1章3節――温泉と迷夢と瑞原の里
【3-01】奥嵯峨の温泉宿にて
【3節 温泉と迷夢と瑞原の里】
棄京の北西
近くには
また、『東の
その
黒主を殺した
黒主の「
しかし瑞原に続く道は山で険しく、最短ルートでも時間がかかる。
――――――――……………………。
――――…………。
――……。
古風な木造の温泉宿。
もう辺りは夜のとばりが降りているが、この宿は思ったより寒くなかった。
話によると
温泉で入浴を済ませた
しばらくそうしているうち、陽気な
「ねえねえ
「すれ
指で
「げ、
アーテイ氏が、ドン引きした声をあげた。
気持ちは分かるぞ。
とはいえ、こっちにも
「
他の制限も気になる。
作用機序は? 効果時間は? 使用回数は?
マハとアーテイ氏は
「そんなの、あてぃしに聞けば良いのに~」
「お前、さっきまで居なかっただろ!? どこをうろついてた!? いやむしろ、どうやって
「あてぃし、お
「相変わらず、世界の条理を完全無視した生態しやがって……」
マジメに質問するのも、バカらしくなってくる。
もう、この不思議
「それで
ちょうどいい、アーテイ氏が現れたことだし、答え合わせをするか。
「ヤツが仲居の女に、『ムネくらい
これは最も気になっていた点だ。
アーテイ氏から『
しかし黒主と対戦したときに、どこがどう反転
だからこうして
「……あの状態からすると、ヤツは『女性そのものに
自分なりの
すると
「たぶん相手の本心の、一番大きい願いが対象になるからだよ。それからー?」
こう明快に答えられると、
「問題は、『本心がどう逆に
つまり、逆に
『明日は晴れろ』を逆にすると、明日が
どんな、ひねくれた結果を返すのか。それは
「細かいこと気にするんだねー」
「能力の
「じゃあ答えを言うと、そこまでは
またしてもサラッと答えるアーテイ氏。
まるで
「
「効果に制限時間はあるけど、
「本当に
最初くっきりと刻まれていた
「
「なるほどな」
「もし
アーテイ氏が、念を
その
しかし
「どんな
こう思うのは自信だろうか。過信だろうか。
するとアーテイ氏は意地悪そうに笑い、さらに問いかけてきた。
「その
「黒主みたいにか?」
「
「全てを集めると、どうなる。まさか神様が現れて、どんな願いでも
「まっさか~。でも、もしそうなら、
「そうだなあ、『永遠に数限りなく、
「子どもみたいな
「はっはっは。で、どうなんだ。何が起きる」
黒主が宣言し、あの
願いはさておき、何かしらの意味はあるはず。
アーテイ氏もうなずき、どうなるかを明かしてくれた。
「この世界に法則を1つ
「平等……」
「つまり、奏みたいに『
「
「そゆこと!」
平等が前提なら、特定の条件を持たせることも無理そうだ。
もし言葉遊びで自分だけ得する法則を
「思ったより、つまらん」
「じゃあ、今からでも黒主にあげたら~?」
「もっと気に食わん。それに、この
後ほど答えを検証する必要はあるが、アーテイ氏のおかげで仕様はほぼ
今までに得た結果とも
最後に、これまでの質問の総仕上げとして、
「ひとつ聞くが……どうして、そんなに
「あてぃし、
「……………………」
答えになっているような、はぐらかされたような。
しかし『
これだけ情報が
そろそろ湯冷めしそうなので、
しかしそのとき女
「あら、宿が
そう言って声を
マハ・ベクターだった。
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