【3-06】滅びし里、瑞原
雨上がりの
一面に立ちこめる、
野に
その景観に
十年前に
かつてはユズが
(10年前に"
もう今は人の姿が見当たらない
心の
「何してるの?」
ずっと
「……はっはっは、ちょっと里を
「そっか。
やってきたマハが意外なことを口にしたので、
そんなことまで話した覚えはなかったからだ。
「なぜ、そう思った。そんなことお前に教えたか?」
「だって黒主を
黒主は、「
それほど高位の要職にある者なら、出自の情報も広まっているはず。
まして「
「そういうことか。だから
「あれ、そうなんだ。てっきり私は
その言葉を聞いた
花畑の
「これは、積み石? どうして、こんなところに」
数々の積み石は明らかに人の手によるものだから、当然の疑問だろう。
「かつて、この地には一つの
散らばっていた石ころの
「その里はしかし……
拾い上げた石を積み上げ、しゃがんで手を合わせる。
「
10年前の死者を
「まさか。それって
「なんだ、知ってるのか?」
「うん……でも、そっか。だから
ひとしきり積み石に
「
「友だち?
「最初に話したでしょ。私は
同じ宮仕えの身だから友人――とでも言う気だろうか。
しかし
知り合ったとして、どうやって。それが気になって
「
「
確かにそんな区画があるなら、
だとすると
「本当に
「アンタ、まだ疑ってたの!?」
「正直、『この
「……くっ。まあ、そう思われても仕方ないか」
最初に出会ったときを思い出したのか、マハが
しかし
「姉上に聞かされたなら、知っているはずだ。
「黒主と、ベクター兵……」
「そういうことだ。あいにく
言っているだけで、
ヤツらは
この世の
「……なるほどね」
そう。
ヤツらと同じ
だから
これはもう、
マハも自分が信用されない理由を理解したのか、
息をついた
一
マハの
(きれいだな)
風になびく
「そっか。だから、
「まあな。まだ、あの転送
いきなり話題が変わったので
数理
どこの
正式には『
「本当なら何時間もかけて登る山道だったのに、おかげで簡単に着けたね」
「里が
しかし
姉上が、使えるように整備していたのだろうか。
『
「おかげで思ったより早く
「そう言えば
ひっそりとした
特段、薬師が
するとマハも
「……あるよ。ずっと、ここには『
「
マハは
「
「本当か? あいにくベクターの言葉は信用できんのでな」
「私がベクターだからって、そうウソをつくわけじゃ……ひゃっ」
マハが言い返したところで、また急な風が
その風と同時に、ぱらぱらと
「雨だな」
「ほんとだ。今からリートを探さないといけないのに、降ってきた」
「仕方ないな。どこかで雨をしのぐか」
上空を見ると
しかし
二人して高台の花畑を降り、雨をしのげる場所を探そうとすると。
「――だったら、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます