
これこそ一挙両得というものだ。
後は今の話で、気になるところと言えば――。
「しかし、
この
そのことは黒主の演説を
「私も10年前の事件で知ったのじゃよ。皇太子の反逆は、
次の
「……今はもう
「最初の
そう言ってマリーツィアは
なるほどな。
「そうなると、さっき
「……目の前に
つまり発見しても指を
さてさて。マハさんは果たして手に入れられるのかな――と
「ねえねえ。もしマハが
のんきに構えていた
(そうだ。もしマハが
百種類の
それに『
(アイツが
他人の
今のマハは、
ならば――アーテイ氏が
「マハも
窓の外を見やると、もう雨は上がっていた。
マハがヤシロに向かったなら、じきに帰ってくるはず。
(
それは
見えなくなると「
つまりはそれだけ、
「もし奏が大切な人を生き返らせたいなら、マハを
「……………………」
無言に落ちた
「
「……………………
「
「
熱心に説くアーテイ氏に、たまらず
目の前に居たマリーツィアが、
すぐに我に返った
「ッ……すみません。雨も上がったし、
そう言って
外はまだ
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